M&A後の組織・職場づくり入門
「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか
M&A後の組織・職場づくり入門
「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか
書籍情報
- 齊藤 光弘 編著/中原 淳 編著/東南 裕美 著/柴井 伶太 著/佐藤 聖 著
- 定価:2640円(本体2400円+税10%)
- 発行年月:2022年02月
- 判型/造本:A5並
- 頁数:324
- ISBN:9784478112090
内容紹介
人材開発・組織開発の専門家が、M&A後の統合プロセスにおける「人と組織」の諸問題と、その解決策を詳しく解説。「社員の不安や葛藤をマネジメントするには」「統合プロセスに対話が効果的な理由」など、経営層、経営企画担当者のみならず、現場マネジャー、人事担当者にも読んでいただきたい一冊。
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目次
はじめに
本書の構成と独自調査の概要
CHAPTER1 「M&Aが日常化する時代」に知っておきたいこと 日本企業はなぜM&Aを行うのか?
SECTION1 そもそもM&Aとは何か
企業がM&Aを行う目的
M&Aのメリット・デメリット
M&Aの一般的なプロセスとは?
SECTION2 なぜ今、M&Aが増えているのか?
加速する日本企業のM&A
経営戦略としてのM&Aが一般化しつつある
日本は人口減少によって深刻な人手不足に
財務的な安定性の高い日本企業
SECTION3 成長戦略としてのM&A
M&Aによる「新規事業の創出」
M&Aによる「ノンコア事業の再編・売却」
M&Aによる「新規市場の開拓」
CHAPTER2 M&A後の統合がうまくいかない理由 「人と組織」に関わる厄介な問題とは?
SECTION1 M&Aの成功を阻むPMIの課題
M&A「成功」はわずか36%!?
PMIにみられる人と組織の課題とは?
COLUMN #1 組織文化とは何か
COLUMN #2 M&Aによって組織文化はどう変わるか
SECTION2 M&Aはなぜ葛藤を生み出すのか
PMIは「トランジション」である
トランジションの3つの段階
情報共有の「時差」が心理的対立を生む
COLUMN #3 「死の受容」5段階モデル
SECTION3 PMIにおける日本特有の課題とは?
M&A先進国の米国企業から学ぶこと
日本企業にありがちな残念なM&Aパターン
残念なM&Aをもたらす日本的な事情
CHAPTER3 人と組織の視点で進める「M&A後の組織・職場づくり」 “組織づくりのレンズ”を通して見る
SECTION1 PMIの一般的なプロセス
PMIの「5つのステップ」
PMIは「統合後100日」が勝負!
PMIのプロセスで扱われる8つの領域
SECTION2 M&A後の組織・職場づくりの視点
組織に対する計画的な働きかけ
「3段階モデル」をPMIプロセスに当てはめる
SECTION3 M&A後の「参加型組織づくり」の視点
自らの手によって、組織をより良いものとする
COLUMN #4 裏づけとなる組織づくりの理論 ── 組織変革と組織開発
SECTION4 日本と海外のPMIはどう違うのか
米国のPMI研究から見えてくること
海外のM&A/PMIの2つの特徴
CHAPTER4 〈解凍〉M&A前夜に取り組むアクション 「人と組織」の視点でPMIを準備する
SECTION1 目的とビジョンの明確化
目的とビジョンの説明がなぜ重要なのか?
社員に最初に伝えるべき情報とは?
見失われがちなM&Aの目的とビジョン
早期のビジョン提示がなぜ必要なのか?
目的とビジョンをどう伝えるか?
目的とビジョンを伝える説明会の開催
説明会以外のコミュニケーション手段は?
COLUMN #5 M&A直後に起きやすい「ジレンマ」状況
SECTION2 統合プランの策定
統合プランがなぜ必要なのか?
統合プランをどのようにして策定するか
SECTION3 PMIを進める体制づくり
PMIの体制整備がなぜ必要なのか?
PMO担当者に求められる資質とは?
M&A前後の体制移行に注意!
SECTION4 組織文化デューデリジェンス(CDD)の実施
組織文化デューデリジェンス(CDD)とは?
CDDの着眼点①:買われた側社員の平均勤続年数
CDDの着眼点②:以前の職場における上司への信頼感
CDDの着眼点③:過去のM&A経験
CDDの着眼点④:先行研究からの示唆
COLUMN #6 人と組織を重視した海外のPMI事例
CHAPTER5 〈変化〉M&A直後に取り組むアクション 社員の納得感をいかに高めるか?
SECTION1 会社メンバー間での「対話」の機会
そもそも「対話」とは何か
PMIになぜ「対話」が効果的なのか
「対話」による組織づくりとは?
「対話の場」をデザインするときに注意したいこと
COLUMN #7 心理的安全は「チームで仲良くすること」ではない
COLUMN #8 なぜ組織づくりには、経験を話し合う「対話」が効果的なのか?
SECTION2 業務オペレーションをいかに統合するか?
ルールや手続きの変更は抵抗感を生む
大切にしている価値観への配慮が必要
これまでのやり方を尊重した業務オペレーションの統合
SECTION3 会社に求められる統合支援とは?
会社側の統合支援が社員の組織ロイヤルティを高める
経営層による統合支援で大切なこと
SECTION4 複雑な課題を先送りにしない
M&A後は“ハレモノ”が生まれやすい
厄介な“ハレモノ”にどう向き合うか
COLUMN #9 なぜM&Aには「NGワードリスト」が必要なのか
CHAPTER6 〈再凍結〉M&A後3か月以降に大事にしたいアクション 新たな価値を生み出すために
SECTION1 社員のリテンションを高める
職務環境の変化に対する社員の認識
買われた側の社員が抱く退職意向
職務環境の変化で影響の大きいものは?
SECTION2 マネジャーによる社員の定着支援
PMIプロセスに「組織社会化」の視点を活かす
マネジャーがM&Aの受容感に与える影響
上司のマネジメントスタイルが部下に与える影響
部下の意味づけを支援する「1on1」の活用
COLUMN #10 PMIプロセスにおける「センスメイキング」
SECTION3 シナジー創出に求められる組織文化やアクション
組織文化はシナジーにどのような影響を与えるか
買った側がイニシアティブを握るべきか?
組織への愛着とシナジー創出の関係
シナジー創出に影響を与える要因とは?
CHAPTER7 楽天グループが実践するM&A後の「人と組織」の統合 “経営理念の共有”と“組織文化の醸成”をいかに進めるか
話者:楽天ピープル&カルチャー研究所代表 日髙達生氏
楽天の組織文化は「統一性」と「多様性」を両立させる
組織開発の専門部隊を社内に置くことのメリット
楽天グループにおけるPMIプロセス
PMIに伴う心理的ボトルネックを見極める
ジョインされた会社の一人ひとりに、橋をかける
苦い経験から得たPMIの教訓とは?
働き続けるかどうかは、最終的には個人の意思
CHAPTER8 M&Aスペシャリストが語る統合プロセスの乗り越え方 日本企業が抱えるPMIの課題にどう対処するか
話者:明治大学グローバル・ビジネス研究科専任教授 岡俊子氏
M&Aは「ハゲタカ」から「成長戦略のツール」へ
M&Aは日本の数少ない成長産業
ディスラプション(破壊的創造)のためのM&Aが活発に
PMIにコンサルタントが関わらないのはなぜか?
統合プロセスを成功させる基本的な考え方
多様性を認めることが、シナジー創出の第一歩
M&A前の事業計画に現れる“イリュージョン”
丁寧なコミュニケーションが統合のカギ
「質の高い100日プラン」を作るには?
M&A直後のモチベーションダウンを防ぐ
M&A後のミドルマネジャーの役割
FINAL CHAPTER “組織づくりのレンズ”をPMIに活かす5つの重要ポイント
おわりに
執筆者紹介
編著者
齊藤光弘(さいとう・みつひろ)
合同会社あまね舎/OWL:Organization Whole ─ beings Laboratory代表。組織開発カタリスト。企業における組織づくりや人材育成の領域で、現場支援と研究を融合させ、メンバーが持つ想いと強みを引き出すためのサポートに取り組む。組織開発や人材開発、コーチングといった手法を有機的に組み合わせながら、組織全体の変容と個の変容を結び付け、支援の実効性を高めている。M&Aのプロセスをサポートするコンサルティングファームのコンサルタント、事業承継ファンドのマネージャーを経て、東京大学大学院にて中原淳氏に師事し、組織開発・人材開発の理論と現場への応用手法を学ぶ。2020年3月まで國學院大學経済学部特任助教を務めるなど、大学でのリーダーシップ教育、アクティブラーニング型教育の企画・実施にも関わる。共著に『人材開発研究大全』(東京大学出版会)。
中原淳(なかはら・じゅん)
立教大学経営学部教授。立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。博士(人間科学)。1998年東京大学教育学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科で学び、米マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学准教授などを経て現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発・リーダーシップ開発について研究している。単著に『経営学習論』(東京大学出版会)、『研修開発入門』(ダイヤモンド社)、『フィードバック入門』(PHPビジネス新書)ほか、共著に『組織開発の探究』(HRアワード2019書籍部門 最優秀賞受賞、ダイヤモンド社)、『残業学』(光文社新書)、『チームワーキング』(日本能率協会マネジメントセンター)、『中小企業の人材開発』(東京大学出版会)ほか多数。
著者
東南裕美(とうなん・ゆみ)
株式会社MIMIGURI Researcher。山口県出身。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了。立教大学大学院経営学研究科博士後期課程在籍。人と組織の学習・変容に興味を持ち、組織開発が集団の創造性発揮をもたらすプロセスについて研究を行っている。人と組織の創造性を高める理論知や実践知を発信するウェブメディア『CULTIBASE』の副編集長を務める。
柴井伶太(しばい・れいた)
株式会社サイバーエージェント 新卒採用人事。立教大学経営学部中原淳ゼミナール卒業、組織開発・人材開発の研究を行う。現在は、立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース在籍。また、大学時代に共同創業者としてベンチャー企業の運営を経て、新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。新卒採用人事としてビジネスコースの採用に携わる。
佐藤聖(さとう・ひじり)
立教大学経営学部経営学科卒業。在学中、中原淳ゼミナールに所属し組織開発・人材開発を専攻。卒業論文ではM&Aの統合プロセスにおけるセンスメイキングをテーマに研究。卒業後は中小企業の支援を行う公的機関に従事。
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