日本のワインで奇跡を起こす
山梨のブドウ「甲州」が世界の頂点をつかむまで
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日本のワインで奇跡を起こす
山梨のブドウ「甲州」が世界の頂点をつかむまで
書籍情報
- 三澤 茂計 著/三澤 彩奈 著/堀 香織 構成
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2018年07月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:276
- ISBN:978-4-478-10083-7
内容紹介
「薄い」「甘い」といった日本産ワインの悪評をくつがえし世界屈指のコンクールで最高賞を連続受賞!
【伝統ワイナリーの夢を継ぎ 革新を起こす父娘の挑戦】
山梨の「甲州」が20カ国・地域で愛されるまで
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目次
はじめに 三澤彩奈
第 I 部 成長前夜 三澤茂計
第1章 “二流”の悔しさを忘れない
情熱と技術を引き継ぐ 「グレイスワイン」命名に込められた想い
外部の視点で現状を見る 社内用語ひとつから慣習を改める
「心中」を覚悟する 為替変動、消費者の嗜好変化に挑む
負の連鎖に歯を食いしばる 生産量の急激な減少
厳しい指摘から目をそらさない 恩人からの「厳しさがない」という檄文
打ち上げ花火で満足しない 仏海軍に納めるも「鯉の滝登り」とはいえない
悔しさを原動力に変える 海外で評価を得るきっかけとなった「女王」のひと言
弱みを強みに転換する 和食とのクールなマリアージュを演出
第2章 失敗が照らした新たなる道
相手の立場で考える 原料生産者との信頼と連帯を探る
本質から見直す 理想のブドウをめざして自社栽培に乗り出す
失敗から成功のヒントを得る 垣根栽培に挑戦するも花も実もつかない
互いにリスクをとって成長する 農家との全量買取契約で信頼関係をつくる
イメージやビジョンが未来を照らす 「風格」と「品位」を忘れない
第3章 貪欲に吸収する
もらった恩は次代に返す 日本ワインの評価を一変させた醸造技術
人の縁を大切にする “魔術師”が引き出した甲州のポテンシャル
挑戦するからこそ成長がある EU基準のワイン造りに挑む
頂にのぼったら見えることがある パーカーポイント取得に感じた嬉しさと悔しさ
発信する準備がみずからを研ぎ澄ます ロンドン市場からのPR戦略を練る
市場に鍛えられる 大成功に終わったハイエンド市場・ロンドンプロモーション
質と量、追うべきタイミングを誤らない めざすはブルゴーニュ型か、ボルドー型か
自立の精神を子どもに引き継ぐ 海外で学んだ子どもたちの帰還
第II部 飛躍のとき 三澤彩奈
第4章 「夢」を追い続ける
風習にとらわれない 女性では珍しい醸造家になる決心
お客様の生の声に触れる 醸造家になる背中を押してくれた出会い
世界との差を知る 引き出された甲州のポテンシャル
まずは王道を基本から学ぶ フランスへの留学で科学的な栽培・醸造を知る
志をいつも胸に 「グレイス」の名に恥じないワイン造りを
“新世界”の柔軟さを取り入れる 南アフリカの大学院で革新を体感する
第5章 新たな挑戦を恐れない
「不可能」といわれる問題に科学で挑む 再び垣根栽培への挑戦、そして苦闘
若さに甘えず経験量を倍に増やす 日本と南半球を行き来しながら武者修行
ワインメーカーたるものを学ぶ:ニュージーランド
ワインメーカーの実践学校:オーストラリア
技術以外の大切なものを教わる:チリ
30年の時の重さを実感した:アルゼンチン
産地の多様性を敬う:南アフリカ、アルゼンチン
新世界の挑戦的な姿勢を実践する:オーストラリア
ひたすら自分自身の美学を 苦節7年目、糖度20度を超え光明を見出す
奇跡は努力の末に訪れた! “デキャンタ”受賞ヴィンテージの完成
第6章 さらなる高みをめざして
冷たい洗礼にくじけない 「日本でワインが造れるの?」と言われた日々
仲間としかできないことがある ロンドンで学んだ3つの「P」
イメージを覆す突破口を開く 国際品種でも唯一無二の味を実現する
トレンドに流されすぎない “熟成した辛口”という難しい両立への挑戦
自分ならではの持ち味にこだわる グレイス ロゼ誕生のきっかけ
家族への想いが事業への真摯さにつながる 父の偉大さ、母の優しさを思う
グレイス魂を代々受け継いでいく 亡き祖父が造ったワインを味わう
スモール・イズ・ビューティフルを胸に 自分自身の位置を知る
おわりに 三澤茂計
著者
三澤茂計(みさわ・しげかず)
中央葡萄酒株式会社代表取締役社長。1948年、山梨県甲州市出身。東京工業大学卒。大手商社勤務を経て、82年に中央葡萄酒株式会社入社、89年より現任。83年には国内初となる勝沼町原産地認証ワインの第1号を醸造。2009年に海外展開を目的とした「甲州オブジャパン(KOJ)」の設立に尽力し、「甲州」という品種や産地の認知向上に貢献してきた。2014年に主力銘柄「キュヴェ三澤」で、世界で最も権威があるといわれるワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)」金賞を日本で初めて受賞した。
三澤彩奈(みさわ・あやな)
中央葡萄酒株式会社取締役栽培醸造責任者。マレーシアのワインイベントを手伝った際、自社ワインを愛飲してくれていた外国人夫婦に感激し、ワイン造りの道へ。ボルドー大学卒業後は家業に戻り、シーズンオフには南アフリカ・オーストラリア・チリ等へ武者修行に出て新たな知見を吸収、ブドウ栽培や醸造を父・茂計とともに見直してきた。スパークリングワインやロゼワインなど新たな仕込みにも挑戦し、DWWAでは2014年以来、5年連続金賞を受賞するなか、2016年は欧州勢が上位を占めるスパークリング部門でも最高賞を受賞した。
構成
堀香織(ほり・かおる)
ライター/編集者。石川県金沢市出身。武蔵野美術大学卒。雑誌『SWITCH』の編集者を経てフリーに。現在は『Forbes JAPAN』ほか、各媒体でインタビュー記事を中心に執筆中。単行本のブックライティングに、是枝裕和著『映画を撮りながら考えたこと』、横井謙太郎著・清水良輔監修『アトピーが治った。』、桂才賀著『もう一度、子供を叱れない大人たちへ』など。
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