イェール大学集中講義 思考の穴
わかっていても間違える全人類のための思考法
イェール大学集中講義 思考の穴
わかっていても間違える全人類のための思考法
書籍情報
- アン・ウーキョン 著/花塚 恵 訳
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2023年09月
- 判型/造本:46並
- 頁数:384
- ISBN:9784478115756
内容紹介
世界最高峰の大学で、面白すぎて毎週、大講堂が「異例の大満員」。イェール大学のエリートたちがまず最初に頭に叩き込む、人の思考の「限界・パターン・脳の癖」とは? ノーベル賞研究からBTSまで、全角度から語り尽くして、学生の親兄弟にまで話題騒然! 100万部超『ファクトフルネス』共著者絶賛、伝説の授業!
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目次
INTRODUCTION わかっていても避けられない?
ありとあらゆる「思考の不具合」を探求する
イェール大学の超人気講義「シンキング」
戦略的に「論理的思考力」を向上させる
Chapter 01 「流暢性」の魔力
人はすぐ「これは簡単」と思ってしまう
「BTSのダンスを踊れる」と錯覚した訳
何度も見ると、なぜか「できる」と思ってしまう ──「流暢性効果」とは何か?
追加情報を得ると「本当らしく」思えてしまう
「言いやすい名前」のものを高く評価してしまう
「無関係な知識」で自信を持ってしまう
いくら学んでも「罠」に陥る
人は「直感」でテキパキ判断している ──「ヒューリスティック」とは何か?
「錯視」だとわかっているのに錯覚する
「ただやってみる」のが最高の対抗策
「知識の穴」を知るには?
いつもあなたの「計画」は甘すぎる ──「計画錯誤」とは何か?
タスクを「分解」すれば、現実に気づける
見積もりより「50パーセント」多く時間を確保する
本能に「楽観主義」が組み込まれている
「過去のパターン」を当てはめる
家を「リフォーム」するときはこうしなさい
Chapter 02 「確証バイアス」で思い込む
賢い人が自信満々にずれていく
「自分が正しい」と思える証拠ばかり集めてしまう
「最初の考え」に固執しているから間違える
人は論理的でも合理的でもない ──「確証バイアス」とは何か?
「エビアン」を飲んだら若返る?
ドアが閉じたのは「閉ボタン」を押したおかげ?
「モンスタースプレー」でお化けを退治する
なぜ賢明な人たちが「瀉血」をしていたのか?
確証バイアスに気づける「クイズ」
「思い込み」で人生が歪んでしまう
人は「自分のこと」がとても知りたい
「遺伝の影響」を思い込ませる実験
簡単に「疑似うつ状態」になってしまう
信じたとたん、信じたように行動し始める
「いびつな現実」が見えなくなる
不合理は「実害」を生む
完璧をめざす人より「妥協する人」のほうが幸福である
こうすれば「思考の罠」を破れる
「正反対」のことを自問する
それでもバイアスには勝てない?
「ためになるかもしれない」からやめられない
あえて「偶然」に身を委ねる
Chapter 03 「原因」はこれだ!
関係ないことに罪を着せてしまう
人はこの「手がかり」から原因を考える
原因と結果は「似ているはず」と思ってしまう ──「類似性」の手がかり
「小さな原因から大きな結果が生まれる」ことがわからない
ひとつわかると、ほかの可能性を「除外」してしまう ──「十分性」の手がかり
「お金のおかげ」と感じると、もともとのやる気がなくなる
「ジェンダーギャップ」の原因を考える
「思い込み」だけで、数学の点数が落ちた
「これがなかったら起きてなかった」で納得してしまう ──「必要性」の手がかり
「普通じゃないこと」が原因だと思ってしまう ──「異常性」の手がかり
「しなかったこと」より「したこと」のせいにしてしまう ──「行動」の手がかり
「最後に起こったこと」が原因だと思ってしまう ──「新近性」の手がかり
「ほかのことができたのに」と考えてしまう ──「可制御性」の手がかり
つらい難問「なぜ私なのか?」
だから「嫌なことばかり」考えてしまう
「他人の目」で状況を観察する
「たったひとつの答え」を追求しない
Chapter 04 危険な「エピソード」
「こんなことがあった」の悪魔的な説得力
エビデンスより「友だちの話」を信じてしまう
「データサイエンスの思考法」で考える
データは多ければ多いほどいい ──「大数の法則」とは何か?
「身元のわかる犠牲者」の絶大な影響力
こうすれば、もっとデータを信じたくなる
幸運は永久には続かない ──「平均への回帰」とは何か?
「ジンクス」が生まれるからくり
「完璧な記録」を持つチャンピオンはいない
「間違った原因」のせいにしてしまう ──「回帰の誤謬」とは何か?
履歴書より「面接」の印象が強くなってしまう
誤謬を避けるには「大数の法則」を利用する
ムスリムがテロを起こしたら「ムスリムは全員悪い」と思ってしまう
すべてのコアラが動物なら、すべての動物はコアラか? ──「ベイズの定理」とは何か?
「新たな証拠」をもとに、意見を更新できる方法
「キリストの奇跡」の確率を考える
「サンプル数」があまりに少ないのに、誤解してしまう
「取り出しやすい記憶」に影響される
チャレンジ問題「腫瘍を破壊せよ」
キリストの巧みな「話術」
Chapter 05 「損したくない!」で間違える
「失う恐怖」から脱するには?
人は「ネガティブな情報」に過剰に影響される ──「ネガティビティ・バイアス」とは何か?
同じことでも「切り取り方」で簡単に騙される
大学入試では「情熱が大事」は本当か?
「Aがたくさん」より「オールB」のほうが評価される
ベースが高くても結果は同じ
同じものでも「得る」か「失う」かで価値が変わる ──「損失回避」とは何か?
「得る100ドル」と「失う100ドル」の重みの違い
賢い営業マンは「喋る順番」が違う
お金を出す「タイミング」でインパクトが変わる
残酷なほど強力な効果
「自分のもの」になった瞬間、惜しくなる ──「保有効果」とは何か?
「失うこと」の痛みは、物理的な痛みである
「生物的な本能」が危険に目を向けさせる
人の選択は「切り取り方」で決まる ──「フレーミング効果」とは何か?
ポジティブな質問をするか、ネガティブな質問をするか?
「手放したくない心理」を反転させる
Chapter 06 脳が勝手に「解釈」する
なぜか「そのまま」受け取れない
「最初に思い込んだこと」を信じ続けようとする
人生ずっと信号の色を間違えていた
わかっているのに、歪めて解釈してしまう
「同じ経歴」でも差がつくのはなぜか?
ポジティブに誤認される人、ネガティブに誤認される人
「知的な人」が陰謀論にはまる理由
「詳しい情報」で、むしろバイアスが強まった
「推論能力」が高ければ、間違わないか?
賢いからこそ、進んでバイアスにとらわれる
事実を「自分の考え」に一致させようとする
つねに脳が勝手に解釈している
同じものが人によって長く見えたり短く見えたりする理由
脳が解釈しなければ、「人生のすべて」がカオスになる
あなたは絶対にバイアスを止められない
「考えが正反対」の相手を変えられるか?
Chapter 07 「知識」は呪う
「自分が知っていること」はみんなの常識?
あなたの「皮肉」は実は全然通じていない
「声の調子」を調整しても、伝わらない
「夫婦」でも「赤の他人」でも理解度は同じ
「自分の持っている情報」で考えてしまう ──「自己中心性バイアス」とは何か?
知っているせいで間違ってしまう ──「知識の呪い」とは何か?
全然当たらない「曲名クイズ」
「相手にとってもわかりやすい」と思ってしまう
人は全然「相手の視点」から考えない
どうしても「自分の視点」にこだわってしまう
「英語」と「広東語」では結果が違った
最低限のレベルで「他人の考え」を理解できるようになる
子どもが嘘をつけない理由
「他者の立場」になって考えてみる
「もっと理解してくれてもいいのに……」は叶わない
「わかるようになった」と思った人もなっていなかった
私たち夫婦は25年間、「互いを誤解」していた
「小説」を読むと人の気持ちがわかるようになる?
いちばん確実なのは「直接、聞く」こと
Chapter 08 わかっているのに「我慢」できない
人はどうしても不合理に行動する
「いまの50ドル」と「明日の50ドル」では価値が違う? ──「遅延割引」とは何か?
同じことでも「先の話」となると考え方が変わる
「30分後」のピザすら待てない
「嫌なこと」も未来にやるほうがラクだと思ってしまう
必死に我慢しても「衝動」に抗えない
「注意をそらす」と、鳩も待てるようになる
「不確かなこと」があると、頭がうまく働かなくなる
人は「確実性の高い」ことを極端に好む ──「確実性効果」とは何か?
あなたの選択には「一貫性」がない
「0パーセント」と「1パーセント」を大違いに感じる
自分に「力がある」と感じた状況を想像する
未来は「距離が遠い」から軽視する
先のことを「できる限り具体的」に想像する
やるべきことを「追求」しすぎてしまう
自動的に「目の前の山」を登り続けてしまう
自己管理レベルが高いほど早く老化する?
完璧主義だと「難しいこと」ができなくなる
結果だけを見るな、過程を楽しめ
最後に
謝辞
訳者あとがき
参考文献
著者
アン・ウーキョン(Woo-kyoung Ahn)
イェール大学心理学教授。イェール大学「シンキング・ラボ」ディレクター。イリノイ大学アーバナシャンペーン校で心理学の博士号を取得後、イェール大学助教、ヴァンダービルト大学准教授を経て現職。2022年、社会科学分野の優れた教育に贈られるイェール大学レックス・ヒクソン賞を受賞。本書のもととなったイェール大学の講義「シンキング」は1年で450名もの学生が受講、イェールでもっとも人気のある授業のひとつとなり、その学際的なスコープと、専門知識に加えて日常での批判的思考スキルを養成できることが広く賞賛された。著者の思考バイアスに関する研究は、米国国立衛生研究所の支援を受けている。米国心理学会および米国科学的心理学会フェロー。ハーバード大学、テキサス大学オースティン校、ペンシルベニア大学、タフツ大学などで学術講演を行い、その研究成果はNPR、ニューヨーク・マガジン、ハフポストなどのメディアで注目を集めている。
訳者
花塚恵(はなつか・めぐみ)
翻訳家。福井県福井市生まれ。英国サリー大学卒業。英語講師、企業内翻訳者を経て現職。主な訳書に『脳が認める勉強法』『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』(ともにダイヤモンド社)、『LEADER’S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器』(東洋経済新報社)、『THE POP-UP PITCH 最もシンプルな心をつかむプレゼン』(かんき出版)などがある。
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