生成AI
「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?
生成AI
「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?
書籍情報
- 小林 雅一 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2023年07月
- 判型/造本:46並
- 頁数:376
- ISBN:9784478118184
内容紹介
言葉を理解し、文章や画像だけでなくプログラミングコードすら生み出す生成AIは社会をどのように変えるのか? 中心となるOpenAIやマイクロソフト、それに対抗するグーグルなどテック企業の思惑とは? 超スピードで進むAIの進化と社会変革についていくための基礎教養をまとめた、現時点の最良のレポート。
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目次
第1章 ChatGPTの衝撃
── 対話型AIが証明した「モラベックのパラドックス」
「革命」の始まり
続々登場する、コンテンツを「生成」するAI
生成AIブームの中心にいるChatGPT
ChatGPTを実際に使ってみると
生成AIは「幻覚」を見る
ChatGPTの限界や制約
事業計画書は瞬時に作成できる
物理や数学の問題は苦手
「人が機械に合わせる時代」から「機械が人に合わせる時代」に
「電卓化するAI」がもたらすもの
証明された「モラベックのパラドックス」
第2章 世界はChatGPTをどのように受け止めたか
── 揺らぐ教育とビジネス、広がる規制
「宿題をやるAI」が教育の根幹を揺るがす
米国の大学はChatGPTへの対応を急ぐ
日本の大学もChatGPTへの警戒を強める
生産性と雇用に与える多大な影響
企業はセキュリティ面での対応に追われる
ChatGPTは企業内でどのように使われているのか
「プロンプト・エンジニア」という職業すら生まれる
生成AIに関する法的な留意点
世界に広がる規制の動き
第3章 生成AI以前のAI史
── 二度の「冬」を越えて
AI開発の歴史を一気に振り返る
ニューラルネットの復活と第3次AIブームの到来
AIの進歩は「言葉の理解」で足踏みしてきた
ニューラルネットのパターン認識は人間をしのぐレベルに
かつてのAIやコンピュータはどのように「言葉」を理解していたのか?
言語モデルはどのように文章を理解して生成しているのか?
自然言語処理がAIの「最大の壁」だったわけ
第4章 トランスフォーマーの登場と大規模言語モデルへの道
── 2017年のブレークスルー
2017年に発表された衝撃の論文
「大規模言語モデル」の誕生
別名、「基盤モデル」
LLMの大衆化に成功したChatGPT
飛躍的に向上したGPT-4の理解力と言語能力
GPT-4も数学は苦手
AGIという究極の目標
続々誕生するLLMを基盤としたAIサービス
功を焦ったメタ
メタはオープンソース戦略で挽回を図る
第5章 苦悩するグーグル、躍進するOpenAIとマイクロソフト
── 生成AIはビジネスの勢力図をどう変えるか
ウィンドウズにも搭載された対話型AI
WordもExcelも生成AIで驚きの進化を
本格的な普及は対投資効果を見極めてから
基盤モデルの勢力圏争いが始まる
慎重にリリースされた、グーグルの対話型AI「Bard」
「イノベーターのジレンマ」に陥ったグーグル
ピチャイCEOの嘆き
グーグルのトラウマ:「確率的なオウム」という批判
グーグルを離れた技術者が創った「Character.AI」
チューリング・テストが時代遅れに
ビジネスモデルがないまま、時価総額は10億ドルに
トランスフォーマー・モデルの発案者が創る「働くAI」
世界的な金融引き締めのなか、生成AIだけは投資ブーム
ChatGPTへの世界的関心と懸念がピークに
サム・アルトマンとはどんな人物なのか
日本も欧州も周回遅れ
複合的要因で苦戦する中国
独走する米国のビッグテック
第6章 画像生成AIがもたらすもの
── フェイク映像の拡散とクリエーター達の憂鬱
ダウンジャケットを着たローマ教皇
政治的な扇動に使われる恐れも
従来の合成写真や画像編集と何が違うのか
GANとディープフェイクの実態
言葉で画像を生成するAIの登場
対話型AIに先んじてブームとなった画像生成AI
生成AIでも画像系とテキスト系ではどちらの影響力が大きいか
相次いで訴えられる画像生成AI
ピカソが「盗む」のとAIが「盗む」のは同じなのか
コード生成AIも訴えられる
ChatGPTには報道機関から抗議の声が上がる
検索エンジンと対話型AIの融合がメディアに与える影響
第7章 生成AIが突きつける「創造性」の本質
── AIの作品を私達は本当に愛せるのか?
生成AIの作品に知的財産権は認められるのか?
米国著作権局の判断は?
SF雑誌にChatGPT作品の応募が殺到
ChatGPTはどれくらいのレベルの小説を書けるのか
生成AIが問い直す芸術作品の価値
音楽生成AIの現状
世界的なミュージシャンになりすましたAI作品が登場
音楽作品も言葉を使って製作できる時代に
動画生成AIが生み出す、完璧なフェイクにして究極のエンターテインメント
「USウィークリー・ファクター」と「藤井聡太」が示す未来
おわりに ── ジェフリー・ヒントンの2つの懸念
著者
小林雅一(こばやし・まさかず)
1963年、群馬県生まれ。作家・ジャーナリスト、KDDI総合研究所・リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭を執った後、現職。著書に『ゼロからわかる量子コンピュータ』『仕事の未来~「ジョブ・オートメーション」の罠と「ギグ・エコノミー」の現実』『AIの衝撃~人工知能は人類の敵か』『ゲノム編集とは何か~「DNAのメス」クリスパーの衝撃』(いずれも講談社現代新書)、『「スパコン富岳」後の日本~科学技術立国は復活できるか』(中公新書ラクレ)、『ゲノム編集からはじまる新世界~超先端バイオ技術がヒトとビジネスを変える』(朝日新聞出版)、『AIが人間を殺す日~車、医療、兵器に組み込まれる人工知能』(集英社新書)、『クラウドからAIへ~アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場』(朝日新書)などがある。
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