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経営

稲盛和夫、原点を語る

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稲盛和夫、原点を語る

書籍情報

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  • 稲盛ライブラリー+ダイヤモンド社「稲盛和夫経営講演選集」共同 編
  • 定価:2860円(本体2600円+税10%)
  • 発行年月:2023年11月
  • 判型/造本:46上
  • 頁数:712
  • ISBN:9784478118474

内容紹介

2つの世界的大企業、京セラとKDDIを創業し、JALを再生に導いた「経営のカリスマ」、稲盛和夫が本当に大切にしていたこととは? 経営者として修羅場に置かれたとき、稲盛和夫は何を考え、どう行動したか。約半世紀にわたる経営思想と原理原則を完全網羅した決定版

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

本書の刊行に際して

第1章 稲盛和夫40歳代[1970年代〜]

私の企業家精神

私の企業家精神

  熊本日日新聞情報文化懇話会講演 ── 一九七六年一二月二日

経営において何よりも大事なもの
判断の基準は、「人間とはどのようにあるべきか」
方法論や術策だけが経営ではない
アメリカと日本の考え方の違いに苦しむ
「人の心」を基軸に置く経営を、アメリカでも実践
福沢諭吉の唱えた、あるべきリーダーの姿
われわれには、すばらしい夢やロマンがある
愚直に成功を信じ、ひたむきに突き進む
潜在意識にまで入っていくような、強烈な願望をもつ
自らの才能は社会のために
会社に全生命と全人格をつぎ込む

研究開発を成功に導く考え方と手法

  マネージメントセンターでの講演 ── 一九七七年二月一七日

研究開発テーマは、自社技術の延長線上で
技術開発は、飛び石を打たない
必要なのは技術の「強さ」
マーケット創造に苦労する
市場が存在しなければ、自分でつくればいい
材料・技術・部品の織り成す可能性
お客様にとって付加価値の高い製品をつくる
開発テーマよりも、プロジェクトリーダー不足
研究開発リーダーに求められる人間性
新製品の営業担当者には兼任させない
自らをハングリーな状況に置く
京都の企業は相互に技術提供を行うべき
研究開発テーマは、少々難易度の高いものを
研究開発に求められる「企業家精神」
革新的なことを成し遂げるのは素人だ

戦う中小企業の販売戦略

  日本青年会議所(JC)経営開発シンポジウム講演 ── 一九七九年九月七日

世界共通の販売条件
販売戦略一.まずは社名を世間に浸透させる
販売戦略二.非常にクイックな開発能力をもつ
販売戦略三.他社より優れた製品を継続的に供給する
販売戦略四.市場で勝てる値決めをする
値決めは経営。値決めはトップの役目
経営者の考え方で、商売の成否が決まる
販売戦略五.お客様の希望納期に供給する体制をつくる
営業の基本姿勢は、お客様への徹底した奉仕
どんな時代でも、経営の原理原則を貫く
いかに複数のお客様を満足させるか
商いの極意は、お客様に尊敬されること
売れないものを売るのがプロ
商品普及・市場開発の五つの段階

第2章 稲盛和夫50〜60歳代[1990年代]

経営を伸ばす哲学

リーダーシップと判断基準

  旧郵政省講演 ── 一九九一年五月三一日

省庁にこそ求められるリーダーシップ
リーダーの第一条件は、組織に影響力を及ぼすこと
現在の経営状態は、日々の判断の積み重ね
「判断基準」がリーダーの価値を決めていく
たどっていくと、人間の本能にたどりつく
理性による判断とその限界
理性を超えた先にある、魂のレベルでの判断
人間の本質とは何か。外国人幹部たちとの三日間の議論
われわれ凡人は、どうすれば魂のレベルで判断できるのか
「動機善なりや、私心なかりしか」
リーダーがもつべきは、すばらしい心根と哲学

企業経営を好転させる哲学

  盛和塾関東ブロック合同塾長例会講話 ── 一九九四年八月九日

社長としての心構え
社長心得八カ条
なぜ経営に哲学が必要なのか
社風とは、従業員の心がつくるもの
烈風吹きすさぶような厳しさを含んだ優しさを
私心なき動機で成功に導いた、通信事業の創業
善意の買収が、業績向上の鍵となる

心を高める、経営を伸ばす

  第一回経営講座トップセミナー講演 ── 一九九五年五月一二日

「心を高める、経営を伸ばす」
経営はトップの考え方、意志で決まる
会社の業績は、経営者の意識そのもの
プリミティブな判断基準のおかげで、今日の京セラがある
人生・仕事の結果は「考え方×熱意×能力」
人は心で判断する
本能、感覚、感情、理性では判断できない
あなたの魂は、何が正しいかを知っている
せめて一日二〇分ぐらいは、心を静める
魂のレベルで経営を行えば、ビジネスはうまくいく
フィロソフィに全従業員が共鳴しているか
哲学を血肉化させよ
「動機善なりや、私心なかりしか」と自らに問い続ける
第二電電の成功で証明した、考え方の大切さ
日本社会の繁栄のために

第3章 稲盛和夫60〜70歳代[1990~2000年代]

企業を成長発展させる考え方

戦略のベースとなる経営者の考え方

  第一〇回日本証券アナリスト大会記念講演 ── 一九九五年一〇月五日

戦略に対する考え方
企業を支えている本質的なものとは
海外展開事例一.フェアチャイルド社のセラミックパッケージ工場購入
海外展開事例二.株式交換によるAVX社買収
通信事業戦略事例一.第二電電
通信事業戦略事例二.携帯電話事業
数字で表せないもので企業の業績を見る

なぜ高収益でなければならないのか

  高収益経営のための社内講話 ── 一九九九年八月一九日

高収益企業・京セラの原点
借金を返すために利益率を上げる
目指すのではなく、自然に「高収益」へと舵をとった
高収益でなければならない理由一.財務体質を強化するため
高収益でなければならない理由二.近未来の経営を安定させるため
高収益でなければならない理由三.高配当で株主に報いるため
高収益でなければならない理由四.株価を上げて株主に報いるため
高収益でなければならない理由五.事業展開の選択肢を広げるため
高収益でなければならない理由六.企業買収によって多角化を図るため
高収益企業だからこそ踏み切れた、電気通信事業への展開
高収益はメーカーの勲章である
高収益とは、税引前利益でいくらぐらいか

売上最大、経費最小を実践するには

  盛和塾中部東海地区合同塾長例会講話 ── 二〇〇四年五月一八日

盛和塾に入塾する目的とは
事業の目的、意義を明確にする
売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
組織はどのように分けるべきか
営業部門の損益の管理
勘定科目を見ながら経営をする
製造部門の損益の管理
具体的な目標を立てる
目標を共有する
損益計算書から現場のすべてを読み取る
損益計算書は「コックピットの計器」
切磋琢磨する者たちが集う「盛和塾」

第4章 稲盛和夫70歳代[2000年代]

リーダーシップと利他心

企業倫理とリーダーシップ

  ケース・ウエスタン・リザーブ大学講演 ── 二〇〇二年一〇月一八日

さらに厳しく問われるリーダーのあり方
過大なインセンティブは経営者を堕落させる
リーダーの選任にあたって最も大切なこと
「才覚」よりも重要な「人格」
人格は後天的に磨かれる
「うそを言うな」「正直であれ」。単純な教えの意味
福沢諭吉が説く、理想のビジネスリーダーのあり方

次代のリーダーに望む

  九州大学ビジネス・スクール第一期生修了記念シンポジウム講演 ── 二〇〇五年三月一五日

未来のリーダーたちへ
確固たる人格を備えたリーダーの重要性
人類の歴史はリーダーの歴史
集団を率いるために必要なこと
誰にでもわかるよう考えた、人生方程式
考え方が狂っただけで、人生のすべてが変化する
つまるところ「考え方」とは何を目指すのかである
リーダーに求められる次元の高い考え方

一つの「自力」と二つの「他力」

  盛和塾ニューヨーク塾長例会講話 ── 二〇〇六年一一月二六日

「あなたには経営者としての力がありますか」
今始めようとしている事業が、ビジネスとして成り立つか
経営者が実践すべき経営十‌二カ条
支えてくれるパートナーと全従業員の「他力」
心と心で結ばれた強い信頼関係を築く
全従業員に信頼され、協力を得る
宇宙、自然の力を味方につける
仏教でも説かれている因果の法則
常に感謝の心をもつ
知性で煩悩を抑える
利他心をもつ努力が、人格を変え、幸運をもたらす

第5章 稲盛和夫70歳代[2010年代①]

繁栄する企業の経営手法

アメーバ経営が持続的な企業成長をもたらす

  二〇一一稲盛和夫経営哲学広州報告会講演 ── 二〇一一年九月二五日

経営の実践の中から生み出されたアメーバ経営
アメーバ経営の三つの目的
一.マーケットに直結した部門別採算制度の確立
原理原則に基づいた部門別採算制度
二.経営者意識をもつ人材の育成
  ── 共同経営者としての仲間を増やす
三.経営哲学をベースとした全員参加経営の実現
  ── 経営理念と情報の共有化で従業員の経営者意識を高める
アメーバ経営運用にあたっての留意点
  ── アメーバ組織づくりの三つのポイント
アメーバ間の値決めをどうするか
会社全体のモラルと利益を損なわせる「利益の対立」
アメーバ経営のリーダーにはフィロソフィが必要
「人に優しい経営」を可能にする経営システム
全世界の隅々まで浸透したアメーバ経営

京セラ会計学

── 今こそ求められる経営のための会計学 ──

  二〇一一稲盛和夫経営哲学大連報告会講演 ── 二〇一一年一〇月二三日

経理の専門家ではない私が確立した、会計の原理原則
経営の原点と会計
  ── 物事の本質に立ち返って考える
経理部長とのやりとりを通して生まれた会計学
一.キャッシュベース経営の原則
二.一対一対応の原則
三.筋肉質経営の原則
四.完璧主義の原則
五.ダブルチェックの原則
六.採算向上の原則
七.ガラス張り経営の原則
より堅固な経営管理体制で、さらなる発展を

第6章 稲盛和夫70〜80歳代[2010年代②]

企業経営の要諦

フィロソフィこそ経営の源泉

  盛和塾福島開塾式講話 ── 二〇一一年六月二日

未曾有の困難と懸命に闘う皆さんへ
経営の要諦は「フィロソフィ」に尽きる
「フィロソフィ」は逆境の中で悩み抜いて、ようやく見つけたもの
人並み程度の能力で、人並み以上のことを成し遂げるには
際限のない努力が成功をもたらす
考え方がマイナスなら、結果もマイナスに
講演聴講者から贈られた即興詩
日本航空の意識改革は、フィロソフィがもたらした
フィロソフィが社員の心に火をつけ、お客様の感動の声を呼び起こした
社員の意識と会社業績は連動する

企業統治の要諦

── 従業員をモチベートする ──

  盛和塾ロサンゼルス塾長例会講話 ── 二〇一二年一〇月一日

経営の原点に立ち返る
従業員をパートナーにする
従業員が社長に惚れ込むようになるには
ひたすら仕事の意義を説く
すばらしいビジョンを掲げる
会社の目的とは何か。ミッションを確立する
高邁な大義こそが事業の成功を導く
全部門で大義名分を掲げる
フィロソフィを社員と学び、共有する
フィロソフィを自分のものとするよう心を高める
企業統治の要諦は従業員をモチベートすること
意識改革によって生まれ変わった日本航空
日本航空再建の真の要因について

おわりに

稲盛和夫の経営を理解するためのブックガイド





著者

稲盛和夫(いなもり・かずお)
1932年、鹿児島市に生まれる。1955年、鹿児島大学工学部を卒業後、京都の碍子メーカーである松風工業に就職。1959年4月、知人より出資を得て、資本金300万円で京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。代表取締役社長、代表取締役会長を経て、1997年から取締役名誉会長(2005年からは名誉会長)を務めた。また1984年、電気通信事業の自由化に即応して、第二電電企画株式会社を設立。代表取締役会長に就任。2000年10月、DDI(第二電電)、KDD、IDOの合併によりKDDI株式会社を設立し、取締役名誉会長に就任。2001年6月より最高顧問となる。2010年2月には、政府の要請を受け日本航空(JAL、現日本航空株式会社)会長に就任。代表取締役会長を経て、2012年2月より取締役名誉会長(2013年からは名誉会長)、2015年4月に名誉顧問となる。一方、ボランティアで、全104塾(国内56塾、海外48塾)、1万4938人の経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長として、経営者の育成に心血を注いだ(1983年から2019年末まで)。また、1984年には私財を投じ稲盛財団を設立し、理事長(2019年6月からは「創立者」)に就任。同時に、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰する国際賞「京都賞」を創設した。2022年8月、90歳でその生涯を閉じる。

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