すばらしい医学
あなたの体の謎に迫る知的冒険
すばらしい医学
あなたの体の謎に迫る知的冒険
書籍情報
- 山本 健人 著
- 定価:1870円(本体1700円+税10%)
- 発行年月:2023年09月
- 判型/造本:46並
- 頁数:392
- ISBN:9784478118016
内容紹介
外科医けいゆうとして、ブログ累計1000万PV超、twitterフォロワー10万人超のフォロワーを持つ著者が、医学5000年の歴史、人が病気になるしくみ、人体の驚異のメカニズム、薬やワクチンの発見をめぐるエピソード、人類を脅かす病との戦い、古代から凄まじい進歩を遂げた手術の歴史などを紹介する一冊!
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目次
はじめに
第1章 あなたの体のひみつ
立ちくらみはなぜ起こるのか
立ちくらみの謎 ◆ 自律神経の働き ◆ あなたが失神する理由
左右の目は違う世界を見ている
目をつむる実験 ◆ 3D映像と現代の手術 ◆ 弱視という現象
「せん妄」という意識の障害
突然の暴言 ◆ せん妄の症状と治療
鼻の中は意外な形
「鼻咽頭ぬぐい液」とは? ◆ 綿棒の挿入は難しい ◆ 鼻血はどこから出るのか? ◆ 鼻が「詰まっている」状態とは
人体のもっとも「硬い」部分を知っていますか
ニンジンを木っ端微塵 ◆ 歯の危険性 ◆ 咬む力の「凶暴さ」
食べ物の通り道に迂回路はない
口から肛門まで ◆ 人体の交通機能の破綻 ◆ 「ステント」というツール
吸う息と吐く息の違い
二酸化炭素はごくわずか ◆ 呼吸は意外にも「浅い」 ◆ 非効率的な呼吸という作業 ◆ 酸素欠乏の恐ろしさ ◆ 死ぬ寸前までやめることのない呼吸
喉の優れたしくみの功罪
「死因第六位」は意外な病名 ◆ もっとも恐ろしい「フタの感染症」 ◆ 「喉の摘出」を行う手術
日本人がアルコールに弱い遺伝的理由
エタノールとメタノール ◆ アルコールの代謝システム ◆ フラッシング反応とがんのリスク
「心臓が止まる」とはどういうことか?
医療ドラマの気になる場面 ◆ 心停止は複数の状態を含む概念
大動脈が裂ける病気
バレー選手の悲劇 ◆ 異常な高身長になる病気
肝臓に脂肪が溜まる怖い病気
あまり知られていない病気 ◆ NAFLDが怖い理由 ◆ 脂肪肝を治す方法
消化液の驚くべき作用
消化液は便利なシステム ◆ 胆管と膵管 ◆ 時には私たちを傷つける
便の硬さはどのように決まるのか
便の硬さと「ブリストルスケール」 ◆ 便の滞在時間と大腸の機能 ◆ がんによる症状の出方と便の性状
なくても生きられる臓器、生きられない臓器
臓器の役割 ◆ 全摘すると補充が必要になる物質 ◆ 摘出するとワクチンが必要になる臓器
腎臓のすごい役割
水を飲んでも、ラーメンを食べても…… ◆ 腎臓の重要な働き ◆ 腎臓は、ろ過装置 ◆ 増えている慢性腎臓病
静脈の真相
バンザイの姿勢と静脈 ◆ 血管は何色をしているか?
新しく生まれた現代の「外傷」
「ニンテンディナイティス」とは? ◆ ゲーム史を変えた新型マシンが生んだ疾患 ◆ さまざまなスポーツ外傷
第2章 画期的な薬、精巧な人体
毒から生まれた新薬
ドクトカゲと新薬開発 ◆ 抗がん剤は化学兵器から生まれた ◆ 抗がん剤の効果と副作用 ◆ 神と悪魔の薬
歴史を変えた抗生物質
「ペニシリン」の発見 ◆ 狡猾な細菌の逃避手段 ◆ バンコマイシンという古の武器
日本で生まれた画期的な新薬
世界中で爆発的に売れた ◆ カビへの関心が生んだ新薬 ◆ アメリカの社会問題 ◆ コレステロールの働きと合成
ホルモンを世界で初めて抽出した日本人
「アドレナリン」の発見 ◆ アドレナリンか、エピネフリンか ◆ 日本史に名を残す化学者兼実業家
奇跡を起こした新薬
「物質E」とは? ◆ さまざまな「ステロイド」 ◆ 副腎皮質ホルモンの働き
モルヒネとアヘン
モルヒネとギリシャ神話 ◆ 植物と痛み止め ◆ 痛み止めの暗い歴史
爆弾の開発から生まれた薬
「死の商人」の願い ◆ ニトロの不思議な作用 ◆ ニトロはなぜ薬になるのか ◆ 心臓の薬が持つ意外な「副作用」
かつては治療薬のなかった胃潰瘍
胃潰瘍と手術の痕 ◆ 潰瘍はなぜできるか? ◆ 人類と酸の戦い ◆ 創薬のパラダイムシフト
ヒスタミンと「偽アレルギー」
「舌がピリピリする」 ◆ アレルギー症状の原因 ◆ 抗ヒスタミン薬の開発
胃腸炎で死んでいた時代
「平均寿命」の驚異的変化 ◆ 数時間で死に至る ◆ 何を注射すべきか
牛の奇病から生まれた薬
奇病の原因を探れ! ◆ 人間にも重要な薬に ◆ ワルファリンの抗凝固作用の謎 ◆ スーパーラットの出現
第3章 驚くべき外科医たち
外科治療のはじまり
がんとカニ ◆ 頭蓋骨に穴を開ける ◆ 瀉血とモーツァルト ◆ 病気と臓器を初めて結びつけた医師
感染症と手足の切断
「化膿」の正体 ◆ 悪い空気 ◆ 切断された数々の手足 ◆ 外科医と床屋
手術の早業と世界初の救急車
手術は痛みに悶えるものだった ◆ いかに素早く手足を切り落とすか ◆ 世界初の救急車
ドリトル先生のモデルになった外科医
恐ろしい好奇心 ◆ 破天荒な死体解剖 ◆ 産科医の兄ウィリアム
男爵になった外科医
「発酵」と「腐敗」の違い ◆ 後を絶たない傷の感染
「清潔」とナイチンゲール
かつて病院はあまりにも汚かった ◆ 統計学者、そして教育者
世界で初めて胃がん手術に成功した外科の巨人
病巣を切り取るだけでは終われない ◆ お腹の中は無菌の空間
医療現場でもっとも有名な道具
コッヘル鉗子と手術 ◆ ヨードと甲状腺ホルモン ◆ 意外に知らない甲状腺の働き
人気の嗜好品だった薬物
コカインとコーラ ◆ 奇跡の麻酔薬コカイン ◆ 外科医の命がけの実験 ◆ アメリカ屈指の外科医ハルステッド ◆ 素手から手袋の着用へ
第4章 すごい手術
現代医療におけるメスの進歩
「メスください」 ◆ お腹が切り開かれるまでに見えるもの ◆ 電気メスの愛称は「ボビー」 ◆ モノポーラーと医療ドラマ
器械で腸を切って縫う
「縫う」と「切る」を同時に行う ◆ 自動縫合器の凄さ ◆ 縫合器の歴史 ◆ 縫合不全という合併症
手術時のガーゼは超重要
ガーゼの置き忘れはなぜ起こるのか ◆ ガーゼを使う目的 ◆ 医療と滅菌ガーゼ ◆ 無理難題への挑戦
重力で腸を移動させる
逆立ちしたときのお腹の中 ◆ 重力を利用して行う腹腔鏡手術 ◆ スペース確保がしづらい患者としやすい患者 ◆ 腹腔鏡手術の歴史と進歩
ロボットが牽引する新しい外科学
アメリカ陸軍と遠隔手術 ◆ 手塚治虫が由来
第5章 人体を脅かすもの
悲惨なウイルス漏洩事件
天然痘で死亡した最後の人類 ◆ 世界史を変えた感染症 ◆ ワクチンを生んだ天然痘
目に見えない脅威
一酸化炭素は怖い ◆ 一酸化炭素中毒の症状
長らく知られなかった肺がんリスク
急増した肺がん ◆ たばこはどのように普及したのか ◆ 日本でも爆発的に普及したたばこ
生命を完全に破壊する光線
東海村の原子力事故 ◆ 放射線に無知であった人類 ◆ マリ・キュリーの功績と不運な死 ◆ 放射線を用いたがん治療
発症すると必ず死ぬ病気
狂犬病は多くの人命を奪う ◆ 紀元前から知られた狂犬病 ◆ 狂犬病ワクチンを生み出した救世主
テロに用いられた神経毒
地下鉄サリン事件 ◆ ニューロンの構造と伝達のしくみ ◆ 時間との戦い
おわりに
読書案内
巻末付録 超圧縮 医学の歴史
参考文献
著者
山本健人(やまもと・たけひと)
2010年、京都大学医学部卒業。博士(医学)。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、感染症専門医、がん治療認定医など。運営する医療情報サイト「外科医の視点」は1000万超のページビューを記録。時事メディカル、ダイヤモンド・オンラインなどのウェブメディアで連載。Twitter(外科医けいゆう)アカウント、フォロワー約10万人。著書に『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(ダイヤモンド社)、『医者が教える正しい病院のかかり方』(幻冬舎)、『もったいない患者対応』(じほう)ほか多数。
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