新マーケティング原論
「売れる戦略」のシンプルな本質
新マーケティング原論
「売れる戦略」のシンプルな本質
書籍情報
- 津田 久資 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2023年05月
- 判型/造本:A5並
- 頁数:280
- ISBN:9784478107270
内容紹介
既存のフレームワークや最新ツール、バズワードにダマされるな。どんなに時代が変化してもずっと変わらない「モノが売れる原理」とは──? 1万人以上を指導した戦略のプロが教える「全ビジネスに共通する根本原則」がわかる本。すべての「考えるマーケター」のための新しい教科書!
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目次
はじめに
── 3Cはなぜ「3C」で、4Pはなぜ「4P」なのか?
「わかっていない自分」に気づいていない
読者が期待していいこと ── 本書のゴール
この本を読まなくてもいい人
序章 プリンシプルのないマーケティング
マーケティング本の読者は「わかりやすい公式」を求めているのでは?
なぜ「素性のわからないもの」にお金を突っ込むのか?
マーケターとは「考える職業」である ── この本を読んでほしい人
「そこにはブルー・オーシャンもなければ、踊る象も、どこかへ行ってしまうチーズもない」
「なぜ?」を考えることが「売れる戦略」への近道
なぜ本書は「いちばん重要で、わかりやすい入門書」なのか
フレームワークとは「公式」ではなく「補助ツール」
マイケル・ポーターが「戦略」の領域で試みたこと
みんなが認める「共通概念」からはじめる意味
大前提としての「コストパフォーマンス」── ふつうの人が「たしかに」と感じる常識
どこまでも「アート」が残る ── 買い手としての自分を掘る作業
第1章 マーケティングの「定義」論
01 なぜ定義が必要なのか
──「自分の仕事」がわかっていないマーケターたち
マーケティングの「いい定義」とはどんなものだろう?
とるべき最適な「行動」が決まるデザインになっているか
02 「発想量」が結果を決める
── 天才マーケターがやっていること
いい行動案を生み出す2段階プロセス ── 発散と収束
だれもが「よく考えました」と嘯く ──「天才」と「凡人」を分けるもの
03 フレームワークの存在意義
── 考えモレを防ぐチェックリスト
「枠組みがあったほうが広く考えられる」という逆説
凡人の発想には必ず「見落とし」が存在する
「思いつきの壁」を克服するチェックリスト
04 既存の「マーケティングの定義」を見てみる
マーケティングの「いい定義」とは?── 4つの評価基準
「市場創造」がなければ、マーケティングとは言えない?
「なにを指すのかはっきりしない言葉」が紛れ込んでいないか?
05 本書なりの定義
── すべてのマーケティングを考える起点
「わかりやすくてシンプルな説明」を求めているわけではない
「なぜそうだと言えるのか?」── 原理をつかむ意味
第2章 マーケティングの「目標」論
06 マーケティングは「粗利の最大化」を目指す
── 企業の最終目標から考える
企業が目指す「利益」の構成要素は?
会社の数字には「変えやすい部分」と「変えづらい部分」がある
マーケティングの最終目標=粗利の最大化 ── 経常利益アップの3パターン
07 「使っていいお金」を決めるのはだれか?
── マーケティング費用と組織レイヤー
「マーケティング費用」とはなんだろうか?
マーケターの仕事で「ない」もの
「費用総額の決定」がマーケティング業務だと誤解される理由
08 なにが「買おう」と思わせるのか?
── コストパフォーマンス①
購買の意思決定は「CP」が軸となる
「費用」と「コスト」を区別する理由
代金だけが「コスト」ではない ── 到達コスト
コストはすべて「カネ」に換算できる
09 商品の価値は「属性」から生まれる
── コストパフォーマンス②
買い手が見出す「価値」はさまざま
パフォーマンスを決めるのは「買い手」
「機能性パフォーマンス」と「情緒性パフォーマンス」── 利便性と心地よさ
「欲しいときが買いどき」── 商品のパフォーマンスを決める「第3の要素」
10 購買意思決定につながるCPの高め方
「購入検討の俎上」に載るための3つの条件
コストを下げる ── CPを高める方法①
パフォーマンスを上げる ── CPを高める方法②
第3章 マーケティングの「戦場」論
11 マーケティングの「戦場」とはなにか?
「最高の商品」になるための2つの道
そこではすでに「戦い」がはじまっている ── 戦場・市場・独壇場
まず「買い手の欲望」がある ── ニーズとウォンツ
購買意思決定の4ステップ ── ダイヤの指輪を例に考えてみよう
12 戦場の「すれ違い」はいかにして起こるか?
── 競合しない商品たち
求めるパフォーマンスが質的に違う ── 競合になり得ないケース①
求めるパフォーマンスが量的に違う ── 競合になり得ないケース②
コストがあまりにも違う ── 競合になり得ないケース③
13 「競争なきマーケティング」はどこにある?
── ニーズに応じた3条件
買い手のニーズは、どんなモードにあるか?
「みんながずっとほしかった商品がついに登場!」── ニーズが顕在的
「そうそう、じつはこれがほしかった!」── ニーズが潜在的
「よくわからないけど、買ったほうがよさそう…」──「啓蒙」のマーケティング
14 競争を避けるマーケティングの系譜
── 破壊的イノベーションとブルーオーシャン戦略
「老舗の商品」ほどコスパが悪くなるワケ ── 破壊的イノベーション
その本質は「潜在ニーズ」の発見にある
価値を「減らす」「取り除く」「付け加える」── ブルーオーシャン戦略
15 「新規買い手」の獲得か、「既存買い手」の奪取か
「新たな軸づくり=新たな買い手づくり」とはかぎらない
「競争があるかどうか」は別問題
マーケターに与えられる唯一の手がかりは「既存の買い手」
新規の買い手はいつも「副産物」にすぎないのでは?
16 マーケティングの「上流」と「下流」
知ってもらえないことにははじまらない
「中身がわからない」と選ばれないし、「手元に届かない」と儲からない
「下流」とは「価値の低い仕事」という意味ではない
17 「気に入ってくれる人」はどこにいる?
── ターゲットセグメンテーション
万人に好かれなくていい ──「適切な買い手群」を見つける基準
「それってどういう人なの?」を繰り返す ── 絞り込み
手探りでも「ターゲットの仮説」をつくるべき
第4章 マーケティングの「戦略」論
18 「ニーズが潜在的である」とはどういうことか?
「本音」ではなにを求めているのか?
潜在/顕在は「人」と「タイミング」しだい
マーケティングはスピードの戦い ── 競合よりも早くニーズをつかむ
19 「学ぶ」ことで潜在ニーズをつかむ方法
「外部の顕在ニーズ」を“輸入”する ── 空間・時間・カテゴリー
途上国がとるべき、最も合理的なマーケティング戦略
日本のマーケターにとって「学歴」が無意味になった理由
環境が整っていない領域ほど、「学ぶ」を生かすチャンスがある
20「考える」概論
── 優秀なマーケターが頭のなかでやっていること
そもそも「考える」とはなにか? ── アイデア顕在化の2パターン
「考える」における敗北の2種類 ──「しまった」と「まいった」
ほとんどの敗因は「しまった」である
「思考の戦場」で勝率を高めるには? ──「速さ」こそが惜敗を減らす
21 マーケティングはアートである
──「自分を掘る」ということ
「どの部分」を考えるのか? ── 顕在化すべき対象
最高のマーケターは「内なる買い手」に聞く
補論 ── マーケターと買い手は「似ている」べきか?
22 「どの順序」で考えるか?
── 戦略立案への具体的ステップ
ビジネスの目標とは「成果の期待値」である ── 実現可能性
「ニーズからはじめよ」はほんとうか?
「これからの行動」は「これまでの持ち物」で決まる ── シーズ発想
「純粋なニーズ発想」も皆無ではない
23 経営資源を掘り下げる
── 強み/弱みの抽出
どうすれば自社の「強み/弱み」に気づけるのか?
経営資源をつかむ ── 成功例・失敗例の分析
「だれに対する強み」なのか? ── 競合・買い手・供給業者
「いつ時点の強み」なのか? ── 強み/弱みの継続性
栄枯盛衰のマーケティング ──「永続的な優位性」は存在しない
過去に発揮されていない「隠れた強み」はないか?
24 ニーズ・買い手を推定し、商品の粗利目標を決める
まず「価値があるか」だけを考える ──「CPが高いか」は考えない
ニーズ発見についてのおさらい ──「天性のマーケター」とは?
コストを加えて判断し、CPの高い商品を考える
なぜ「買ってくれるはずの人」に買われないのか?
決して「理想」には届かない販売・プロモーション・流通
25 「最もすぐれたマーケティングの行動」を選ぶには?
── 天才に近づく思考法
アイデアの「多さ=多様さ」である
勉強家なのにアイデアがいまいちなのはなぜ? ──「発想率の高さ」が天才の証
われわれは書かないと考えられない ── 認知機能上の限界
自分の前提が見えていない ── バカの壁と言葉化
「壁」が見えたあとにやるべきこと ── 仮説の絞り込み
検証プロセスで仮説の確度を高める ── リサーチ対象を決める4つの基準
26 問題解決型のマーケティング戦略とは?
──「コケた商品」をもっと売りたい
直接の敗因はいつも「販売数量の少なさ」である
「一見さん」が少ないのか、「リピーター」が少ないのか ── トライアルとリピート
トライアルが伸びない4つの理由
お試し購入を促す「リポジショニング戦略」
「羊頭狗肉」を回避するためにやるべきこと
第5章 マーケティングの「道具」論
27 MECEとロジックツリー
──「フレームワーク」とはなんだろう?
「単なるツール」と「フレームワーク」はどこが違うのか?
MECEはフレームワークではない ──「ダブりなくモレなく」の意味
ロジックツリーとフレームワークの関係性
28 3C
──「競合に対する強み/弱み」を把握する
「競合との争い」だけに目を向けるフレームワーク
4C、5C、6C……なぜCが増える?
29 4Pと4C ──「マーケターの行動」を構成するもの
「4Pの弱点」をカバーするマーケティングの定義
コストパフォーマンスは4Pでできている
4P分析ではどのみち3Cを使うことになる
4C──「買い手視点」を強調したフレームワーク
30 5F
──「業界の魅力度」を多面的に評価する
2つの使いみちがある ── 戦略の源泉&戦略の検証
供給業者に対する強み/弱み ── 変動直接原価
ライバルたちに対する強み/弱み ── 自社の市場シェア
買い手に対する強み/弱み ── 市場全体の売上
「魅力」というのは主観的な概念である
31 SWOT
── 混乱を招く理由はどこにある?
「強み」と「機会」は不即不離である
ただ「箱を埋めよう」としていないか ── 目的は「戦略の源泉」の発掘
「競合に対する強み」しか検討されていない ── SWOTは5Fに還元できる
32 バリューチェーン
── 優位性の「源泉」と「継続性」を見きわめる
業種・業界・商品に応じてアレンジすべき
強み/弱みの「出どころ」を明らかにするツール
33 3つの基本戦略
──「攻め手」のワンパターン化を防ぐ
実際には「4つの戦略パターン」が含まれている
無意識のうちに、似た戦略を繰り返していないか
34 AIDMAとAISAS
── 買い手の「歩留まり」を高める
理想値に対する「取りこぼし」を極小化する
「そもそもの規模」に意識が向きづらい
そこまでの普遍性はない ── トライアルとリピート
35 PPM
── マーケティング費用配分の「全体最適」を探る
費用の割り振りを決める「管理者のツール」
次の「金のなる木」を育てることが、上位マーケターの使命
おわりに
── マーケターの守破離
著者
津田久資(つだ・ひさし)
東京大学法学部卒業。カリフォルニア大学バークレー校経営大学院修了(MBA)。博報堂、ボストン コンサルティング グループ、チューリッヒ保険などで、一貫して新商品開発、ブランディングを含むマーケティング戦略の立案・実行にあたる。
現在、August-a代表、コンテンツ3顧問として、各社のコンサルティング業務に従事。また、マネジメントスクールや大手企業などの研修において、論理思考・戦略思考の講座を多数担当。表層的なツールの解説に終始することなく、シンプルな言葉で思考の本質に迫る研修スタイルに定評があり、のべ1万人以上の指導実績を持つ。
著書に『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか ── 論理思考のシンプルな本質』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業』(KADOKAWA)、『超MBA式ロジカル問題解決』(PHP研究所)、『ロジカル面接術』(WAC)などがある。
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