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いま世界の哲学者が考えていること

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  • 電子版

いま世界の哲学者が考えていること

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 岡本裕一朗 著
  • 定価:1760円(本体1600円+税10%)
  • 発行年月:2016年09月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:320
  • ISBN:978-4-478-06702-4

内容紹介

IT革命とBT革命が人類の未来を変える? 資本主義は21世紀でも通用するのか? 世界が再び宗教へと回帰していくのはなぜなのか? 21世紀最先端の哲学者が描き出す人類の明日とは。AI、遺伝子工学、フィンテック、格差社会、宗教対立、環境破壊……世界の難問がこの一冊でクリアに解ける

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

序章 現代の哲学は何を問題にしているのか

哲学は今、何を問うているのか
    日本で哲学は誤解されている?
  「哲学説」研究者は哲学者か
    哲学は今、何を問うのか
    モダン(近代)を問い直す
    哲学の潮目が変わった!
    本書で取り扱うこと

第1章 世界の哲学者は今、何を考えているのか

第1節 ポストモダン以降、哲学はどこへ向かうのか
    「言語論的転回」とは何か
    「真理」はどこにも存在しない
    ポストモダン以後の三つの潮流

第2節 メディア・技術論的転回とは何か
    歴史的ア・プリオリとしての言語
    メディオロジーから技術の哲学へ
    なぜメディアが哲学の対象となったのか

第3節 実在論的転回とは何か
    21世紀の時代精神とは
    人間の消滅以後の世界をどう理解するか
    「新実在論」とドイツ的な「精神」の復活?

第4節 自然主義的転回とは何か
    心を消去することはできるか
    拡張される「心」
    道徳を脳科学によって説明する
    《本章をより理解するための》 ブックガイド

第2章 IT革命は人類に何をもたらすのか

第1節 人類史を変える二つの「革命」
    SNSは独裁国家を倒して「民主主義」を実現できるのか?
    スマートフォンの存在論
    SNSは市民のためのメディアではない?

第2節 監視社会化する現代の世界
    「マイナンバー」制は監視社会を生むのか
    ITが生み出した自動監視社会
    シノプティコン—多数による少数の監視
    現代の「コントロール社会」の正体
    FacebookとGoogleの野望?

第3節 人工知能が人類にもたらすもの
    ビッグデータと人工知能ルネサンス
    人間と同等に会話できるAIは生まれるか
    フレーム問題は解決したのか

第4節 IT革命と人間の未来
    ホーキング博士の警告
    人間の仕事がロボットに奪われる
    人工知能によって「啓蒙」される人類?
    《本章をより理解するための》 ブックガイド

第3章 バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか

第1節 「ポストヒューマン」誕生への道
    人間のゲノム編集は何を意味するのか
    人体の改変をめぐる論争
    バイオテクノロジーは優生学を復活させるのか
    「トランスヒューマニズム」の擁護

第2節 クローン人間は私たちと同等の権利をもつだろうか
    クローン人間にまつわる誤解
    一卵性双生児とクローンは何が違うのか
    クローン人間の哲学

第3節 再生医療によって永遠の命は手に入るのか
    寿命革命はすでに始まっている
    不老不死になることは幸せなのか
    老化遅延と生命延長の是非

第4節 犯罪者となる可能性の高い人間はあらかじめ隔離すべきか
    犯罪者には「道徳ピル」を飲ませればいい?
    脳を見れば犯罪者が分かる?
    近代的な刑罰制度はもう役に立たないのか

第5節 現代は「人間の終わり」を実現させるのか
    BT革命が「人間」を終わらせる
    「神を殺した人間」はどこへ向かうか?
    「ヒューマニズム」の終焉
    《本章をより理解するための》 ブックガイド

第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか

第1節 資本主義が生む格差は問題か
    「近代」が終わっても資本主義は終わらない?
    「ピケティ現象」の意味するもの
    格差は経済ではなく政治問題
    格差は本当に悪なのか

第2節 資本主義における「自由」をめぐる対立
    いったい何からの「自由」なのか
    ネオリベラリズムとは何か
    自由主義のパラドックス

第3節 グローバル化は人々を国民国家から解放するか
    21世紀の〈帝国〉とは何を指すのか
    アメリカ「帝国」の終焉
    グローバリゼーションのトリレンマ

第4節 資本主義は乗り越えられるか
    仮想化する通貨
    フィンテック革命と金融資本主義の未来
    ITによって変容する資本主義
    資本主義は生きのびることができるか
    《本章をより理解するための》 ブックガイド

第5章 人類が宗教を捨てることはありえないのか

第1節 近代は「脱宗教化」の過程だった
    理性的に宗教を考える
    多文化主義から宗教的転回へ
    世俗化論から脱世俗化論へ

第2節 多様な宗教の共存は不可能なのか
    文明間の衝突は避けることができるか
    多文化主義モデルか、社会統合モデルか
    「個人的かつコスモポリタン的」な宗教は可能か
    イスラム教とヨーロッパの未来
    フランス国民がイスラム教徒の大統領を選ぶ?

第3節 科学によって宗教が滅びることはありえない
    グールドの相互非干渉の原理
    無神論者ドーキンスの宗教批判
    宗教を自然主義的に理解する
    創造説とネオ無神論
    《本章をより理解するための》 ブックガイド

第6章 人類は地球を守らなくてはいけないのか

第1節 環境はなぜ守らなくてはいけないのか
    人間中心主義は環境破壊につながるのか
    「土地倫理」と「環境倫理学」とは
    「ディープ・エコロジー」の功罪

第2節 環境論のプラグマティズム的転換
    環境保護は道徳と関係がない
    経済活動と環境保護は対立するか
    環境プラグマティズムは何を主張しているのか

第3節 環境保護論の歴史的地位とは
    リスク社会の到来
    ポストモダン化する環境哲学
    終末論を超えて
    地球温暖化対策の優先順位は?
    「環境問題」を21世紀に問い直す
    《本章をより理解するための》 ブックガイド

おわりに

注記





著者

岡本裕一朗(おかもと・ゆういちろう)
1954年、福岡に生まれる。九州大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。九州大学文学部助手を経て、現在は玉川大学文学部教授。西洋の近現代思想を専門とするが、興味関心は幅広く、領域横断的な研究をしている。
著書に、『フランス現代思想史—構造主義からデリダ以後へ』(中公新書)、『思考実験—世界と哲学をつなぐ75問』(ちくま新書)、『12歳からの現代思想』(ちくま新書)、『モノ・サピエンス—物質化・単一化していく人類』(光文社新書)、『ネオ・プラグマティズムとは何か—ポスト分析哲学の新展開』(ナカニシヤ出版)、『ヘーゲルと現代思想の臨界—ポストモダンのフクロウたち』(ナカニシヤ出版)、『ポストモダンの思想的根拠—9・11と管理社会』(ナカニシヤ出版)、『異議あり! 生命・環境倫理学』(ナカニシヤ出版)、共著に『ヘーゲル入門』(河出書房新社)、『差異のエチカ』(ナカニシヤ出版)、共訳にトマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと?—とっても短い哲学入門』(昭和堂)などがある。

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