より良き死のために
「死への準備教育」創始者が伝えたいこと
より良き死のために
「死への準備教育」創始者が伝えたいこと
書籍情報
- アルフォンス・デーケン 著/星野 和子 その他
- 定価:1540円(本体1400円+税10%)
- 発行年月:2018年04月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:248
- ISBN:978-4-478-10062-2
内容紹介
「死への準備教育」創始者が教える幸せに死ぬための哲学とは? 死を正面から取り上げることが日本でタブー視されていた50年以上前から「死の哲学」を説き続けてきた著者が、80代半ばとなり、自らの旅立ちのときを意識しつつ、私たちが身近な人や自分自身の死について準備すべきことを精神面と実生活面から教える。
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目次
第1章 だれでも死は恐ろしい
私もがん告知にショックを受けた。死を怖いと思った
死に対する恐怖は人間に必要なもの
死の恐怖を和らげる3つの方法
「死」への恐れは、「恐怖」と「不安」に分けることができる
死に対する9つの恐怖と不安
死はかつて身近だった。目を背けるうちに恐ろしいものとなった
かつては「看取り」が身近にあった
医学は進歩発展したが……
老いも死も人生の同伴者
ホスピスは「死を待つ場所」ではなく苦痛を和らげる場であり、理念である
充実した生を生きるためにホスピスへ
苦痛を総合的にケアする
だれでも死ぬときは1人ぼっち。でも、かならず最期まで寄り添ってくれるだれかがいる
自分を「迷惑な存在」と考えないで。最期まで人のために何かができるのだから
亡くなる2日前まで原稿を書き続けたジャーナリスト
笑顔を遺してくれたお母さん
あと半年の命だとしたらどう生きたいか。それを明日からやってみる
家族のために愛をこめて精いっぱい生きる
神も仏も慈悲の存在。罰を与えたり地獄に落としたりはしない
物事には連続性がある
肉体的な死の前に精神的に死んではいけない。人生の各段階に生きがいがある
「第三の人生」を考える
死について真剣に考えると精いっぱい生きようと思えるようになる
死を見つめることは生き方を見つめること
第2章 旅立つ前にやっておきたい6つのこと
自由な心で新たなステージへ歩みだそう
Ⅰ 「手放す心」を持ち新しいスタートを切ろう
「手放す心」で介護うつから抜け出せた
Ⅱ 「許せない」と思ってきた人を許し人間関係のわだかまりを解いておく
祖父を撃ち殺した兵士を許せるか
Ⅲ 家族や友人に「ありがとう」と感謝を伝える
妻への愛と思いやりを示して逝った人
「すみません」より「ありがとう」を
Ⅳ 愛する人たちに「さようなら」を告げる
父親と美しい別れの時をすごした若者
Ⅴ 遺言は家族への最後の贈りもの
身辺整理や遺言の作成はできるだけ元気なうちに
私が死後に遺したいもの
日常生活の細かいことを伝えておく
Ⅵ 自分なりの葬儀を考えて周りに伝えておく
夫に葬儀のしかたを伝えて逝った人
第3章 愛する人をどう見送るか
病名や余命の告知は慎重に。でも、ごまかさずに率直に
告知されずに亡くなった恩師
人間は最期まで豊かに成長する可能性を持っている
最期に大切なのは「Do」(何かをする)ではなく「With」(ともにいること)
「“この次”はもうないかもしれない」人に寄り添う
孤独な亡命者を看取ったことが私の進む道を決めた
見送る側からも許しと感謝を伝えて悔いのない別れを
「母を許そう」という意志を持つことで一歩踏み出した女性
最期は家で迎えたいという願いを叶える「在宅ホスピス」
「患者」ではなく「母」「祖母」のままで逝きたい
第4章 別れの悲しみを乗り越える
日本でともに活動した妹を見送り、悲しみと寂しさの時を過ごす
大切な人を見送ったあとはあせらなくていい。悲しみはゆっくりと癒やす
心の傷はどれだけ時間がたっても完全には消えない
苦しみに打ちひしがれるか、「苦しみの時」を人格的な成長につなげるか
娘の交通事故死から「遺族の会」を結成する
苦しみには意味がある
感情を無理に抑えると悲しみが深い傷になってしまう。泣きたくなったら我慢しないで泣いていい
同じ経験を持つ人とともに、小さな希望の光を見つける
喪失の苦しみは多くの人と共有できることに気づく
最愛の妻を失った男性に訪れた出会い
思い出の曲は悲しみを癒やし喜びをよみがえらせてくれる
悲しみを乗り越えるヒントは「にもかかわらず笑う」こと
「悲嘆のプロセス」12段階を知れば、悲しみはきっと乗り越えられる
「否認」の段階にとどまり続けたイギリス女王
「怒りと不当感」を抱くのも、深い愛があったから
愛する人の死を乗り越えようとするのは人生で取り組むべき大きな仕事
第5章 新しい生命の始まりを信じて
「また会う日まで」 ── 天国での再会を信じて旅立つ
死は「終わり」ではない
1粒の麦の神秘
死んだらどうなるのか? あらゆる時代、文化でいろいろな考え方がある
死後の世界を信じてみる。それは価値のある美しい冒険である
科学的な根拠がないとしても……
老人ホームで暮らす私の重要なミッションは人々のために祈ること
両親との再会を楽しみに
あとがき
著者
アルフォンス・デーケン(Alfons Deeken)
哲学博士。上智大学名誉教授、カトリック司祭。
1932年ドイツ生まれ。1959年来日。1973年、ニューヨークのフォーダム大学大学院で哲学博士の学位を取得後、再来日し、上智大学で「死の哲学」などの講義を担当。日本における「死生学」のパイオニア。1991年全米死生学財団賞、菊池寛賞、1998年ドイツ功労十字勲章、1999年東京都文化賞、若月賞などを受賞。2016年、公的活動から引退。
著書に『第三の人生』(南窓社)、『ユーモアは老いと死の妙薬』(講談社)、『よく生き よく笑い よき死と出会う』(新潮社)、『あなたの人生を愛するノート』(フィルムアート社)、『新版 死とどう向き合うか』(NHK出版)、『心を癒す言葉の花束』(集英社)など多数。
聞き書き
星野和子(ほしの・かずこ)
東京都生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て文筆活動に入り、おもに宗教、歴史、代替医療、児童文学などの分野で執筆。著書に『一からはじめる禅』(ダイヤモンド社)、『宇宙や世界を冒険した人の伝記』(学研)など多数。現在、キリスト教と仏教について学びながら、生と死、癒やし、マクロビオティックなどをテーマにした創作活動にも取り組んでいる。
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