ファイナンス思考
日本企業を蝕む病と、再生の戦略論
ファイナンス思考
日本企業を蝕む病と、再生の戦略論
書籍情報
- 朝倉 祐介 著
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2018年07月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:336
- ISBN:978-4-478-10374-6
内容紹介
日本にAmazonが生まれない理由は
目先の売上・利益にとらわれる「PL脳」にあった!
最善の意思決定をするための頭の使い方とは?
会計は「過去」を、ファイナンス思考は「未来」をみる。
変化の時代に勝てる事業を育てる“ビジネスマインド”の教科書
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目次
はじめに
第1章 PL脳に侵された日本の会社とビジネスパーソン
日本に巣食う「PL脳」とは何か
PL脳に代わって身につけたい発想法
プロジェクト的な発想で生まれた「会社」
一転、上場会社が求められる「永続性」
会社は3つの市場に評価される
ヒト・モノも「お金」で測られる
会社の戦略の組み立て方を知る
米国のGAFA成功の裏には共通項がある
成長を阻むPL脳の弊害
PLは「作れる」
売上を多く見せる
利益をかさ上げする
各社の判断に委ねられるグレーゾーン
PL脳がもたらす本質的な問題
PL脳の行動パターン① 黒字事業の売却をためらう
PL脳の行動パターン② 時間的価値を加味しない
PL脳の行動パターン③ 資本コストを無視する
PL脳の行動パターン④ 事業特有の時間感覚を勘案しない
PL脳の行動パターン⑤ 事業特有のリスクを勘案しない
第2章 ファイナンス思考なくして日本からアマゾンは生まれない
「ファイナンス思考」とは何か
ファイナンス思考の特徴① 評価軸
ファイナンス思考の特徴② 時間軸
ファイナンス思考の特徴③ 経営アプローチ
ファイナンスの4つの側面
ファイナンスは全業務に紐づく
CFOと調達屋・経理屋との違い
経営の3段階に応じたファイナンス
低成長時代にこそ必要なファイナンス思考
変化に対応する不確実性のマネジメント
「現在地」でなく「目的地」を知るための考え方
第3章 ファイナンス思考を活かした経営 事例:アマゾン、リクルート、JT、関西ペイント、コニカミノルタ、日立製作所
アマゾン:赤字、無配続きでも、積極投資を可能にしたIR
資金調達の絶妙な使い分け
CCCの工夫で手元のキャッシュを最大化
果敢な投資実績
リクルート:得意分野に特化し、M&Aで海外市場を開拓
海外展開を見すえ、ガバナンスを改革
過去には失敗も多かったM&A歴
目利き力と長期的な視点で、実現したインディード買収
カニバリズムを恐れぬ姿勢
ユニット経営を買収先にも活用
JT:ジリ貧の危機感から、グローバル化へ一直線
M&A、成長投資で海外事業も順調に拡大
資源配分や管理手法も見直し
事業の合理化も断行
関西ペイント:資本力と地道なIRで、自動車1本足打法から脱却
BtoBとBtoC両立への挑戦
コニカミノルタ:背伸びせず、事業ポートフォリオ経営を徹底
脱フィルム事業の苦難
日立製作所:“ラストマン”の下、不退転の構造改革を断行
グループ経営最適化を模索してきた歴史
史上最大の赤字から、聖域なき改革へ
バトンタッチした中西社長が進めたグループ内外の再編
第4章 PL脳に侵された会社の症例と末路
1 最もシンプルな症状「売上至上主義」
売上至上主義の3つの原因
携帯端末競争で総崩れとなった日本勢
ダイエーの「売上はすべてを癒す」は今は昔か?
2 会計知識があっても陥る「利益至上主義」
「営業利益」をかさ上げする
日本企業が買収先を探すときの悪いクセ
日本企業で珍しくのれん償却を恐れないサントリー
なんとしても守りたくなる「最終利益」
column 伊藤忠vsグラウカス
3 会社の実態から目を背ける「キャッシュフローの軽視」
運転資本の増加は黄信号
子会社管理が甘くなる
4 黒字事業でありがちな「バリューの軽視」
その事業は自社の価値向上に貢献するのか?
シャープの液晶テレビ関連事業の過大投資
日立のハードディスク事業売却
5 つい目の前の見栄えが気になる「短期主義」
東芝のPC事業にみる不正会計問題
短期主義を避けるためのMBO
事業ポートフォリオ再編をめざすデル
大型設備投資のため実施したUSJ
column スタートアップが陥るPL脳の特徴
第5章 なぜPL脳に陥ってしまうのか
1 高度経済成長期の成功体験が染みついている
ネズミ講に似た日本的経営
2 日本の会社でますます進む役員の高齢化
3 間接金融中心の金融システム
銀行内審査ではいまだに最終損益が重視される
バブル崩壊で迎えた行き詰まり
4 PLのシンプルなわかりやすさ
5 企業情報の開示ルール
6 メディアがあおる影響
おわりに
特別付録 これだけは押さえておきたい! 会計とファイナンスの基礎とポイント
I 会計の基礎
II ファイナンスの基礎
著者
朝倉祐介(あさくら・ゆうすけ)
シニフィアン株式会社共同代表
兵庫県西宮市出身。競馬騎手養成学校、競走馬の育成業務を経て東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務。東京大学在学中に設立したネイキッドテクノロジーに復帰、代表に就任。ミクシィへの売却に伴い同社に入社後、代表取締役社長兼CEOに就任。業績の回復を機に退任後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、政策研究大学院大学客員研究員。ラクスル株式会社社外取締役。株式会社セプテーニ・ホールディングス社外取締役。Tokyo Founders Fundパートナー。2017年、シニフィアン株式会社を共同設立し、現任。
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