世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門
世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門
書籍情報
- 山中俊之 著
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2022年02月
- 判型/造本:46並
- 頁数:344
- ISBN:9784478112045
内容紹介
人種差別、格差問題、ナショナリズムの台頭、難民問題、経済摩擦、紛争…。世界で起こるさまざまな事象の根本には人種や民族の問題がある。グローバル化が進み、多様性の時代となるなかで、民族の知識はもはや必須教養となった。世界96カ国で学んだ元外交官が多くの取材や実体験からまとめた世界の民族の超入門書。
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目次
Prologue
民族について理解すれば「世界のコンテクスト」が読み取れる
世界史とは民族問題の歴史である
「イギリス人はみなイギリス人」ではない
イギリスのEU離脱も民族問題
イーロン・マスクはアメリカ人?それともアフリカ人?
「民族偏差値」が世界最低の日本人
民族を理解しないとポストコロナ世界を生き抜けない
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に学ぶエンパシー
I .教養としての民族 グローバルエリートの頭のなかには「民族の世界地図」がしっかり入っている
第1章 民族とは何か 周辺概念の整理と理解
日本代表の顔ぶれから見えてくる多様性の時代
「民族=人種」ではない
民族より人種にこだわるアメリカ
「民族=国籍・国民」ではない
フランス革命で「国民」という意識が生まれた
幕末に「日本民族」が誕生した?
第2章 民族を「言語・文化・宗教」で定義する 多様性の時代の必須教養
民族とは文化的なものである
言語と文化はニワトリとタマゴ
語族の基礎の基礎を押さえておく
日本語はどこに属するのか
文化・思想・政治に影響を及ぼす宗教
ポリティカル・コレクト ── 日本人が踏みがちな地雷を知っておく
II .混沌としたアジア これからますます「中国の影響力」が大きくなるエリア
第3章 東アジア East Asia 漢民族と非漢民族の交流と相克の歴史
中国は漢民族と非漢民族で構成される「一強多弱国」
「支配される側」だった漢民族が最強となった2つの理由
他民族との融合で形成された中国文化
異民族の圧迫を受けてきた華北と漢民族の文化が花開いた華南
チベットとウイグル ── 国際政治を揺るがす中国の二大非漢民族への抑圧
民族問題の縮図 ── ウイグル人
漢民族化が進むチベット
史上最大の超大国モンゴルの影響は今も世界各地に残る
周辺国に100回以上侵略されてきた朝鮮半島
香港人は漢民族だけれど…
中華民族は、世界一気前がいい?
プラクティカルな思考の要因は儒教
台湾と中国をセットで考えてはいけない
第4章 東南アジア South east Asia 少数民族・少数宗教を抱える民族・宗教のるつぼ
フィリピンは宗教で別の民族になった
シンガポールは民族融和のモデルケース
言語で多民族を統一したインドネシア
中国はベトナムを支配し、ベトナムは漢字を受け入れた
中国系、インド系、山岳系、マレー系など多様な民族構成のタイ
ロヒンギャ問題の根底にあるミャンマーの民族主義
第5章 南アジア South Asia 多様な側面があるインド文化の世界
東洋、西洋、イスラムが共存する世界の「中洋国家」インド
単一言語で討論ができないインドの国会
北部アーリア系と南部ドラヴィダ系
職業選択や結婚にも影響するカースト制度
ハングリー精神は言語格差を超えていけるか?
ジェンダー平等にも格差あり?
グローバル時代のリーダーになれるポテンシャル
宗教が理由で分裂した南アジアの国々
III.抗争と統合のヨーロッパ なぜ、「民族の壁」を越えてEUは誕生できたのか?
第6章 西ヨーロッパ Western Europe 植民地支配で世界の民族問題を生み出す
支配し支配され通婚し、相互交流が深いヨーロッパ
イギリスは4つの国の連合王国
イギリスの通婚、支配、勢力争いの影に宗教があった
アイルランドの民族宗教抗争1000年史
旧植民地や海外県など広大なフランス語圏を擁するフランス
政教分離はフランスのドグマ
フランスの「自由についての課題」
「ゲルニカ」から読み解く、多民族国家スペインの複雑な問題
中央集権と地方分権のバランスが取れたイタリア
イタリアの拡大家族の強いつながり
「地方分権による切磋琢磨」が優れた芸術家・哲学者を生んだドイツ
分権、独裁、分権がドイツの歴史
北欧の民族問題、サーミ人差別も忘れてはならない
ヨーロッパ屈指の名家だったハプスブルク家とは?
第7章 東ヨーロッパ Eastern Europe ドイツとロシアの間で揺れた民族
スラブ系とラテン系で構成される民族
ドイツとロシアの狭間で苦しんだポーランド
「ハンガリーはアジア系、東ヨーロッパの国」は時として地雷に
“消えた国ギリシャ”が東ヨーロッパとロシアに正教を伝播
旧ユーゴスラビアはヨーロッパと中東の縮図
意外と知られていない、東ヨーロッパに残るオスマン帝国の影響
第8章 ロシア・旧ソ連 Russia & Former Soviet Union ヨーロッパとアジアの両面を有する
リーダーシップがある人材はロシアで活躍できない?
西ヨーロッパへのコンプレックスと、外国支配への恐怖心
方言がない教養人の国・ロシア
ロシアのライバルであり旧本家でもあるウクライナ
大国に吞まれたクリミアとチェチェンの反発
コーカサスと中央アジアが抱く遺恨とアルメニアのディアスポラ
ロシアに蹂躙されてきたバルト3国
ロシアは他民族に寛容?シベリア地域に多数住むアジア系
江戸時代日本からの漂流民の足跡 ── これからのロシアと日本
IV.分断の悲劇で苦しむ中東・アフリカ 「宗教」と「民族」が混ざりあうややこしい地域
第9章 中東 Middle East 誇り高きアラブ、トルコ、イランの3民族
実は民族のるつぼでは「ない」中東
「中東は遠い国で関係ない」とする日本メディア
中東最古の歴史を誇り1000年以上も覇権を維持したペルシャ民族
西と東、宗教と民族が渾然一体となったトルコ
国家を持たない最大の民族クルド人
実はかなり難しい「アラブ人」の定義
イスラム教徒を生んだアラブ人のプライド
伝統の地にできた若い国サウジアラビア
北アフリカに広がるフランス風味のアラブ文化
気がつけばアラブの中心 ── エジプトの実力
同じアラブ人同士でも「肌の色」で人種差別がある?
シリア出身のローマ教皇も存在した
アラブ人はリモート会議が苦手かも? ── イスラム流・ウェットなビジネスマナー
ユダヤ人は民族か宗教か?全世界とイスラエルの違い
イスラエル人であるけれどアラブ人
ユダヤ人の危機管理意識を学ぶ
第10章 アフリカ Africa 多数の民族と言語が欧米列強に引き裂かれた悲劇
アフリカに住んでいる人は「アフリカ人」ではない
アフリカの民族を理解するための3つの視点
アフリカ最古の国家・エチオピアの抱える民族問題
人口大国ナイジェリアが600年抱える「民族を超えたトラウマ」
スワヒリ語でつながるケニアとタンザニアは「アフリカの成長株」
アパルトヘイトが南アフリカに残した正負の遺産
ベルギーによるコンゴへの蛮行 ── 奴隷制の爪痕はいまだ「生傷」
「アフリカの本当のタブー」とは?
政治の腐敗はウガンダだけの問題ではない
ボツワナに見るAUの未来展望
V.「新大陸」は人種のるつぼ 「先住民」と「移民」の融和と対立
第11章 北米 North America 白人VS先住民・黒人・アジア系・ラティーノの複雑さ
「インターレイシャル」はアメリカの未来を拓くのか?
人種分断の根っこは奴隷制の爪痕
アメリカ人は先祖がどの国の人でも、「アメリカ人」
孤立しながら統合されてきたネイティブ・アメリカン
アジア系がたどった苦難の歴史 ── 中国人苦力と日本人の強制収容
未来のアメリカの多数派ラティーノ
人種のサラダボウルで進むダイバーシティ
フランスの存在で多文化志向になったカナダ
第12章 中南米 Latin America 先住民文化とヨーロッパ文化の相克の歴史
「新大陸発見」ではなく「侵略」 ── 先住民VSヨーロッパの相克の歴史
中南米にあった人種的ヒエラルキーとは?
中南米の国々の人種分布を押さえておく
宗教と言語は違うが実はよく似ている中南米と中東
ブラジルの日系2世3世は何人か?
ボサノバに象徴される人種・民族が一体となったブラジルの「共存意識」
民族融和でも、経済格差が分断を生む?
第13章 オセアニア Oceania アジア化する白人国家
アジアと欧米文化がミックスした白人国家・オーストラリア
先住民の親子を引き裂いた「人種隔離政策」を忘れてはいけない
ニュージーランド・オールブラックスが「マオリ人の舞」を披露する理由
日本人が知っておきたい、ポリネシアなど大洋州の人々の過去と未来
VI.今後の世界と日本を考える 差別のない未来はやってくるのか?
第14章 日本の民族問題 日本は単一民族の国ではない
世界の民族問題を理解する第一歩は、日本の民族問題を知ること
日本の先住民族・アイヌが味わったアイデンティティ剥奪の歴史
消えないヘイトスピーチ ── 在日コリアンへの差別偏見
給食が食べられないイスラム教の子どもたち ── 急増する移民問題への対応
第15章 根強い人種差別問題 人類はこの課題を克服できるのか
大坂なおみ選手は何人か? ── 世界標準からズレている日本の「血統主義」
危機的状況で炙り出された、アメリカが抱える人種問題
差別よりも怖い分離政策
白人至上主義者の抱える貧困と絶望
忖度しすぎは逆差別?「黒人」という言葉は使ってもいい
織田信長に学ぶ、人種差別のない社会
第16章 移民・難民問題 増え続ける人の移動
グローバル化でヒト・モノ・カネが動く
移民と難民は大きく違う概念
250万人いても「お客さん」扱いのまま ── 日本の移民問題
移民をマーケティングとして考える
人類の歴史は移民の歴史
Epilogue
著者
山中俊之(やまなか・としゆき)
著述家。芸術文化観光専門職大学教授。神戸情報大学院大学教授。株式会社グローバルダイナミクス取締役。1968年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、1990年外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへ赴任。対中東外交、地球環境問題などを担当する。エジプトでは、カイロのイスラム教徒の家庭に2年間下宿し、現地の生活を実際に体験。首相通訳(アラビア語)や国連総会を経験。外務省を退職し、2000年、株式会社日本総合研究所入社。2009年、稲盛和夫氏よりイナモリフェローに選出され、アメリカ・CSIS(戦略国際問題研究所)にてグローバルリーダーシップの研鑽を積む。2010年、グローバルダイナミクスを設立。研修やコンサルティングを通じて、激変する国際情勢を読み解きながらリーダーシップを発揮できる経営者・リーダーの育成に従事。2011年、大阪市特別顧問に就任し、橋下徹市長の改革を支援。カードゲーム「2030SDGs」の公認ファシリテーターとしてSDGsの普及にも努める。2022年現在、世界96カ国を訪問し、先端企業から貧民街、農村、博物館・美術館を徹底視察。コウノトリで有名な兵庫県豊岡市にある芸術文化観光専門職大学の教員としてグローバル教育に加え自然や芸術を生かした地域創生にも注力。ケンブリッジ大学大学院修士(開発学)。高野山大学大学院修士(仏教思想・比較宗教学)。ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA、大阪大学大学院国際公共政策博士。テレビ朝日系列「ビートたけしのTVタックル」、朝日放送テレビ「キャスト」他に出演。著書に、『世界94カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』などがある。
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