こうして、世界は終わる
すべてわかっているのに止められないこれだけの理由
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こうして、世界は終わる
すべてわかっているのに止められないこれだけの理由
書籍情報
- ナオミ・オレスケス 著/エリック・M・コンウェイ 著/渡会圭子 訳
- 定価:1540円(本体1400円+税10%)
- 発行年月:2015年06月
- 判型/造本:46上製
- 頁数:152
- ISBN:978-4-478-06481-8
内容紹介
時は2393年、世界はかつての面影をほとんど残していない——。本書は、世界崩壊の300年後からいまの世界を俯瞰するという斬新なアプローチを採用することで、従来のノンフィクションの手法では十分に語ることのできなかった、あまりにも明白な「世界の危険な現状」を白日の下にさらすものである。
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目次
イントロダクション
──文明崩壊をシミュレーションする
第1章 これだけの手を打たなかった
──21世紀に人類が犯したミス
すべてわかっていたのに崩壊した
大気が「飽和状態」になっている
危機的レベルの温室効果ガスの影響
世界は「利益」でしか動かせない
抑えられない途上国の論理
続発する「山火事」「洪水」「ハリケーン」
2009年、逃した最後のチャンス
危機的状況でなぜ事態が悪化したのか?
第2章 エネルギーをめぐる狂騒が始まる
──熱波、人口大移動、パンデミック
「正当な自然科学者」へのバッシング
科学者の温暖化予測は「過小評価」だった
なぜ脅威を把握できなかったのか?
専門家がまともな答えを出せない構造
「誤差」があるから認めない
政治家は「時間がある」と思っていた
危険が「明白」なのに止められない
「シェールガスの狂騒」というダメ押し
北極の氷がなくなるのは「時間の問題」
もっと儲けたい政財界の「詭弁」
「ガス開発は環境にいい」の五つの噓
「気温上昇四℃」で、熱波と干ばつが常態になる
「虫の大発生」で病気が爆発的に広がる
エネルギー・インフラはすぐには変えられない
「窮余の策」がリバウンドを生む
永久凍土が解け、シロクマが絶滅する
海面上昇で、地球の「大崩壊」が起こる
「人口大移動」から全生物の七割が死ぬ
日本の遺伝子工学は世界を救うか?
太陽放射の減少が幸いする
第3章 最後の一線を越える
──こうして人類は「崩壊」を自ら選ぶ
崩壊の予測もできたし、回避のノウハウもあった
シンクタンクを「隠れ蓑」にする企業
「市場原理主義」という信仰
これが「唯一の方法」という考え方
民主的な手続きが壊れていく
理論と現実は一致しない
経済システムの「不毛な対立」
壁にぶつかった首脳たちが頼った「劇薬」
たががはずれた実業家たちの愚行
人々は政府の介入を「拒絶」した
一切の「予防策」を取らなかった
「自由」ではなかった自由市場
「一パーセント」の人間だけが自由な世界
エピローグ なぜ中国は切り抜けられたのか?
「中央集権国家」が生き残った皮肉
著者による解題
謝辞
訳者あとがき
原注
著者
ナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes)
ハーバード大学教授(科学史、地球惑星科学)。科学史の世界的権威。その世界の現状に関する知見は、アル・ゴアの『不都合な真実』の論拠の一つとなり、米上院委員会で議会証言するなど、多くの識者の注目を集めている。「サイエンス」誌に掲載された彼女の「象牙の塔を超えて」は地球温暖化否定論に対する戦いの「里程標」と言われている。エリート科学者と企業の癒着を暴いたコンウェイとの共著『世界を騙しつづける科学者たち(上・下)』(楽工社)は、世界的ベストセラーとなった。
エリック・M・コンウェイ(Erik M. Conway)
NASAジェット推進研究所所属。専門は歴史科学。「航空学から地球・宇宙科学に至る宇宙史への革新的な貢献」によってNASA歴史賞を、著書『NASAにおける大気科学』(未邦訳)によってアメリカ航空宇宙学会歴史史料賞を受賞している。
訳者
渡会圭子(わたらい・けいこ)
翻訳家。上智大学文学部卒。訳書に『フラッシュ・ボーイズ』『私たちは今でも進化しているのか?』(ともに文藝春秋)、『習慣の力』(講談社)、『スノーボール・アース』(早川書房)などがある。
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