「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
書籍情報
- 末永 幸歩 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2020年02月
- 判型/造本:46並
- 頁数:344
- ISBN:9784478109182
内容紹介
こんな考え方…あったのか!! 論理もデータもあてにならない時代…【マティス/ピカソ/カンディンスキー/デュシャン/ポロック/ウォーホル】20世紀アートを代表する6作品だけで「アーティストのように考える方法」が手に入る! 700人超の中高生たちを熱狂させた人気授業が書籍化!!
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目次
PROLOGUE 「あなただけのかえる」の見つけ方
私たちは「1枚の絵画」すらもじっくり見られない
大人が《睡蓮》のなかに発見できないもの
「中学生が嫌いになる教科」…第1位は「美術」!?
美術はいま、「大人が最優先で学び直すべき教科」
「13歳」に戻って、思考OSをアップデートする
ORIENTATION アート思考ってなんだろう ── 「アートという植物」
つい私たちが見落とすこと ── タンポポの思考実験
アート思考を構成する「3つの要素」
「地下世界の冒険」に夢中な人たち ── 真の「アーティスト」
アート思考と似て非なるもの ── 「花職人」という道
「アート的な考え方」を体現した「知の巨人」
誰もが“アーティストのように”考えた経験がある
「正解を見つける力」から「答えをつくる力」へ
なぜ6つの「20世紀アート作品」なのか?
CLASS1 「すばらしい作品」ってどんなもの? ── アート思考の幕開け
「すばらしい自画像」を描いてみてください
「すばらしい絵」をどう選ぶのか?
「20世紀アートを切り開いた絵」は本当にうまい?
アウトプットは「鑑賞の質」を高める
妻の「公開処刑」ともいえる肖像画
「ルネサンス画家」と「20世紀アーティスト」の違い
「花職人」が目指していた「ゴール」とは?
アート界の秩序を破壊した「あるもの」
なんのために「緑の鼻すじ」を描いたのか?
「答えが変化すること」を前提にした考える技術
もう1つの視点 答えがないのに、なぜ考えるのか?
作品が稚拙なのは、技術が未熟だから?
「目に映る世界の模倣」だけが「再現」ではない
CLASS2 「リアルさ」ってなんだ? ── 目に映る世界の“ウソ”
できるだけ「リアルに」サイコロを描いてみる
「アート史上最も多作」なアーティストの代表作
「ピカソの絵にダメ出し」をしてみる
正確無比な遠近法に隠された「ウソ」
人間の視覚の頼りなさ
「模倣」ではなく「再構成」
写実的な絵画は「非現実的」である
もう1つの視点 あり得ないポーズのリアルな男たち
「鑑賞されること」を想定していない絵
「牛乳を注ぐ女」は主人の役に立てない
CLASS3 アート作品の「見方」とは? ── 想像力をかき立てるもの
「いったい、どこをどう見ればいいの?」
「どこから/そこからどう思う?」の問いで深める
「親子のクジラ」が見えますか?
「無性に惹かれる絵」を生み出す方法
アート鑑賞には「2種類のやりとり」がある
音楽を聴くとき私たちがしていること
「アートという植物」を育てるもの
もう1つの視点 「作品とのやりとり」を促すもの
なぜこんなに「情報量」に差があるのか
朝顔を摘み取ることで、そこに生まれたもの
《松林図屏風》の前に座ると、なにが起こるのか
CLASS4 アートの「常識」ってどんなもの? ── 「視覚」から「思考」へ
どこまで「常識」を脱ぎ捨てていくのか
「アートに最も影響を与えた20世紀の作品」第1位
まずは視覚だけを使う
便器を選んでサインをし、《泉》と名づけただけ
世の中を騒がせた問題作
便器を鑑賞するなんて、よほどの物好き
「この便器にもサインをしてください」
「視覚」から「思考」への最後の“ダメ押し”
もう1つの視点 デュシャン顔負けの「問題作」の茶碗
「シンプル」というよりは「お粗末」な茶碗
茶室空間から「逆算」し考えつくされた作品
CLASS5 私たちの目には「なに」が見えている? ── 「窓」から「床」へ
「気づかれていない共通点」がまだどこかにある
歴代5番目の超高額で取引されたアート作品
一風変わった描き方の先にあるもの
じつは見えていない ── 「窓」と「床」の思考実験
《ナンバー1A》が私たちに見せようとしているもの
絵画が初めて「絵画そのもの」になった瞬間
もう1つの視点 絵画のとらえ方は無数にある
「小さなアーティスト」を困惑させた問い
身体の動きを受け止める「舞台」
CLASS6 アートってなんだ? ── アート思考の極致
「どこまでがアート?」という問題
ポップなデザインの不思議な木箱
「台所洗剤」がなぜアート作品といえるのか
税関ではじかれ、カナダ行きを断念…
「なぜコピーを?」「簡単だったから」
アートという「神聖な城」は、どこにある?
もう1つの視点 「城壁」が消えた時代の美術館
「城」がないなら「貴族」かどうかは関係ない
「城壁」が消えたいま、美術館にできること
EPILOGUE 「愛すること」がある人のアート思考
「ただアーティストがいるだけ」
正解を導くだけの人、問いそのものを生む人
「愛すること」がある人は、何度も立ち直れる
おわりに
注
作品情報
参考文献
〔“大人の読者”のための解説〕「知覚」と「表現」という魔法の力(佐宗邦威)
[実践編]アート思考の課外授業!
著者
末永幸歩(すえなが・ゆきほ)
美術教師/東京学芸大学個人研究員/アーティスト
東京都出身。武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科(美術教育)修了。
東京学芸大学個人研究員として美術教育の研究に励む一方、中学・高校の美術教師として教壇に立つ。現在は、東京学芸大学附属国際中等教育学校で教鞭をとっている。
「絵を描く」「ものをつくる」「美術史の知識を得る」といった知識・技術偏重型の美術教育に問題意識を持ち、アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を展開。生徒たちからは「美術がこんなに楽しかったなんて!」「物事を考えるための基本がわかる授業」と大きな反響を得ている。
彫金家の曾祖父、七宝焼・彫金家の祖母、イラストレーターの父というアーティスト家系に育ち、幼少期からアートに親しむ。自らもアーティスト活動を行うとともに、内発的な興味・好奇心・疑問から創造的な活動を育む子ども向けのアートワークショップ「ひろば100」も企画・開催している。本書が初の著書となる。
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