経験なき経済危機
日本はこの試練を成長への転機になしうるか?
経験なき経済危機
日本はこの試練を成長への転機になしうるか?
書籍情報
- 野口 悠紀雄 著
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2020年10月
- 判型/造本:46並
- 頁数:288
- ISBN:9784478111994
内容紹介
世界に広がった新型コロナウイルス。多くの感染者を出しただけでなく、世界経済や人類の生活様式にまで大きな影響を及ぼした。格差、制度の歪み、政治家の資質、デジタル化の必要性、国家による管理統制と自由のバランスなど、多くの問題が明らかになる。従来の経済危機とはどう違うのかについてデータに基づいて分析する。
目次・著者紹介詳細を見る▼
目次
はじめに
第1章 日本経済が受けた打撃〈1〉 休業者の激増
1 コロナで収入激減は国民の3割
2 「コロナ自粛」は日本経済の最も弱い部門を直撃
3 失業率微増の背後で「休業者600万人」の衝撃
4 4月の休業者の4割が仕事に戻ったが、雇用情勢は楽観できない
5 GDP統計では事態の深刻さは分からない
第2章 日本経済が受けた打撃〈2〉 激減した企業利益
1 企業利益が34%減
2 貿易落ち込みの原因はサプライチェーン分断でなく、需要の激減
3 トヨタは黒字維持だが他のメーカーは?
4 売り上げ減の連鎖のため、企業収益は損益分岐点近くに
第3章 迷走を続けた政治の対応
1 高齢者を見捨てる「悪魔の戦略」を取らぬと約束できるか?
2 コロナが暴いた政治家の資質
3 営業自粛要請と補償はセットか?
4 政府の経済対策
第4章 不適切な政策が多すぎる
1 「一律10万円給付」は過剰だった?
2 観光に補助があっても通院の交通費に補助はない
3 日本にも忍び寄るコロナ「悪魔の戦略」
第5章 財政支出増でインフレにならないか?
1 コロナ関連支出をどのようにファイナンスするか?
2 いまはマネーが必要
3 マネーが急増している
4 過剰流動性でないので、インフレにならない
5 異次元金融緩和の無意味さを再確認
6 コロナ後の問題にどう対処するか?
第6章 実体経済から離れた株価の動き
1 資産価格の大変動
2 市場の過大な期待?
3 金融危機を防げるか?
第7章 ニューノーマルへの移行を妨げるもの
1 なぜニューノーマルか
2 在宅勤務が進まない理由
3 eコマースも日本では進まない
4 キャッシュレス化も進まず
5 オンライン教育と教育格差の拡大
6 オンライン診療を阻む巨大な壁
7 ニューノーマルは産業構造や地域構造を変える
第8章 生産性の引き上げが急務
1 韓国に1人当たりGDPで追い抜かれた日本
2 もはや先進国とはいえない日本
3 ノーベル賞は「過去」を、大学は「未来」を表す
4 将来に向かって日本が克服すべき課題
図表一覧
索引
著者
野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年イェール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書)、近著に『データ資本主義』(日本経済新聞出版社)、『「超」AI整理法』(KADOKAWA)、『だから古典は面白い』(幻冬舎)、『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社)など多数。
電子書籍は下記のサイトでご購入いただけます。
(デジタル版では、プリント版と内容が一部異なる場合があります。また、著作権等の問題で一部ページが掲載されない場合があることを、あらかじめご了承ください。)
お詫びと訂正
(2020年12月14日)
『経験なき経済危機』の本文中に誤りがありました。正しくは以下のとおりです。読者の皆様、並びに関係各位に謹んでお詫び申し上げます。
250ページ 13行目
(正)1ドル=101・373円
(誤)1ドル=98・6円
275ページ、10行目
(正)1ドル=101・373円
(誤)1ドル=98・6円
電子書籍は下記のサイトでご購入いただけます。
(デジタル版では、プリント版と内容が一部異なる場合があります。また、著作権等の問題で一部ページが掲載されない場合があることを、あらかじめご了承ください。)