目次

プロローグ

成功物語はシリコンバレーにしかないのか？

Ⅰ　ナンバーワンより、オンリーワン

１章　「競争」と「選択」は違う

　　　顧客に差し出せる価値は何か？

メトロバンク成功の秘訣は、「斬新さ」ではない
退屈する前に、ルーティンを断ち切れ
北欧発の型破りな、ＳＯＬクリーニングサービス
足りないのは、情報ではない。想像力だ
わかっているのに、指をくわえて見ているだけ

２章　信じているものしか見えない

　　　情熱、使命感、ひたむきな努力

起業家や創業者は、２種類に分かれる
今やマーケティングのお手本となった、グレイトフル・デッド
ファストフード業界で、突き抜けた存在となる
面白味のない作業を、なぜ完璧に行えるのか？
従業員だけでなく、競合や外部まで—教育のメンタリティ
リーダー自らが「有言実行」を示しているか
言葉で心をつかむ、クイックン・ローンズの言語システム
誰よりも、どこよりも、ひたすら練習を重ねる

Ⅱ　知識が想像力の邪魔をする

３章　専門性の 「罠」 を超えて

　　　成功がアイデア発見を妨げる

ホームレス解消運動「10万人に住宅を」
建物ではなく「生身の人間」に焦点を当てる
視点を変える、態度を変える
何も見ていないことを知る、知っていることを捨てる
境界線の外へ飛び出せ
なぜ駐車場の設計を、世界的建築家に頼んだのか
同じ取り組みを永遠に続けてはならない

４章　好奇心を解き放つ

　　　“初めて”の数がモノを言う

頭のよさよりも、好奇心が独創性のカギ
既存の大企業で生まれた驚異のスタートアップ
旧態依然の輸送業界に、メガバスが新風を吹き込んだ
仰々しい計画より、小さな行動の積み重ねが大事
「専門性のパラドックス」を超えて
新しいことに取り組む限り、若くいられる
老舗工業品メーカー、単品ビジネスからの大転換

Ⅲ　見過ごされがちな「優しさの重要性」

５章　思いやりは、生産性の敵ではない

　　　「感情労働」の重要性が増している

健康は、自分自身に誇りを持つところから始まる
アラスカの病院が、驚くべき生産性をあげた理由
親切・丁寧は生産性を下げるのか？
マニュアル通りのディーラーが失ったもの
心のこもった対応が持つ、本当の力
「感情労働」に対する賛否両論
王立カナダ騎馬警察は、よい子どもをつかまえる
アマゾンのジェフ・ベゾスが祖母に学んだこと

６章　企業は 「愛情」 を提供できるか

　　　本当の幸せとは、どういうものか

相手への敬意から生まれたイノベーション
本当の幸せ、人生の喜びを取り戻してもらうために
従業員との一体感がカギ
顧客の事情を知るための、徹底した体験
善意はプロセスとなった瞬間、陳腐化する
メルセデス・ベンツ「Ｄ ａＳＨ」プログラム

Ⅳ　味方の存在は、権力に勝る

７章　「セレンディピティ」 を求めて

　　　便利さより、衝突を重視する

雑然、騒々しさ、密集が生む活力
実験し続ける過程にこそ、学びがある
「今、ここ」を重視する
金鉱会社ゴールドコープ、イチかバチかの挑戦
謙虚さが、野心の実現を後押しする
貯め込まない、共有する
保守的な組織はどうすべきか
ゆっくり快進撃を遂げた、産業部品の巨大企業ファステナル

８章　「勝者一人占め」 に未来はない

　　　誰もが同じ船に乗っている

ジョン・ルイス・パートナーシップの民主主義
「勝者一人占め」経済で取り残された人々
富の分配とオーナーシップが、従業員を奮い立たせる
全員が勝たなければ、誰も勝てない
ハーバード・ビジネススクールで最も読まれた事例研究
簡単ではない、しかし100年企業も実践している

エピローグ

成功への「８つの質問」

謝辞

注

著者

ウィリアム C. テイラー（William C. Taylor）
米国の著名ビジネス誌『ファストカンパニー』共同創刊者。元『ハーバード・ビジネス・レビュー』（HBR）エディター。HBRのウェブサイト「HBR.org」に連載を持ち、『ニューヨーク・タイムズ』『ガーディアン』などにも寄稿多数。
既刊邦訳に 『マーベリック・カンパニー　常識の壁を打ち破る超優良企業』（日本経済新聞出版社）がある。プリンストン大学卒、MITスローンスクール修了。米マサチューセッツ州ウェルズリー在住。

訳者

北川知子（きたがわ・ともこ）
翻訳家。訳書にムン『ビジネスで一番、大切なこと』、オニール『次なる経済大国』、カラベル『経済指標のウソ』（ダイヤモンド社）、モリス『人類5万年　文明の興亡』（筑摩書房）、クレピネヴィッチ『帝国の参謀』（日経BP社）など。