ダブルハーベスト
勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン
ダブルハーベスト
勝ち続ける仕組みをつくるAI時代の戦略デザイン
書籍情報
- 堀田 創 著/尾原 和啓 著
- 定価:2420円(本体2200円+税10%)
- 発行年月:2021年04月
- 判型/造本:A5並
- 頁数:248
- ISBN:9784478111017
内容紹介
「AI実装の現場」を熟知する2人が、戦略的導入のフレームワークを解説!アフターデジタル世界で勝ち続ける「何度でも稼ぐ仕組み」とは? 「結局、ウチの会社でAIってどう使うの?」と思ったらまず読む決定版!!
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目次
はじめに 「技術」から「戦略デザイン」へ 尾原和啓
AIブームの背後で起きた「ゲームチェンジ」に気づけているか/日本企業には「勝ち続ける仕組み」が欠けている/アフターデジタル時代に必要な「AI戦略のデザイン」/IDEOとシナモンAIがワークショップを共同開発
Prologue 勝敗を分ける「何重にも稼ぐ仕組み」
── ハーベストループとは何か?
AIブームは終焉したのか
あらゆる産業にAIの恩恵がもたらされる
「DX=デジタルシフト」という致命的な誤解
勝者はいつも「破壊的危機」から誕生する
コロナショックが次のGAFAMを生む
アマゾンを「小売の覇者」にした二重のループ構造
イスラエルのベンチャーに1兆7000億円の値がついた理由
精度が上がればコミュニケーションミスも減らせる
楽して稼ぐのはいいことだ ── 発想の大転換が必要
本書の構成
Chapter1 AIと人とのコラボレーション
── ヒューマン・イン・ザ・ループ
AIが人間をアシストし、人間がAIの学習を強化する
ヒューマン・イン・ザ・ループのアプローチ
仕事の中身が変わるだけでなく、1人あたりの生産性も上がる
単なるコスト削減にとどまらない
完全なる自動化か、人間とのコラボレーションか
ヒューマン・イン・ザ・ループの3つの型
精度100%のAIは存在しない
専門家の能力を最大化する「エキスパート・イン・ザ・ループ」
高度な専門サービスが民主化され、誰でも利用可能に
AIの学習にユーザーを取り込む「ユーザー・イン・ザ・ループ」
Column AI戦略は水平分業から垂直統合へ ── E2E学習
Chapter2 AIで何を実現するかを見極める
── 戦略デザイン構築のための基盤づくり
「技術者でなければAIはわからない」のウソ
AIが実現する5つの「最終価値」
AI導入を戦略デザインに組み込むための基盤づくり
「売上増大」を実現するAI ── 最終価値①
「コスト削減」を実現するAI ── 最終価値②
「リスク/損失予測」を実現するAI ── 最終価値③
「UX向上」を実現するAI ── 最終価値④
「R&D加速」を実現するAI ── 最終価値⑤
「機能」と「データ」のかけ算で「最終価値」を実現する
「認識」に関するAI
「予測」に関するAI
「対処」に関するAI
いますぐ取り組めば十分勝機がある
ボトルネック部分にAIが使えないかをまず検討する
Column 必要なデータ量はそれほど大きくない ── レスデータという新常識
Chapter3 戦略基盤を競争優位に変換する
── 戦略デザインとしてのAI
最終価値だけでは逃げ切れない
「UVP」をキープするのが戦略立案の目的
まずは1回目の勝利を目指す
ライフタイムバリューを拡大して広告市場を独占する
「客室単価のリアルタイム最適化」が急成長の原動力に
価格破壊で圧倒的な優位を築く
小型化して市場の拡大を目指す
サブスクモデルのプライシングに生かす
フィンテック化で店舗の実態にあった融資・保険を提供
パーソナライズされたUXでユーザーを虜に
最高のUXは最強の防護壁
1回「勝つ」だけでなく「勝ち続ける」ことが真の狙い
Column データをためてもいずれ飽和する ── サチュレーションと例外処理
Chapter4 データを収穫するループをつくる
── ハーベストループでAIを育てる
データを“狩る時代”から“育てて収穫する時代”へ
ループ構造をつくってはじめてAI戦略は機能する
ハーベストループのつくり方
最初から「ループありき」で考える
精度はあとからついてくる
どんなデータをためればいいのか
AIプロジェクトに向いているのは「生データ+アジャイル型開発」
人間に関わることはすべてデータになる
人間にしかできない仕事にメスを入れる
Column ループを回せるデータと回せないデータ ── データ・ネットワーク効果
Chapter5 多重ループを回して圧勝する
── ダブルハーベストこそ最強の戦略
学習し続けるAIがループを回す駆動力となる
自走するループは、別のループを回す原動力にもなる
なぜダブルハーベストループが必要なのか
[ケース①]ローギークスのダブルハーベストループ
「採用」と「育成」のループが回り出す
[ケース②]モービルアイのダブルハーベストループ
[ケース③]フェイブのダブルハーベストループ
2方面作戦を成功に導くダブルハーベストループ
Column データを複数つなげれば無敵になる ── 自社しかもてないリンクデータ
Chapter6 ハーベストストーリーを実装する
── AIプロジェクトマネジメントの考え方
すべて自社開発する必要はない
ハーベストループを実装する9ステップ
[ステップ①]KPIに落とし込む
[ステップ②]推論パイプラインのデザインとプレビュー
[ステップ③]初期データの特定と準備 ── アノテーションとシンセシス
[ステップ④]初期実験とファインチューニング
[ステップ⑤]蓄積データの「型」特定
[ステップ⑥]UI/UXデザイン
[ステップ⑦]実装とデプロイ
[ステップ⑧]クオリティチェック
[ステップ⑨]実運用と継続効果検証
プロジェクトマネジャーが知っておくべきこと
AIとソフトウェアのプロジェクトマネジメントの違い
AIの成長を見込んで柔軟な契約を結ぶ
エクスペクテーション・サンドイッチ ── 挟み撃ちアプローチ
Epilogue 地球をやさしく包む「最後のループ」
── SDGsとハーベストループ
ほぼ遅延なしのリアルタイム通信が拓く未来
「好きなことを仕事に」が現実になる
AIによる最適化は「持続可能な地球」を残すところまで進む
二酸化炭素の排出権取引はどう「ゲーム」を変えたのか
おわりに AIよりも戦略よりも大事なこと 堀田 創
日本の産業は「ハーベストループ」で生まれ変わる/「どうやるか?」よりも先に自問すべきことがある/「なぜやるか?」を洗い出す2つのアプローチ/パーパスとハーベストループをつなぐ「第3の項」とは?/謝辞
著者紹介
堀田 創(ほった・はじめ)
株式会社シナモン 執行役員/フューチャリスト
1982年生まれ。学生時代より一貫して、ニューラルネットワークなどの人工知能研究に従事し、25歳で慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了(工学博士)。2005・2006年、「IPA未踏ソフトウェア創造事業」に採択。2005年よりシリウステクノロジーズに参画し、位置連動型広告配信システムAdLocalの開発を担当。在学中にネイキッドテクノロジーを創業したのち、同社をmixiに売却。
さらに、AI-OCR・音声認識・自然言語処理(NLP)など、人工知能のビジネスソリューションを提供する最注目のAIスタートアップ「シナモンAI」を共同創業。現在は同社のフューチャリストとして活躍し、東南アジアの優秀なエンジニアたちをリードする立場にある。
また、「イノベーターの味方であり続けること」を信条に、経営者・リーダー層向けのアドバイザリーやコーチングセッションも実施中。認知科学の知見を参照しながら、人・組織のエフィカシーを高める方法論を探究している。
マレーシア在住。今回が初の著書となる。
尾原和啓(おばら・かずひろ)
IT批評家
1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、グーグル、楽天の事業企画・投資・新規事業に従事。経済産業省対外通商政策委員、産業技術総合研究所人工知能研究センターアドバイザーなどを歴任。
単著に『ネットビジネス進化論』『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』(以上、NHK出版)、『モチベーション革命』(幻冬舎)、『アルゴリズム フェアネス』(KADOKAWA)、『どこでも誰とでも働ける』(ダイヤモンド社)、共著に『アフターデジタル』『ディープテック』『スケールフリーネットワーク』(以上、日経BP)などがある。
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