経済人、二度目の死
大阪の政治情勢に見る日本社会の変容と未来
経済人、二度目の死
大阪の政治情勢に見る日本社会の変容と未来
書籍情報
- 森本雄一郎 著
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2021年03月
- 判型/造本:46並
- 頁数:194
- ISBN:9784478112830
内容紹介
「正当保守主義」という思想を出発点として、大阪府寝屋川市議会議員としての経験や見地から、近年の大阪府政の動向を解析。その分析を基軸として、これまで日本が経験した歴史的な社会変容をふまえ、現代の日本が直面している「社会変容」の根本に迫り、これから日本社会が目指すべき方向を提言する。
目次・著者紹介詳細を見る▼
目次
まえがき
序章 『「経済人」の終わり』から80年後の日本 大阪
維新議員の発言の本質
第1章 全体主義というもの
維新主義運動とは
自由の奪われ方
組織外部の有権者について
全体主義とは
終えられない運動
維新の会は自民党に似ているとする誤った認識
第2章 反維新陣営の幻想
4つの謬説
(1)革命の野蛮性
(2)プロパガンダとポピュリズム説
(3)維新の勢力は大阪とその周辺でしか通用しない
(4)維新の躍進は一過性/維新は自民党の生まれ変わり
枠外からの革命
新しい諸症状を分析する
権力が自らを正当化する
民衆心理の不思議
公約の矛盾を知っていた
背理ゆえに信ず
民衆の失望こそが鍵である
第3章 民衆の失望
民主党政権はなぜ失敗したか
民主党の現実
民主党政権の失敗
大阪の政治への期待と失望
自民党安倍政権の約束履行と不履行
経済的自由への恐怖
「経済人」の破綻
経済よりも重要なこと
秩序を奪われ、合理を失う
第4章 魔物たちの再来
失われた30年と3回の恐慌が明らかにしたもの
それまでの恐慌、不況が意味するもの
人間がつくり出した魔物たち
一部の自由がなくなった
経済的自由を放棄する
経済発展よりも安定を優先
自由とは何か
維新主義運動の登場
維新の会による「敵の破壊」とは
大阪モデルの虚偽・疑いの変遷
すべてが恣意なるもの
イソジン大騒動やワクチン発表の先走りが起きる必然性
旧来の民主主義を廃止する
止まることができない信条と「タブーを破る英雄人」像
維新の会所属議員等による問題発言を考える
第5章 旧来勢力の失敗
維新の会は革新政党たりうるか
維新主義運動に対峙できるか
逃避と防衛に解決の道を探る
第6章 維新主義運動の奇跡 ── 大阪はテストケースなのか
大阪の風土・文化と大阪人の府民性
問題は風土や土地柄、府民性ではない
与えられた民主主義と獲得した民主主義
ほかの都道府県(地方自治体)ではどうか
大阪の旧体制の崩壊
第7章 維新主義運動の新自由主義社会
徹底した新自由主義
現代産業社会の徹底した新自由主義化という奇跡はなるか
維新主義運動の本質とは何か
維新主義運動による新自由主義化
維新主義運動による大阪都構想の実体
虚偽と疑いだらけの都構想財政効果額の歴史的変遷
虚偽に満ちた都構想の財政シミュレーション
都構想移行後の財政シミュレーションについて
維新の会の常套手段
住民サービスが低下する恐れ
財政調整制度の問題について
移行までのプロセスの問題について
行政が発行する広報の問題について
アフターコロナの大阪都構想
東京の特別区と同じであるという幻想
同種の施策
第8章 奇跡か蜃気楼か
敵対と協調
社会そのものを否定する
森夏枝の問題質疑
戦いの行方
既得権益者の化身としての自民党大阪府連
本当の敵とは
自民党攻撃の「最終解決」
なぜ粗暴になれるのか
民衆の鼻息をうかがう
信条ではなく戦闘行為・事業モデルがすべて
歴史の継続と断絶
終章
維新主義運動に対抗するために
政治と社会の書
維新好きな日本人
あとがき
著者
森本雄一郎(もりもと・ゆういちろう)
1973年、大阪府生まれ。大阪府立港南高等学校(現・大阪府立港南造形高等学校)、摂南大学法学部法律学科を卒業。大阪市立大学大学院(創造都市研究科修士課程)修了。都市政策修士。十数年間の民間企業勤務を経て、2015年4月寝屋川市議会議員選挙に立候補して初当選。2020年現在、寝屋川市議会議員2期目。学校法人常翔学園 学園評議委員会 評議員(学識)も務める。