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脳の外で考える

最新科学でわかった思考力を研ぎ澄ます技法

  • 紙版
  • 電子版

脳の外で考える

最新科学でわかった思考力を研ぎ澄ます技法

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • アニー・マーフィー・ポール 著/松丸さとみ 訳
  • 定価:2420円(本体2200円+税10%)
  • 発行年月:2022年08月
  • 判型/造本:46並
  • 頁数:560
  • ISBN:9784478114971

内容紹介

人間は頭だけを使って考えるほどバカになる。抜群のアイデアや大切な人生の答えは、「脳の外」で考えればあっという間に見つかっていく。様々な科学的研究から「脳の外」で考えることの有用性を実証した稀有な一冊。さあ、あなたも机から立ち上がり、「脳の外」の冒険を始めよう。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

人間の脳には限界がある
「脳の外」で考える方法は教えられてこなかった
「脳の外」のリソースを活かして思考を深めよう

第1部 体で思考する

第1章 感覚を使う

結果を出すトレーダーに共通するある要素
学校で教えられないからこそ、個人差が大きい内受容感覚
内受容感覚は鍛えられる
意識よりもはるかに優秀な無意識
頭で理解するより前に体が答えを知っている
意識だけに頼っていたら損をする
ボディスキャンが内受容感覚を高める
感情にラベルをつければ恐れや不安は抑えられる
認知バイアスが内受容感覚を邪魔している
体からの信号を感じて、認知バイアスから自由になる
賢い決断を下すのに役立つ、内受容感覚ジャーナル
レジリエンスが高い人の方が、内受容感覚も鋭い
軍人、消防士、警察官が実践するマインドフルネス瞑想
過剰反応を避けるのに有効な「シャトリング」
脳ではなく、体が感情を生み出している
緊張をワクワクと捉え直すだけで成果が上がる
体内の感覚に気づくと感情をうまく扱える
ボトックス注射を受つと他者の感情に鈍感になる
人とのつながりを強化するために体の能力を伸ばす
心拍数を脳に勘違いさせて、感情を自在に作る

第2章 動きを使う

人類は、動くことで進化してきた
スタンディングデスクで生産性が上がる
デジタルの世界に抜け落ちた手触り感
カーネマンが見つけた散歩の効用
終業後や休日ではなく、仕事のスキマ時間に運動する
村上春樹が実践する空白のランニング
俳優も動きがなければ、せりふを忘れてしまう
覚えたい内容と動きを結びつけると記憶に刻まれる
体を動かすと、理解度も深まる
動きをうまく活用すれば思考力も高まる
斬新な体の動きで深い学びを得る
ロールプレイをするだけで学習理解が深まる
ウォーキングがアイデアを生む
歩きながら授業をすることの驚くような効用

第3章 ジェスチャーを使う

ジェスチャーは不確かな未来に現実味を与える
なぜ人々はジェスチャーを軽んじてきたのか
私たちは口ではなく、手で会話している
親の年収によって子どもの語彙力は変わる
親の指差しと子どもの頭脳の関係
言葉よりもジェスチャーを見よ
科学者はジェスチャーをどう活用しているか
ジェスチャーは、本人の深い理解を促す
書き言葉、話し言葉よりジェスチャーが学びを深める
オンライン上で手の動きを聞き手に見せる効果
ジェスチャーを促すとテストの結果が良くなる
ジェスチャーを使って表現するから理解が深まる
聞き手も、話者のジェスチャーをうまく活かせる
ジェスチャーは外国語の学習にも役に立つ
仮想空間でもジェスチャーは有効に機能する
ジェスチャーは脳の負荷を軽減する

第2部 環境で思考する

第4章 自然環境を使う

ニューヨークのセントラルパークを訪れてホッとする理由
人間が美しいと感じる環境の正体
うつ病に効果がある自然の中のウォーキング
自然の中を歩くだけで、集中力や思考力が高まる
最短距離ではなく、自然の多い道を案内する地図アプリ
都市でも自然の多いルートを選ぶことはできる
自然の中のフラクラル構造が、人間を落ち着かせる
フラクタル模様を見ると、考える力が上がる
自然は大きな効果のある「薬」になる
職場や学校でも、屋内に植物があると集中力が高まる
グーグルも気づいていた自然光を浴びる効用
学校の周辺に緑が多い方が生徒の成績は良くなる
短時間でも、自然を見ると集中力や注意力が高まる
自然を見ると人間は自制的になる
自然の中に入ると人間はクリエイティブになる
畏怖を抱くことで、人間は社会的かつ利他的になる
宇宙飛行士が地球を見て感じた強烈な一体感

第5章 建物の空間を使う

建物や内装が脳にどんな影響を与えるのか
人の思考や行動に大きな影響を与える空間
人類はなぜ壁や個室を求めたのか
現代の職場には一人で考える個室がない
人との交流がインスピレーションを生む
オープンな職場の「音」が思考を妨害する
他者の視線を観じると仕事に集中できなくなる
プライバシーが守られたときに創造性を発揮する
プライバシーのない職場では会話が減る
「自分の場所」だと思えるとパフォーマンスが上がる
コミュニケーションから遠ざかることも大切
修道院こそ、もっとも理想的な建築物である
自分を保つために、書斎には自分らしいモノを飾ろう
ムダのないオフィスでは、むしろ生産性が下がる
空間が、偏見や排除を表現することもある
「自分も活躍できる」と思う部屋を作ることの重要性
オンライン上でも帰属意識を高めた空間は作れる
天井が高い場所にいると、人は思考が広がる
無機質で何の情報もない場所では目的を見失う

第6章 アイデアの空間を使う

空間を活用して記憶する力は、誰もが持っている
人間は場所と感情を紐づけて記憶する
空間と関連づければ記憶力は倍になる
空間を利用して心を拡張させる
ベストセラー作家が実践する空間に脳を拡張する方法
思考を形にして外に出すと、より壮大な発想ができる
ビジネスの世界でも活用される概念地図
『マイノリティ・リポート』があまりにリアルだった理由
大きなディスプレイでパフォーマンスが向上
小さなディスプレイを使うと知的能力が枯渇する
日常の詳細な日誌が、ダーウィンを進化論へ導いた
メモを取るだけで、出来事を深く処理できる
何かを注意深く観察することの効用
イラストに描き出すことで学びが深まる
目と手の「会話」が新たな発見を生む
描き出すことで、さまざまな角度から観察できる
手を動かさなければ生まれなかった世紀の発見
モノをいじりながら考えることの効用
ノーベル賞受賞の研究者だって「頭の外」で考える

第3部 人と思考する

第7章 専門家と思考する

学校版徒弟制度で落第者が減った
患者をまねることで学びを深める研修医
患者をまねた方が、共感力や理解力が養われる
教育の中心的な役割を果たしてきた模倣
産業化と印刷機が模倣に対する評価を変えた
模倣よりも独自性が評価される
ビジネスの世界で成果を出すには、まねに徹する
ZARAが成功した背景には、模倣があった
ビジネスでは、「素早い二番手」の方が成功する
模倣には圧倒的な創造力が必要である
航空業界をまねして投薬ミスを減らした医療業界
模倣者がイノベーターのように称賛される時代に
ジョブズだって、最初は模倣からスタートした
模倣できなければ、人類は今ほど繁栄しなかった
模倣の「手本」がある方が、創造性は高まる
論文や法律文書も、模倣することでうまくなる
専門家は、手順を丁寧に分解して教えるといい
特徴を大げさに伝えた方が、初心者は理解する
エキスパートの情報整理術を伝えて、学びを深める
エキスパートの視線や触覚をまねて学ぶ

第8章 仲間と思考する

仲間と議論することで知性は深まる
社会的な交流をしているとき、脳は独特の処理をする
人は、人間を相手にする方が脳が活性化する
人間は社会的に思考しているときが一番深く考えている
人は人間関係について考えると、途端に賢くなる
ティーンエイジャーに、効率的に学ばせるには
教えることは人間の本能にインプットされている
人は、他者に教えることでより深く学ぶ
人に教えるとセルフイメージが上がる
教えることでコミュニティに溶け込める
なぜ人間は、自分の考えに甘いのか
議論をすることがアカデミー賞受賞作を生んだ
対立が、学びに対するモチベーションを高める
人間はみな、生まれながらの議論好き
物語があると、人はより正確に理解を深められる
物語を知ると、人は脳内で登場人物の追体験をする
看護師同士の語り合いが医療技術を高めていく
噂話が組織の生産性や効率性を高める
成果を出すには「暗黙知」に精通すること

第9章 グループで思考する

舵を失った船内で起こった分担作業
現代のさまざまな難題に、一人で向き合えるか
怪しげだと評価されてきた「集団心」
同調して動くと、人は無意識に協力的になる
「ミツバチスイッチ」が入ると、人は超社交的になる
行進の軍事訓練が与える不思議な一体感と興奮
行動や感情をともにすれば集団の結束力は高まる
集団でいる方が注意やモチベーションは高まる
人間は、赤ちゃんのころから他者と同じモノを見ていた
集団志向が強まれば、チームは大きな成果を出せる
一緒にトレーニングを受けると集団志向は高まる
「脱出ゲーム」で組織のサイロ化を防ぐ
感情を共有すれば集団のパフォーマンスは上がる
辛いものを一緒に食べると結束力が強くなる
テクノロジーを駆使して集団志向を高めていく
ゲームの力で同僚との絆を深める
人は集団で思考するほど賢くなる
学問の世界では、チームで書いた論文が急増している
どうすれば集団の声を最大限聞き出せるのか
相手の言葉を言い換えて理解を深める
集団認知がうまくいく「共有アーティファクト」
誰がその分野に詳しいかがわかっていればいい
トランザクティブメモリがグループを強くする
お互いのトランザクティブメモリになる

まとめ

心を拡張できれば、知性や才覚を発揮できる
抽象的な思考を具体的に落とし込んで考えよう
データより体のシグナルに注目してみよう
社会的な関係性に紐づけると理解しやすくなる
脳がパフォーマンスを出せる状況を作り出そう
動かせる図形が心を拡張してくれる
「脳の外」のリソースの不平等にどう向き合う?

謝辞

原注





著者

アニー・マーフィー・ポール(Annie Murphy Paul)
科学ジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズ、ボストン・グローブ、サイエンティフィック・アメリカン、スレート、タイム、ザ・ベスト・アメリカン・サイエンス・ライティングなどに記事を掲載。著書は『Origins』(ニューヨーク・タイムズ・ブックレビューで表紙に取り上げられたほか、注目図書に選出)、『The Cult of Personality Testing』(マルコム・グラッドウェルが雑誌で「魅力的な新刊」と評価)など。米シンクタンク「ニュー・アメリカ」でバーナード・シュワルツ・フェローシップ及びフューチャー・テンス・フェローシップを歴任。現在は同団体ニュー・アメリカが、インターナショナル・コングレス・オブ・インファント・スタディーズ及びジェイコブス財団と共同で運営するプログラム「ラーニング・サイエンス・エクスチェンジ」のフェローを務める。これまでに「スペンサー・エデュケーション・レポーティング・フェローシップ」と「ロザリン・カーター・メンタルヘルス・ジャーナリズム・フェローシップ」を受ける。学習と認知について世界中で講演を行っており、TEDトークは260万人以上が視聴。イェール大学とコロンビア大学ジャーナリズム大学院を卒業後、イェール大学で講師を務め、イェール大学プアヴー教授学習センターの上級顧問を務める。


訳者

松丸さとみ(まつまる・さとみ)
翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで6年強を過ごす。現在は、フリーランスで翻訳・ライティングを行っている。訳書に『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)、『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』(サンマーク出版)、『限界を乗り超える最強の心身』(CCCメディアハウス)などがある。

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