新・半導体産業のすべて
AIを支える先端企業から日本メーカーの展望まで
新・半導体産業のすべて
AIを支える先端企業から日本メーカーの展望まで
書籍情報
- 菊地 正典 著
- 定価:2420円(本体2200円+税10%)
- 発行年月:2025年01月
- 判型/造本:A5並
- 頁数:296
- ISBN:9784478121559
内容紹介
「複雑な産業構造と関連する企業群を製造工程から整理する」というコンセプトはそのままに、「生成 AI 以後」の激変を反映したベストセラー最新版。AI関連のメインプレイヤー38社も詳細に解説。巻末資料として「半導体メーカーと主要製品一覧」「半導体用語の解説」「世界と日本の半導体主要工場の新設状況」も。
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目次
第1章 半導体を取り巻く環境と半導体産業の全体像
01 半導体不足とその原因は?
●半導体不足で納品が遅れる?
●社会的要因 ── 5G、DXの波
●経済的要因 ── 需要と供給のアンバランス
●政治的要因 ── 米中摩擦
02 半導体不足の影響はどのくらい深刻だったのか?
●自動車、家電に甚大な影響
●半導体の不足が「半導体製造装置の不足」まで招く悪循環に
●半導体不足の回復は「まだら模様」
03 半導体産業の推移レビュー
●自動車産業を上回る規模
●メモリとロジックは相補的
04 徹底分析「日本半導体メーカーの凋落理由」
●失われた日の丸半導体の栄光
●そもそも「ダントツの地位」を築けた理由は何だったのか?
●ムダな仕事を強制された現場
●逆張り戦略のなさ、社内からは「金食い虫」扱い
●オンリーワンの製品をもてなかった
●why to make?
05 なぜ、製造装置メーカーと材料メーカーは健闘しているのか?
●日本にも好調な「半導体業界」がある?
●上流と下流の違い
●これから正念場を迎える製造装置業界
06 期待される「新しい半導体市場」を狙え!
●「DX」が半導体需要をさらに推し進める
●「メタバース」と現実との融合
●「自動運転」をリアルタイムに行なうためには
●拡大する「IoT技術」
●「AI」(人工知能)が高性能チップを求める
07 半導体産業の全体像を図解でわかりやすく示す
●IDM ── 設計、製造から販売まで一貫して行なう
●IDMを取り巻く関連メーカー ── EDA、IP、装置、材料
●ファブレス、ファウンドリー、OSAT
●ファウンドリー
●OSAT(オーサット)
●デザインハウス、ファブライト企業とはどのような業界か?
●なぜサムスンやインテルがファウンドリー事業も扱うのか?
コラム 核抑止力、経済安保、情報社会、戦略物資
第2章 半導体の製造工程から整理する関連業界
01 半導体はどのように作られるのか? ── 第一分類
●半導体が作られる工程
02 半導体はどのように作られるのか? ── 第二分類
●設計工程 ── 設計とフォトマスクの作製
●前工程①と② ── FEOLとBEOL
●前工程③ ── ウエハー・プローブ検査
●後工程① ── ダイシング工程
●後工程② ── 組立工程(パッケージング)
●後工程③ ── 信頼性試験(加速テスト)
03 半導体はどのように作られるのか? ── 第三分類
●FEOLは4つの工程に分けられる
●薄膜形成、リソグラフィ、エッチングの工程
●BEOLは3つの工程とプロセス
●モールドパッケージで組立を説明
04 半導体はどのように作られるのか? ── 第四分類
●FEOLの薄膜形成
●BEOLの薄膜形成
●リソグラフィ工程
●エッチングの工程
●不純物添加の工程
●平坦化CMPの工程
●その他の熱処理、洗浄などの工程
05 関連業界を半導体製造プロセスに沿って示す
❶設計〜シリコンウエハー
❷熱酸化〜銅メッキ
❸フォトレジスト塗布〜エッチング(ドライエッチング、ウエットエッチング)
❹拡散(熱拡散)〜RTA
❺良品検査〜搬送、CIM制御まで
❻ダイシング〜樹脂封止
❼メッキ〜最終検査
コラム 画像と行列とエヌビディア
第3章 各種業界の業務内容と代表的なメーカー
01 半導体製品を出す業界 ── IDM、ファブレス、大手IT
①IDM(垂直統合型の半導体メーカー)
②ファブレス企業(工場を持たない企業)
③大手IT企業
●AIアクセラレータ
02 半導体の受託生産企業 ── ファウンドリー、OSAT
●なぜ、ファウンドリー、OSATが生まれてきたのか?
●ファウンドリー企業とは
●代表的なOSAT企業
●OSATの実態
03 EDAベンダー
●EDAツールの代表、階層的自動設計
04 IPプロバイダー
●IPプロバイダーとは「機能ブロックを提供する企業」のこと
●IPプロバイダーの代表的企業は英アーム、米シノプシス
●IPには具体的にどんなモノがあるのか?
05 半導体の製造工程ごとの装置、材料の代表的メーカー
●フォトマスク(レチクル)の代表的企業は米フォトロニクス、日本の大日本印刷
●解像度を上げたりパターン忠実度を上げたりするためのマスク(レチクル)の工夫
●シリコンウエハーの代表的企業は信越化学工業
06 熱酸化から銅メッキまで
●熱酸化装置の代表的企業は東京エレクトロン
●CVD(化学気相成長)の代表的企業は米AMAT、米ラムリサーチ
●PVD(物理気相成長)の代表的企業は米AMAT、日本のアルバック
●ALD(原子層堆積)の代表的企業は米AMAT
●メッキ(銅メッキ)の代表的企業は荏原製作所、東設、東京エレクトロン
07 フォトレジスト塗布からウエットエッチングまで
●フォトレジストの代表的企業は日本のJSR、住友化学
●露光の代表的企業はオランダのASML、日本のニコン
●現像の代表的企業はフォトレジスト企業とかぶる
●ドライエッチングの代表的企業は米ラムリサーチ、東京エレクトロン
●ウエットエッチングの代表的企業は日本のSCREEN、米ラムリサーチ
●ドライエッチングあれこれ
08 導電型不純物拡散からRTAまで
●イオン注入の代表的企業は台湾AIBT
●CMPの代表的企業は米AMAT、日本の荏原製作所
●RTA(急速熱処理)の代表的企業は日本のアドバンス理工、ウシオ電機
●RTA、RTOなど高速な昇温・降温処理
09 超純水からCIMまで
●超純水の代表的企業は日本の栗田工業、オルガノ
●プローブ検査は日本の東京エレクトロン、テスター検査はアドバンテスト
●ウエハー搬送の代表的企業は村田機械、ダイフク
●ウエハー検査の代表的企業は米KLA
●CIM(コンピュータ統合生産)の日本の代表的企業はテクノシステム
10 ダイシングから樹脂封止まで
●ダイシングの代表的企業は日本のディスコ、東京精密
●マウントの代表的企業は三井ハイテック
●ワイヤーボンディングの代表的企業はオランダのASM
●樹脂封止の代表的企業はレゾナック、イビデン、TOWA
●ボンディングあれこれ
11 高純度ガス、高純度薬液から最終検査まで
●高純度材料ガスの代表的企業は大陽日酸、三井化学
●高純度薬液の代表的企業は独BASF、三菱ガス化学
●ハンダメッキからリード加工、捺印、信頼性試験、最終検査まで
12 半導体関連業界の立ち位置と事業規模
コラム 「AI半導体」とは?
第4章 半導体とはそもそも何?
01 半導体とは特異な性質を持った物質・材料のこと
●半導体とは「導体と絶縁体の中間物」のこと
●半導体に使われている材料は?
02 シリコンは半導体のチャンピオン
●いちばん多く使われるのが「シリコン」
●電気代の高い日本ではコスト的に合わない
●99・999999999%の超純度
●N型の半導体とは?
●P型の半導体とは?
03 まずトランジスタありき
●ダイオードのはたらきと種類
●2つのMOSトランジスタ
●なぜ「MOS」と呼ばれるのか?
04 集積回路と集積度
●集積回路、ICとLSI
●集積度を大きくするメリットとは?
05 集積回路の機能分類と代表的メーカー
●記憶する「メモリ」
●頭脳に当たる「CPU」
●特化した専用機能をもつチップ
コラム デナード則(スケーリング則)
第5章 半導体は何に使われ、どんな働きをする?
01 半導体は何に使われているのか? ── コンピュータ分野
●産業の米「半導体」
●半導体は「国の安全保障」を決する最重要戦略物資
●スパコンから身近なパソコンのCPUまで
●モバイル端末にも使われている?
02 半導体は何に使われているのか? ── 身近な製品では?
●家電にはどのようなICが使われている?
●クルマ用の車載半導体とは?
●ICカードには?
●電子ゲーム機にはどんなICが?
03 半導体は何に使われているのか? ── インフラ、医療分野では
04 半導体は産業最前線でどう使われている? ── AI、IoT、ドローン……
●データセンターでは?
●AI・ディープラーニングでは?
●生成AIとエッジAI
●IoT、DXでは?
●ドローンでは?
05 パワー半導体は通常の半導体と何が違うか?
●「エネルギーを扱う」パワー半導体
●パワー半導体の機能、代表的なデバイス
●PMICは「賢いパワー半導体」
コラム 半導体に関するニュースの読み方
第6章 これからの半導体と半導体産業を展望する
01 HBMは「高速&広帯域」を実現するメモリ
02 2nmノード以降の微細化をめぐる攻防
03 モア・ムーアとモアザン・ムーア
●ネクスト「ムーアの法則」
●蚊に学ぶ情報処理
04 新材料、新構造トランジスタ
●「速い、安い新材料」の開発
●新構造のGAA型トランジスタへ
05 右脳的な機能を持ったニューロモーフィックチップ
●ノイマン・ボトルネック
●IBM「TrueNorth(トゥルーノース)」
●インテル、TSMCのAIチップ
06 現実空間とメタバースを融合する半導体 ── インターネットの進化系?
●宇宙を超越する?
07 3D化と光配線
●3次元構造半導体
●3次元技術 ── ホモジニアス
●3次元技術 ── ヘテロジニアス
08 日本半導体産業の今後を展望する
●2つの第一印象
●枯れた技術の導入への不安
●賛成派、懐疑派の意見
●筆者の考え
●総花的戦略への疑問
●我が国の半導体産業における最新の動き
コラム AIは知能を、感情をもつか?
第7章 半導体の先端技術の動向
01 先端半導体を牽引する4つのアプリケーション分野とは?
●アプリ分野、先端半導体、先端技術
●どんなアプリケーション分野か?
02 必要とされる先端半導体は?
●CPU
●GPU
●AI半導体
●メモリ
03 求められる先端技術
●微細リソグラフィ技術
●高NA EUVの技術的な課題
●高性能トランジスタ技術
●先端配線技術
●裏面電源供給技術
●パワー半導体技術
●光電融合デバイス技術
コラム 元素を確保せよ!
第8章 注目! 世界の半導体トップ企業38社
●エヌビディア/TSMC/サムスン電子/インテル/アーム(ARM)/キオクシア/ASML/アプライドマテリアルズ(AMAT)/ルネサスエレクトロニクス/マイクロン・テクノロジー/KLA/レーザーテック/東京エレクトロン/SUMCO(サムコ)/グローバルファウンドリーズ/ディスコ/ラムリサーチ/アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)/クアルコム/シノプシス/ケイデンス・デザイン・システムズ/JSR/東京応化工業(TOK)/アドバンテスト/テラダイン/信越化学工業/レゾナック/TOPPANホールディングス/大日本印刷/インフィニオン・テクノロジー/ローム/ソニーセミコンダクタソリューションズ/TOWA/イビデン/住友べークライト/SCREEN/SEMES/SMIC
巻末資料
資料① ── 半導体メーカーと主要製品一覧
資料② ── 半導体用語の解説
資料③ ── 海外と日本の半導体主要工場の新設状況
著者
菊地 正典(きくち・まさのり)
1944年樺太生まれ。東京大学工学部物理工学科を卒業。日本電気(株)に入社以来、一貫して半導体関係業務に従事。半導体デバイスとプロセスの開発と生産技術を経験後、同社半導体事業グループの統括部長、主席技師長を歴任。(社)日本半導体製造装置協会専務理事を経て、2007年8月から(株)半導体エネルギー研究所顧問。2024年7月から内外テック(株)顧問。著書に『入門ビジュアルテクノロジー 最新 半導体のすべて』『図解でわかる 電子回路』『プロ技術者になる! エンジニアの勉強法』(日本実業出版社)、『半導体・ICのすべて』(電波新聞社)、『「電気」のキホン』『「半導体」のキホン』『IoTを支える技術』(SBクリエイティブ)、『史上最強図解 これならわかる!電子回路』(ナツメ社)、『半導体工場のすべて』(ダイヤモンド社)など多数。
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