CFOの挑戦
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CFOの挑戦
書籍情報
- 藤田純孝 著
- 定価:2530円(本体2300円+税10%)
- 発行年月:2015年09月
- 判型/造本:46上製
- 頁数:232
- ISBN:978-4-478-06510-5
内容紹介
日本企業は新しいコーポレートガバナンス思想に基づくベストプラクティスが求められている。そうした中、CFOは財務・経理担当の役割に加え、取締役や執行役を含む全体的な「経営能力・体制の整備」を総覧・総括する役割が求められるようになってきた。CFOこそ、そういう役割が最適な時代になってきたのだ。
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目次
まえがき
第1章 日本企業の経営を取り巻く最近の動向 ── コーポレートガバナンス改革
1.コーポレートガバナンスを改革する機運の高まり
2.資本効率・収益性の低さによる株式市場の低迷
3.日本的経営の特殊性と、経営者の資本コスト意識
★コーポレートガバナンスの視点からの日本企業経営の特質(特殊性)
★資本コスト・資本効率に対する企業経営者の意識
★企業と投資家の対話の重要性と日本版スチュワードシップ・コード
★コーポレートガバナンスの改革動向
★コーポレートガバナンスの設計・運営とCFOの役割
第2章 日本経済の流れと企業経営
戦後から現在までの日本経済の流れと企業経営の特徴
★戦後の復興から高度成長時代へ
★2つのショックを乗り越えた日本
★押し寄せるグローバル化の波
コラム CFO列伝①
第3章 日本のコーポレートガバナンスについて
1.コーポレートガバナンス
★コーポレートガバナンスとは
★米国のコーポレートガバナンスの特徴
2.日本のコーポレートガバナンスの基本設計
★監査役会設置型と委員会設置型
3.日本のコーポレートガバナンスの底流にある問題
①日本企業の内面的特質
②取締役・監査役選任の慣行と社長の人事権
4.独立社外取締役について
★社外取締役の独立性
★社外取締役を入れたコーポレートガバナンスが機能する前提──“執行トップの姿勢”──
5.各企業のコーポレートガバナンス体制の設計と運用にあたって
★経営の総合力、企業風土、価値観
★コーポレートガバナンスとCFO
コラム CFO列伝②
第4章 企業価値創造を推進するCFOの役割
総合商社・伊藤忠商事の経営改革
★低効率経営からの脱却を目指して経営改革を断行
★CFOとカンパニー制
★入念な準備で、一括処理に着手
★リスクキャピタル・マネジメントを導入し、成長戦略と財務体質改善を同時に推進
★事業ポートフォリオの改革
財務体質の改善
★有利子負債の圧縮を図り、新しい収益のための安定した資金調達をめざす
★「リスクキャピタルマネジメント(RCM)」
リスク総量から資産効率を評価、適正な資源配分が成長戦略を支える
★「攻めへのシフト」「守りの堅持」
守りを堅持しながらも、収益の拡大、新規ビジネス創造による攻めの姿勢にシフト
コラム CFO列伝③
第5章 企業力の再構築とCFOの役割
オムロンの企業力向上への挑戦
★センシング&コントロールを柱に
★オムロンのCFOとして
★売上高一兆円以上を目指す長期ビジョン
★利益配分の考え方
★さらなる企業力アップのために
★ガバナンス力
★経営力──ルールの再構築
★経営力──グローバル・タテヨコ経営
★財務力──規模と高収益の両立
★現場力──逆ROIC経営
★成功のための人財力
コラム CFO列伝④
第6章 CFOの実践的心得
1.CFOは戦略思考を持たねばならない
★★CFOはCEOのパートナー
★★戦略思考を持っているか
★★M&A戦略とプロジェクトプラン
2.従来型経理・財務から抜け出せ
★★経理・財務のプロからCFOへ
★★問われる情報開示能力
★★求められる脱ルーティンワーク
3.IRの取り組み
★★求められるタイムリーな情報開示
★★情報伝達システムを一本化する
4.リスク対応能力を持つ
★★リスク管理とCFO
★★危機管理意識に目覚めた?日本人
★★リスクのディスクロージャー
5.組織としてのCFO
★★組織の構成
★★CFOスタッフの教育、訓練
コラム CFO列伝⑤
第7章 ビジネスパートナーとしてのCFO
1.戦略的財務シナリオの作成と実践
★資金の調達と使い方
★最適の経営資源配分プランを練る
★価格設定プロセスへの参画
2.タックス・プランニングに留意せよ
★税務部門は戦略部門か
★タックス・プランニング実行への整備
★国際課税強化への対応策
3.グローバル化への対応
★サプライチェーン・マネジメントの構築
★急がれる国境を越えたシステムの構築
4.ベスト・プラクティスとプロセスで差をつけろ
★ベスト・プラクティスを求めて
★ベンチ・マーキング手法を活用する
★サイクル・タイムの短縮を図れ
★シェアード・サービスのメリット
★マネジメント能力が求められるアウトソーシング
コラム CFO列伝⑥
第8章 次世代CFOの育成
1.CFOのポジション
★経営ビジョンと優先順位を示せ
2.CFOを育てる教育
★もはや時代遅れのOJT
★自身の知識や技術を深めるコーチング
3.経理・財務プロセスを標準化するFASS
★経理パーソンの実務能力を測るFASS検定
★海外現地社員のスキル判定にも役立つFASS検定
★世界標準のFASS検定の今後
★事務スタッフや派遣社員にも拡げたPASS検定
★公認会計士の企業出向プログラム
★広がりだした会計士の中途採用
コラム CFO列伝⑦
第9章 リーダーシップとファシリテーション
1.戦略で負けた日本
★CFOが抱える問題点
★バブル絶頂期に日本の強みと弱みを徹底分析したアメリカ
★アメリカの対日追い落とし策
★リーダーが生まれにくい日本、リーダーを次々と輩出するアメリカ
2.企業を活性化するファシリテーション
★経営課題を解決し、リーダーを輩出するファシリテーション
★ファシリテーションのメッカ、シリコンバレー
★ファシリテーションを導入して、経営改革の突破口を開け
コラム CFO列伝⑧
あとがき
日本CFO協会について
編著者
藤田純孝(ふじた・すみたか)
1965年、神戸大学経済学部卒業、伊藤忠商事入社。95年、取締役業務部長、97年、常務取締役、99年、代表取締役専務CFO、2001年、代表取締役副社長CFO兼経営企画・財務・経理・審査担当役員、03年、代表取締役副社長職能管掌兼CFO、06年、取締役副会長、08年、相談役、11年、理事(現任)。
07年、オリエントコーポレーション社外取締役。08年、古河電気工業社外取締役(現任)。09年、日本板硝子社外取締役。10年、NKSJホールディングス社外取締役。11年、日本CFO協会理事長(現任)。12年、明治大学国際総合研究所フェロー(現任)、オリンパス社外取締役(現任)。