オープン・イノベーションの教科書
社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ
オープン・イノベーションの教科書
社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ
書籍情報
- 星野達也 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2015年02月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:280
- ISBN:978-4-478-03922-9
内容紹介
自前主義を貫くのか、それとも外部の叡智を活かすのか。日本企業はいま、生き残りを賭けた岐路に立たされている。その救世主として注目を浴びるのが「オープン・イノベーション」だ。東レ、デンソー、帝人、味の素、大阪ガスから、フィリップス、P&G、GEまで、国内外の成長企業が実行する新戦略のすべてが明かされる。
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目次
はじめに
第1章 オープン・イノベーションとは何か
大ヒットを記録したフィリップスのノンフライヤー
ノンフライヤーはオープン・イノベーションから生まれた
老舗企業の復活を賭けた社外技術の導入
大企業と中小企業、両者の強みを開発に活かす
自前主義に訪れた限界
オープン・イノベーションとは何か
P&Gはイタリア企業の優れた技術を発掘
日本の中小企業がロレアルに技術を提供
なぜオープン・イノベーションは広がっているのか
1 知識労働者の増加と分散
2 社外組織の技術力向上
3 仲介業の設立
オープン・イノベーションの誤解をひも解く
日本人はオープン・イノベーションが得意
コラム P&Gのスピンブラシ
コラム ユニリーバのデオドラントスプレー
第2章 埋もれた技術を探し出す
技術探索型オープン・イノベーションの4つのステップ
ステップ0 啓蒙活動の実施
ステップ1 社外に求める技術の選定(Want)
技術ニーズの棚卸しと優先順位づけ
技術探索の3つのフェーズ
① 研究フェーズの技術探索
② 開発フェーズの技術探索
③ 量産化フェーズの技術探索
外部に求める技術の明確化
技術を明確化する3つのアプローチ
① アプローチの洗い出し
② アプローチの深掘り
③ アプローチの洗い出しと深掘りを組み合わせる
ステップ2 技術の探索(Find)
技術探索のための4つの手法
① 自社の独自調査
② 自社HPに掲載する自社公募
③ 小規模な技術マッチング会への参加
④ 仲介業を活用したグローバルな技術公募
求める技術をいかに伝えるか
専門用語の使い方に気をつける
インセンティブ設計がカギを握る
ステップ3 技術の評価(Get)
意思決定は4週間以内に行うべき
サンプルテストのコストは自社負担
不採用時の断り方こそ重要
法務部門をいかに巻き込むか
提案書は有効活用する
ステップ4 技術の取り込み(Manage)
予算交渉は双方の納得が不可欠
こまめな進捗管理を実行
Win -Winの関係構築に工夫する
戦略に落とし込むためには「やりながら考える」
第3章 技術の探し方を5つの実践事例で学ぶ
活動の原動力には危機感がある
Case1 トップの発信力で自前主義から脱却(東レ)
「自前主義からの脱却」で再建を目指す
4つの形態でオープン・イノベーションを実施
匿名募集と実名募集を使い分ける
トップの発信が社員を本気にさせる
Case2 社長みずからが組織をつくる(味の素)
グローバルで勝ち抜くための変化
本格的な組織をつくり上げる
戦略的提携で順調に成果を生み出す
マーケティングにオープン・イノベーションを活用
なぜ味の素は成功できたのか
Case3 チームの力がトップと現場をつなぐ(大阪ガス)
推進チームがオープン・イノベーションを牽引
目的達成に向けたネットワークを構築
専門の推進チームが果たした役割
オープン・イノベーションによる意外な効用
チェンジ・リーダーが組織を変える
Case4 現場の危機感が巨大組織を動かす(デンソー)
基礎研究から始まったオープン・イノベーション
現場発のボトムアップで活動を実現
オープン・イノベーションは手段にすぎない
現場をサポートする推進チームの存在感
トップ、現場、推進チームのすべてが力を発揮
Case5 生き残るために変化は避けられない(医薬品業界)
医薬品業界を襲うさまざまな危機
水平統合と垂直統合で危機に対応
自社創薬にこだわれば生き残れない
医薬品業界から何を学ぶべきか
第4章 優れた技術を提供する
技術を持つ組織に巡ってきたチャンス
技術を価値に変える2つのアプローチ
1 売り込み型アプローチ
売り込み型アプローチの4つのステップ
① 用途仮説を考える
② 売り込み先をリストアップする
③ 売り込み
④ 結果検証と用途仮説再検討
2 提案型アプローチ
提案型アプローチの4つのステップ
① 技術募集を探す
② 提案書を送る
③&④ フィードバックを受ける・技術の磨き込み
日本の底力を世界に見せつけるとき
第5章 技術の売り方を4つの実践事例で学ぶ
大企業、中小企業、ベンチャー企業、大学、それぞれの挑戦
Case1 大企業の強みを活かした技術提供(帝人)
衣料技術を医療の世界に発信する
提案を想定して技術用途の仮説を立てる
売り込み先の選定
募集要項を作成してコンタクトする
大企業の強みを発揮する
Case2 中小企業の技術が大企業を凌駕する(ハタ研削)
世界トップ・シェアを誇る中小企業
大手企業の技術募集に挑戦
無名の中小企業が大企業に与えた衝撃
目の前の貴重な機会を見逃さない
Case3 技術力で世界と戦うベンチャー企業
(ジャパン・アドバンスト・ケミカルズ〔JAC〕)
設立当初から積極的な協業を進める
自動車メーカーの技術募集に提案
ベンチャー企業こそ海外を見るべき
Case4 四国から世界中に技術を発信する大学(香川大学)
四国・香川を拠点に世界と戦う
勝率は1割程度でもインパクトは大きい
日本の大学にとってオープン・イノベーションはチャンス
第6章 オープン・イノベーションを応用する
オープン・イノベーションの5つの可能性
1 マーケティングを兼ねた技術募集
2 途上国向けにシンプルな技術を活用
3 技術ではなくアイデアを募集
4 イノベーション・コンテストの実施
5 専門家の募集
日本のモノづくりが復権するために
おわりに
著者
星野達也(ほしの・たつや)
株式会社ナインシグマ・ジャパン取締役。一般社団法人オープンイノベーション促進協議会理事。
1972年、栃木県出身。東京大学工学部地球システム工学科卒業、同大学院地球システム工学科修了。修了後、大学院時代を過ごしたルレオ工科大学(スウェーデン)で客員研究員として研究を継続。専門はダイナマイトによる岩盤発破の最適化。1999年、三井金属に鉱山技術者として入社。2000年、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。製造業界を中心に、経営戦略策定、新規市場参入、マーケティング、コストカットなど多数のプロジェクトに従事。2006年、ナインシグマ・ジャパン設立に参画。設立後、これまでに100社以上の大手メーカーのオープン・イノベーション支援に携わる。また、国内の大学や中小企業の技術を世界に発信することにも力を入れ、大学の産学連携本部や地方の産業振興団体との連携強化にも注力している。MOT、企業内セミナーなどでの講演、学会誌への論文投稿や、日経テクノロジーオンラインでのコラム執筆などを通して、オープン・イノベーションの認知活動も積極的に行っている。
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