目次

はじめに

第１章　話題の“芸者さんローン”はこうやって生まれた　無担保・無保証のコミュニティ・ローン誕生の裏側

格付け、業績よりも人、事業を見る「目利き力」がカギ
「あなたのためのローンを用意してあります」と宣言
コミュニティに根差して活動しているからできる信用貸し
生み出したコミュニティ・ローンは今や270種類
「誰もやっていないからこそ、自分はやる」
オンリー・ワンのコミュニティ・バンクとしての矜持

第２章　メガバンク役員から経営の厳しい信用組合理事長に　繰り越し損失を４年で一掃するV字回復を達成

初の理事長就任パーティーの席で組合員から叱責される
協同組織金融の理念とかけ離れた現場の実態に唖然とする
顧客訪問で居留守を使われたり、怒鳴られたり……
専門相談員配置と会員制組織発足で事業金融へ斬り込む
「祭りに飛び込め！」「町内活動に参加せよ！」
セールスを禁止し、集金を復活させて「第二の創業」へ
「人事評価は、結果の定量評価ではなく、プロセスの定性評価に」
43億円の繰り越し損失を４年で一掃するＶ字回復
協同組織金融の原点に立ち返り、さらに進化へ

第３章　「目利きシート」と「工場見学マニュアル」で実現　「担保に依存しない、信用による与信」の凄技

就任２カ月で「担保に依存しない、信用による与信」を表明
「目利きシート」と「工場見学マニュアル」を制定
工場見学で職員の事業と企業を見る目を鍛える
「目利きシート」の作成を通じて身に付く目利き力
信用貸しのコミュニティ・ローンを可能にした目利き力

第４章　リレーションシップバンキングだけでは足りない！　協同組織金融機関が目指す未来志向の創業支援

未来型金融が目指すべきは創業支援と地方創生
高齢者から若者へ、都市から地方へ資金を循環させる
金融機関自らが創業支援に踏み込んでいく
創業支援ファンド設立を縁に地方連携も始動
出資と融資の両輪で創業企業を支えるスキームを用意
東京理科大や日本政策金融公庫とも創業支援で連携
地域金融機関主催で日本初の創業支援プログラムを開始
創業支援業務を通じて成長を遂げる若手職員たち

第５章　創業支援と並行して進めてきた地方創生　先行する信用組合との協力で広域連携へ

創業支援と地方創生が生み出した地域連携
地域金融機関の連携がもたらす地方の活性化
１年足らずで16もの信用組合との広域連携が実現
本店２階を連携先信用組合の“東京支店”として開放
地方の商品を第一勧信のネットワークで売る「地産都消」も
地方創生における“キャッチャー”たるサポート役に

第６章　信用組合初の農業ファンドを９組合で立ち上げ　「人とコミュニティの金融」が目指す未来とは

東日本大震災から２日目に営業再開したいわき信用組合
信用組合初の農業ファンドを地方連携で立ち上げ
ともにファンドを設立した、逆風に立ち向かう“同志”たち
預金残高1.7兆円、組合員数30万人超の巨大な力
「人とコミュニティの金融」の進化が私たちの使命

おわりに

著者

新田信行（にった・のぶゆき）
1956年生まれ。千葉県出身。1981年一橋大学卒業後、第一勧業銀行（現・みずほ銀行）入行。みずほフィナンシャルグループ与信企画部長、みずほ銀行銀座通支店長、みずほ銀行コンプライアンス統括部長を経て、2011年みずほ銀行常務執行役員。2013年より第一勧業信用組合理事長。2016年黄綬褒章受章。