目次

はじめに　本書を、憂える病院スタッフの皆さんに贈ります

ステップ０　理念 ── ゴールを具体的にイメージする

改善に着手する前に／ミッションを管理する／理念から道筋を考える
医療ミスを防ぐ／専門性の壁を破る／米国・メイヨークリニックに学ぶ

（実践レポート）　自発的な行動を促進する基本理念の形成
　　　　　　　　　聖隷福祉事業団（静岡県浜松市）

ステップ１　発足 ── 患者満足度向上委員会を組織する

新組織の４要点／研修よりも議論できる組織を／テクニカルスキルの限界
ノンテクニカルスキルの可能性／技術を上げて目指すもの
病院と委員会のトップは同一人物で／全部署からメンバーを出す
ブロック会議を設置する／挨拶から始めよう

ステップ２　調査 ── 患者さんの声を聞く

クレーム対策が病院の再生へ／クレームはこうして生まれる
患者さんのニーズが変わった／退院者への電話調査／全体を見通す
真実を見つける細かい設問／「はい」か「いいえ」で聞く理由
調査の結果を院内改革に活かす／データのポイント① 「５」しか見ない
データのポイント② 小数点にとらわれない／「なぜこの病院に？」を聞く
顧客の意味を広くとらえる

（実践レポート）　「隣人愛」を体現して地域のために事業を創る
　　　　　　　　　聖隷福祉事業団（静岡県浜松市）

ステップ３　内省 ── 職員の声を聞く

病院のプロフィット・チェーン／職員満足度調査を行う
「私はきちんとやっているのに」／看護師の組織ロイヤルティを高める
外注スタッフの迎え方／医師も改革に参加させる
患者満足から職員満足へ

ステップ４　始動 ── マニュアルをつくる

最初が肝心／クレームのもみ消しは最悪／クレームを個人のせいにしない
細かく教える意義／日常業務を棚おろしする／「こんなことまで」マニュアル化する

（実践レポート）　接遇マニュアルからガバナンスを建て直し一流病院へ
　　　　　　　　　上尾中央総合病院（埼玉県上尾市）

ステップ５　支柱 ── サービスリーダーの育成

改革を止めない／自分たちで行う研修／厳しい登用試験／サービスリーダーは毎年増やす

（実践レポート）　認定看護師の資格取得を支援 人材教育に力を注ぐ
　　　　　　　　　浅ノ川総合病院（石川県金沢市）

ステップ６　拡大 ── 全職員への研修

新人研修は年４回／身だしなみは想像力で／「病院なまり」にご用心！
新人以外も研修でスキルアップ／課題の回し方

（実践レポート）　多様な研修制度は自発的な姿勢から生まれた
　　　　　　　　　浅ノ川総合病院（石川県金沢市）

ステップ７　反復 ── 患者満足度向上委員会によるクレームの検討

法をつくり行う患者満足度向上委員会／タオルをめぐる改革／問題と改善を可視化する
すべてのクレームを公開／クレームの処理と蓄積／なお残る個人へのクレーム

ステップ８　応変 ── 継続的なシステムをつくる

下町の病院が生まれ変わった日／変化に強い組織へ／病院に迫る３つの変化
改革を続ける２つのヒント／外部の目を活用する／書類は改訂してこそ／夢を見続けよう

おわりに　利益を出せる病院は、もっと誇っていいのです

著者

濱川博招（はまかわ・ひろあき）
1954年生まれ。2002年経営コンサルティング会社株式会社ウィ・キャンを設立し、代表取締役に就任。顧客満足度向上、クレーム対応のスペシャリストとして、医療機関、介護施設、サービス業などで実績を上げ、その実践的なコンサルティングは高い評価を得ている。現在、医療福祉機関の職員向け研修を積極的に展開している。主な著書に『できる看護主任・リーダーのコーチング術』『結局、病院のクレーム対応は最初の１分で決まる！』（共にぱる出版／共著者・島川久美子）など多数あり。