目次

はじめに　猫はおかしい

お願い

第１章　「ネコひねり問題」に魅かれた有名物理学者たち

マクスウェルと猫
猫は秘密を隠し持っている

第２章　謎は解明されたか？

猫の能力の謎
自由落下中の猫の安定性
初の物理的な説明
「泳ぐ」物体について
ニュートン力学に基づく説明
猫の話はさらにさかのぼる
イスラムと猫

第３章　馬の運動

奇妙な馬の絵
二つの技術
半永久的に像を残す
写真術に挑んだもう一人の人物
無視された貢献
高速写真を目指して
写真術に貢献した実業家
トロットをめぐる疑問に答えを出す
人々を驚かせた馬の写真
芸術の世界に与えた影響

第４章　フィルムにとらえられた猫

生理学に革命を起こした人物
運命の出会い
連続写真の技術
ついに猫の宙返りが撮影される

第５章　回って回って

物理学の基本法則
回転に伴う保存則
自転車を漕ぐと地球が回転する
猫はなぜ宙返りできるのか
アカデミーが信じた説の由来
タック・アンド・ターン
物理学者に与えた影響
その後のマレ
マイブリッジの名声と失意

第６章　地球を揺るがす猫

猫が引き起こした論争
争いを厭わない性格
ペアノの数々の業績
地球の自転の問題
思いがけない観測結果
地球を猫にたとえる
先取権をめぐる衝突
意外な結末

第７章　猫の立ち直り反射

奇跡の年
ニュートン・マクスウェル・アインシュタイン
重力を含む理論
動物の不随意な反応
ある医学者の変わった生いたち
猫はどのような反射を示すか
ハイスピード写真を用いた研究
相対性理論に反する現象か？
ベンド・アンド・ツイスト
どうやって上下方向を知るのか？
重力の方向を記憶する

第８章　猫、宇宙へ！

宇宙を目指す
無重量状態が人間におよぼす影響
動物実験で分かったこと
カメと人間の平衡感覚
宙に浮かぶ猫
動物実験から人体実験へ
無重量状態でいかに身体を動かすか
人体の数学的モデル
さらに進化した猫ひねりのモデル
宇宙旅行をした猫

第９章　謎を隠しつづける猫

高層ビルと猫
墜落した高さと怪我の関係
驚くような高さから落ちた猫たち
幸運の猫
猫の水舐めの謎
巧妙なつくりの猫の舌

第10章　ロボット猫の進化

起き上がれないロボット
人類の夢、自動人形
「意思」を持ったカメロボット
動物に近いロボットへ
ロボットの猫ひねり
さまざまな立ち直りの方法
まだまだある宙返りのテクニック
猫ロボットを目指す
進加しつづけるロボット

第11章　いまだ残る数々の難題

猫の四つの戦法
方法は一つではない
水は沸騰させたほうが速く凍る？
猫ひねりから高飛び込みへ
いまだに混乱はつづく

第12章　猫の宙返りと基礎物理学

奇妙な構造
巨大な振り子
不思議な振る舞い
量子の世界
量子と振り子と光の関係
幾何学的位相の美しさ
再び猫を球にたとえる

第13章　科学者と猫

ニュートンと猫用の出入口
伝説の由来
猫に甘い物理学者
実験助手を務めた猫
猫に導かれた天才少年
アインシュタインと猫
ばかげた結論
銀河と黒猫
猫、論文の著者になる
物理学に明るい猫たち

注

参考文献

謝辞

訳者あとがき

著者

グレゴリー・J・グバー（Gregory・J・Gbur ）
ノースカロライナ大学シャーロット校、物理学・光科学教授。飼っている猫の大家族、サーシャ、ゾーイ、ソフィー、クッキー、ラスカル、マンダリン、ドリー、ミツィー、デイジー、ホッブズ、そしてもう死んでしまった、サイモン、サブリナ、フラフ、ゴールディ、マイロをこよなく愛す。そして、本書が初の一般書となる。

訳者

水谷淳（みずたに・じゅん）
翻訳家。
主に科学や数学の一般向け解説書を扱う。主な訳書にチャム、ホワイトソン『僕たちは、宇宙のこと ぜんぜんわからない』（ダイヤモンド社）、アル=カリーリ、マクファデン『量子力学で生命の謎を解く』（SBクリエイティブ）などがある。