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エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

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エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 吉田 満梨 著/中村 龍太 著
  • 定価:1980円(本体1800円+税10%)
  • 発行年月:2023年08月
  • 判型/造本:46並
  • 頁数:264
  • ISBN:9784478110744

内容紹介

世界的経営学者、サラス・サラスバシー教授によって体系立てられた、優れた起業家の思考法「エフェクチュエーション」の日本初の入門書。不確実性の高まる社会で有用な「反・因果論」の行動様式を、エフェクチュエーションの5つの原則とともに詳細に解説。個人・企業内での活用法のヒントも紹介する。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第1章 エフェクチュエーションとは何か

サラスバシーによる熟達した起業家に対する意思決定実験
起業家的方法の発見
これまでの経営学が重視してきたコーゼーション(因果論)
エフェクチュエーションの5つの原則
「できない」理由に対する見方を変える
発見される事業機会
創造される事業機会
2つの見方が可能にする異なるアプローチ

第2章 手中の鳥の原則

あなたが手にしている1羽の鳥は、姿の見えない多くの鳥より価値がある
目的ではなく手段に基づくことのメリット
日本のハーブ市場はどのように生み出されたのか
手持ちの手段(資源)を考えるうえでのポイント
余剰資源によって生み出されたイノベーション
手持ちの手段(資源)をアイデアに変換する

第3章 許容可能な損失の原則

熟達した起業家は「命がけのジャンプ」をしたりはしない
「許容可能な損失」の範囲で行動する利点
「本当に必要な資源はどれくらいか」を考える
  ・ 新たな資源投入を必要としない行動から着手する
  ・ できるだけ一歩の幅を小さくする
  ・ 新たな資源投入が必要となるタイミングを延期する
「自分は何を失っても大丈夫か」を考える
  ・ 損失の許容可能性は自信や動機の強さに連動する
  ・ 許容不可能な損失はパートナーシップの可能性を示唆する
「行動しないことの機会損失」も考慮する
  ・ トヨタの創業者はなぜ不可能といわれた自動車産業に参入したのか
許容可能な損失に基づいた行動は成功にも結び付きやすい

第4章 レモネードの原則

不確実性の削減を重視するコーゼーション
偶発性の活用を重視するエフェクチュエーション
3種類の不確実性
予測によっては対処できない不確実性が存在する
予期せぬ事態を「手持ちの手段(資源)」として活用する
偶然がきっかけとなって生み出された科学的発見
失敗から生まれた世界的なヒット製品
出口のなかった技術が世界的なイノベーションになる
偶然を活用するための4つのステップ
・ ①予期せぬ事態に気づく
・ ②同じ現実に対する見方を変える(リフレーミング)
・ ③予期せぬ事態をきっかけに「手持ちの手段(資源)」を拡張する
・ ④拡張した手持ちの手段(資源)を活用して新たに「何ができるか」を発想する
危機的な環境変化も手持ちの手段を拡張する機会と捉える
レモネードの原則は「許容可能な損失の原則」を補完する

第5章 クレイジーキルトの原則

アイデアを事業機会へ変換する「行動」の重要性
熟達した起業家が重視するパートナーシップ
自発的な参加者を重視する
パートナーのコミットメントの形は多様である
パートナーは資源だけではなくビジョンをももたらす
キルトづくりに似たエフェクチュエーションのパートナーシップ
「藁しべ長者」のようなエフェクチュエーションのプロセス
「ほとんどの人は受話器を取って電話を掛けようとはしない」

第6章 パートナー獲得のための行動:問いかけ(asking)

パートナーに対する2つのアプローチ
コーゼーションに基づく「売り込み(selling)」
エフェクチュエーションに基づく「問いかけ(asking)」
出資を断られたことで11億円を調達する
パートナーもまた「手中の鳥」と「許容可能な損失」の範囲でコミットする
相手が経済的な見返りを求めているとは限らない
起業家的熟達の基礎としての「問いかけ(asking)」

第7章 飛行機のパイロットの原則

熟達した起業家の世界観
不確実性に対処するパイロットの重要性
世界を変えることができるのは一握りの人間か?
自らを取り巻く半径2メートルの世界を変える
パイロットが有効に機能する問題空間
コーゼーションとエフェクチュエーションの使い分け

第8章 エフェクチュエーションの全体プロセス

世界中の人々が宿泊する“氷のホテル”はどのように生まれたか
趣味から始まったラフティング体験事業
不測の事態と冬の観光資源の探索
計画通りでなかった氷のアートフェスティバル
氷のアートギャラリーからアイスホテルへ
アブソルート・ウォッカとのパートナーシップ
パートナーがもたらしたビジョンによる世界的展開
解けてなくならないアイスホテルの建築
「非予測的コントロール」によって存在しなかった市場が紡ぎ出される
5つの原則を統合してエフェクチュエーションのサイクルを回す

インターミッション

第9章 フリーランスとしてのエフェクチュエーション

コーゼーションで考案できなかった「多目的仮設空間建築」事業
2014年 パエリアとの出会い
 ── [ 手中の鳥 ] 手持ちの手段がなくても心配しない
パエリアに初めて関心を持つ
 ── [ 手中の鳥 ] 巻き込まれ力からの手持ちの手段の獲得
2016年9⽉ スペインへ
 ── [ 許容可能な損失 ] レストランのアイデアは既存のものか新しいものか
2017年 「パエリアワークショップ」誕生
 ── [ 許容可能な損失 ] 本業の経験が新たな事業を生み出した時の留意点
⼀級建築⼠から始まった仮設空間建築のプロジェクト
 ── [ 飛行機のパイロット ] エフェクチュエーションを意識した行動で大きな成果
「グリーンベース」が売れる!?
 ── エフェクチュエーター同士による [ クレイジーキルト ]
「パエリア」事業から「グリーンベース建築」事業まで
 ── リフレーミングによるエフェクチュエーション
フリーランスにとっても「関心軸」が起業家と同様に重要なわけ
 ── ナラティブで表現する関心軸の効果

第10章 企業でのエフェクチュエーションマネジメント

エフェクチュアルな人材採用
 ── エフェクチュエーター永岡さんとの出会い
プロトタイプ「地域クラウド交流会」
 ── 企画書ではない企画書
ちば起業家応援事業のチャレンジ
 ── 許容可能な損失と組織構造
ちば起業家応援事業からサイボウズとしての地域クラウド交流会へ
 ── 事業計画書を作らない経営会議での容認
地域クラウド交流会の新しい意味づけ
 ── 企業ビジョンがエフェクチュエーションを牽引する
[ レモネード ] で生まれた「ラーニングコミュニティ事業」
 ── 個人の関心によるマネジメント
PICのさらなる事業拡大へ
 ── マーケティングプランはコーゼーション? それともエフェクチュエーション?
会社でもがいても、新規事業の企画が通らない!?
 ── あなたはどうしますか?

おわりに

引用文献リスト





著者

吉田満梨(よしだ・まり)
神戸大学大学院経営学研究科准教授。神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(商学博士)、首都大学東京(現東京都立大学)都市教養学部経営学系助教、立命館大学経営学部准教授を経て、2021年より現職。2023年より、京都大学経営管理大学院「哲学的企業家研究寄附講座」客員准教授を兼任。専門はマーケティング論で、特に新市場の形成プロセスの分析に関心を持つ。主要著書に、『ビジネス三國志』(共著、プレジデント社)、『マーケティング・リフレーミング』(共著、有斐閣)など、共訳書に『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』(碩学舎)など。

中村龍太(なかむら・りゅうた)
1964年広島県生まれ。日本大学生産工学部卒業後、1986年に日本電気入社。1997年マイクロソフトに転職し、いくつもの新規事業の立ち上げに従事。2013年、サイボウズとダンクソフトに同時に転職、複業を開始。さらに、2015年にはNKアグリの提携社員として就農。現在は、コラボワークス代表、サイボウズ執行役員、自営農業のポートフォリオワーカー。2016年「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で副業の実態を説明した複業のエバンジェリストとして活躍中。著書に、『出世しなくても、幸せに働けます。』(PHP研究所)、『多様な自分を生きる働き方』(エッセンシャル出版社)がある。

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