知覚力を磨く
絵画を観察するように世界を見る技法
知覚力を磨く
絵画を観察するように世界を見る技法
書籍情報
- 神田 房枝 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2020年10月
- 判型/造本:A5変並
- 頁数:264
- ISBN:9784478111628
内容紹介
目のつけどころがいい人は世界をどう観ているか? データ予測、意思決定、創造的思考……あらゆる知的生産の土台となる「見えないもの」を観る力——。メトロポリタン美術館、ボストン美術館で活躍し、イェール・ハーバード大で学んだ著者が明かす、全米100校で採用された知覚力トレーニング
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目次
はじめに 観ているつもりで、見えていない私たち
第1章 すべては知覚からはじまる
── あなただけが観ている世界
私たちが見ている「個人的な世界」のポテンシャル
新しいものは「誰かの主観」から生まれる
「『すべてが何か違う』と感じるところを私は気に入った!」
「集められた知覚」が持つ爆発力
「グラスの水」からドラッカーが導き出した意味
主観的な決断は“いい加減”なのか?── LEGOのデータ分析
データ時代に問われるのは、マネジャーの「人間観」
「感じ方」を磨くと、「学び方」も磨かれる
知覚は「コントロール」できない ── 知覚と思考の差異
歴史を塗り変えた日本人の知覚 ── セイコーの「クオーツ革命」
思考力が優れているのに、なぜ活躍できない?
第2章 観察する
── 知覚力の源泉
知覚力を磨く「最も確実な方法」とは?
なぜ「独学者ダ・ヴィンチ」は、圧倒的な業績を残せたのか?
『手稿』から見えてくる「知覚重視」の痕跡
「よく観ること」への異常なこだわり
「肉眼での観察力」が「アイディアを観る力」につながる
リベラルアーツとは「幅広い教養の習得」ではない
第3章 見えない世界を観る
── マインドアイの系譜
私たちの眼は「検索モード」にとらわれている
「ゴリラ」を見落とすとき、何が起きていたのか?
「目的なく見る力」が価値を持ちはじめた
「発見」にとらわれない見方が「発見」を導いた
AIの眼はいまだに「サルと人間」を見分けられない
「人間の眼」と「機械の眼」の圧倒的な差
「知覚する脳」はコントロールできない ── 「見る」の弱点
最新脳科学とプラトンが見抜いた「真実をとらえる眼」
洞窟のなかで「見えないもの」を観てみよう
あなたのマインドアイは、どれくらい観えているか?
アインシュタインの「絵」で考える力
第4章 何を観るか
── 絵画を観察するように世界を見る技法
クロサワの圧倒的な「視覚的ストック」
「得体の知れない作品」を前にした美術史学者のように
ノーベル賞受賞者の9割以上が「アート愛好者」
経営者のアート収集は、単なる道楽ではない
生まれつき「絵を観るように」世界を見ている人たち
たった3時間で「診断する力」が13%向上する
ハーバード大も導入、アートを使った観察力トレーニング
なぜ絵画でなければならないのか── 3つのメリット
「よく観た」と言える時間は、いったいどれくらい?
あなたの観察力を試してみよう
「細部をじっくりと観る」では不十分 ── ホームズの17段の階段
私たちの知覚力を奪う「敵」とは?
「ラベルなしに観る感覚」をつかむ
第5章 どう観るか
── 知覚をブーストする4つの技術
細部にとらわれない人は、眼球をどう動かしている?── 技術①
マインドアイで「具体性に満ちた全体」をとらえる
ドラッカーが日本美術のコレクターだった理由
マネジャーは「水墨画」のように組織をとらえよ
複雑な世界に立ち向かう「組織的観察」── 技術②
レクサスを生んだ「トヨタの観察」
ブラインドスポットには「宝」が眠る ── 技術③
御社は「周縁部での変化」を見落としていないか?
イノベーターは「見えないつながり」を観る ── 技術④
絵を観るだけで「関連づける力」が高まる
第6章 知覚する組織へ
── リベラルアーツ人材の時代
共感力とは「自分の知覚を超える能力」である
「初対面の人の心」も知覚できるようになる
マッキンゼーの人材開発でも「絵画」が用いられている
なぜアップルの研修では、ピカソを観るのか?
オフィスに絵画を飾る意味
OODAループやデザイン思考も「観察」からスタートしている
どんな観察が「イノベーティブな組織」を生むのか?
トヨタ流・知覚力の磨き方── 「現地現物」
クルマの組み立てがうまいのはどっち?── 人間VS.ロボット
組織はリベラルアーツ化していく ── ジョブズの予言
企業は「教養ある知識人」など求めていない
テクノロジー部署以外にも「スター」が隠れている
グローバル企業のトップに多い「リベラルアーツ専攻」
終章 さあ、曖昧な世界「答え」をつくろう
── The Age of Perception
おわりに 太古に「未来」を知覚する
謝辞
著者
神田房枝(かんだ・ふさえ)
法人教育コンサルタント/美術史学者
ダヴィンチ研究所ディレクター
埼玉県さいたま市出身。日本航空に勤務し、同社を留学のため退職後、イェール大学大学院にて美術史学博士号取得。在学中にニューヨーク・メトロポリタン美術館でキュレーターアシスタントを務める。その後、ハーバード大学ポストドクトラルフェロー、ボストン大学講師を経て、ボストン美術館研究員となる。国際美術史学会誌『The Art Bulletin』でのリード記事を含め、多数の研究論文を発表。
現在は法人向け教育コンサルタントとして、ビジュアルIQ®アセスメントを考案。絵画をツールとしながら知覚力・思考力・コミュニケーション力を向上させるトレーニングを、企業・大学・病院に提供している。熱心な絵画コレクターでもある。
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