「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門
「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門
書籍情報
- 冬木 糸一 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2023年02月
- 判型/造本:46並
- 頁数:440
- ISBN:9784478109366
内容紹介
メタバース AI 不死・医療 ジェンダー 地震 感染症 気候変動……この1冊で、未来の全てがわかる!イーロン・マスクのバイアスにとらわれない思考を支える『銀河ヒッチハイクガイド』、最新の話題作『三体』など、古典から現代までベスト53冊を厳選した初のビジネスパーソン向け入門書。
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目次
推薦の辞
はじめに 現実は、SF化した。そして10年後、何が起こるのか
Part1 最新の「テクノロジー」を知る
Chapter1 仮想世界・メタバース
『ニューロマンサー』
── この作品がなければ映画『マトリックス』もなかった
『スノウ・クラッシュ』
── 最旬キーワード「メタバース」の源流
『セルフ・クラフト・ワールド』
── もし、現実よりも「仮想世界」が重要な場所になったら?
Wシリーズ
── 人間と非人間、生と死、仮想と現実の境界がゆらぐ
Chapter2 人工知能・ロボット
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
── 人間とアンドロイドの違いは何か? 人間とは何か?
『われはロボット』
── 人とロボットの「共存」のルール
『BEATLESS』
── 人類を超越したAIと、用済みになったヒトの信頼関係
Chapter3 不死・医療
『透明性』
── 人間の不死化技術を得た企業は、新世界の神となる?
『円弧』
── 不死が当たり前の世界で「死を受け入れるか、否定するのか」
『ハーモニー』
── 「不健康」が許されない息苦しさ
Chapter4 生物工学
『ジュラシック・パーク』
── 史上もっとも有名な「遺伝子工学SF」
『わたしを離さないで』
── 科学の発展と、無慈悲で、残酷な世界
『ブラッド・ミュージック』
── バイオ技術で内側から変わりゆく人体
『宇宙・肉体・悪魔 理性的精神の敵について』
── 1929年、驚くべき先見性で「人類の未来」を予測した名著
『フランケンシュタイン』
── SFの源流となったゴシック小説
Chapter5 宇宙開発
『宇宙へ』『火星へ』『無情の月』
── ありえたかもしれない「女性の宇宙開発史」
『七人のイヴ』
── 人類生存のヴィジョンが「異常な細かさ」で描かれる
『青い海の宇宙港』
── 宇宙との距離を縮めてくれる青春SF小説
Chapter6 軌道エレベーター
『楽園の泉』
── 宇宙エレベーターの存在を世に知らしめた一作
Part2 必ず起こる「災害」を知る
Chapter7 地震・火山噴火
『日本沈没』
── 大地震のたびに再注目される、地震SFの金字塔
『死都日本』
── 「地震は怖いけど、火山はそうでもないよね」は噓
『富士山噴火』
── 来るべき大災害に備える「実用書」でもある
Chapter8 感染症
『復活の日』
── パンデミックの時代に求められる「思考力」
『天冥の標Ⅱ 救世群』
── 感染症をめぐる「差別と怨恨」の終わらない連鎖
『新しい時代への歌』
── 10年以上、「リアルな接触」が激減した社会で生きるということ
Chapter9 気候変動
『蜜蜂』
── ハチの消滅がまさかの「世界の崩壊」を招く
『神の水』
── 「水不足」が命の奪い合いにつながる未来
『2084年報告書 地球温暖化の口述記録』
── 現役の地質学者による(現状を放置すれば訪れる)予言の書
Chapter10 戦争
『地球の平和』
── 際限のない軍拡競争の行き着く果て
『渚にて』
── 核戦争で滅びゆく「人類の最後の日々」
『戦闘妖精・雪風〈改〉』
── 戦うべき相手との「決死のコミュニケーション」
『スローターハウス5』
── むごい戦争体験をSFに昇華した「反戦小説」
Chapter11 宇宙災害(隕石の衝突、太陽フレア)
『神の鉄槌』
── 恐竜を絶滅させた「隕石」に、人類が科学で対峙する
『地球移動作戦』
── 地球をも動かしてみせる、科学の奇想
『赤いオーロラの街で』
── 10年以上「電気のない世界」で生きていく
Part3 「人間社会の末路」を知る
Chapter12 管理社会・未来の政治
『一九八四年』
── 「二足す二は四である」と言えなくなった世界
『すばらしい新世界』
── 私たちは自己という究極の「虚構」から逃げられない
『ザ・サークル』
── 市民が自発的に求める監視社会の危うさ
Chapter13 ジェンダー
『闇の左手』
── 性の規範から解き放たれた世界
『侍女の物語』
── 女性が「道具」として使役されるディストピア
『徴産制』
── 男が「出産する性」になったとき
Chapter14 マインド・アップロード
『ゼンデギ』
── コピーされた意識に人権はないのか?
『順列都市』
── 宇宙の終わりすら乗り越える「究極の不死」とは
『都市と星』
── 「閉鎖的な繁栄」はユートピアか、ディストピアか
Chapter15 時間
オックスフォード大学史学部シリーズ
── 現代人の目線で、過去の歴史を捉え直す
『キンドレッド』
── 過酷な黒人史を「体内に感じさせる」作品
『高い城の男』
── 「ありえたかもしれない歴史」を体験する
Chapter16 ファーストコンタクト
『三体』
── フェルミのパラドクスに対するひとつの回答
『ブラインドサイト』
── 知的生命に「意識」は果たして必要なのか?
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
── 「科学」で結びつく人類と地球外生命体
『幼年期の終わり』
── 人類は「個」を捨て「集合体」になる
Chapter17 地球外生命・宇宙生物学
『ソラリス』
── 「異質な他者」に、どう向き合うか
『時の子供たち』
── 他種族の目から見た人類の「異質さ」
『竜の卵』
── 時間の流れが異なる相手との非対称な友好関係
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
── 宇宙の真理をもギャグにする傑作コメディ
『スターメイカー』
── 宇宙の創生から終局までを描く壮大なクロニクル
おわりに 「楽しさ」からすべては始まる
著者
冬木糸一(ふゆき・いといち)
書評家、「HONZ」レビュアー。1989年生まれ。大学卒業後、IT企業でエンジニアとして勤務。開発者として多忙な日々を送るかたわら、2007年より、SF、サイエンス・ノンフィクションの書評ブログ「基本読書」を主宰。読者登録数は3700人超とファンが多い。これまでに読んできたSF小説は2000冊を超える。『SFマガジン』『家電批評』などでSFの書評を連載中。筆名の「冬木糸一」は、「終末」の文字をバラバラにして、再構築したもの。
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