優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか?
限界を突破するTOCイノベーションプロセス
優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか?
限界を突破するTOCイノベーションプロセス
書籍情報
- 岸良裕司 著
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2019年04月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:224
- ISBN:978-4-478-10775-1
内容紹介
ゴールドラット博士が開発したTOCの考え方にもとづく革新的なイノベーションプロセスを紹介。あらかじめ用意した質問に答えていくだけで、アイデア立案から企画提出、商品開発、市場投入までのすべてのプロセスを実践できる。周囲の協力を得ながら目標を達成できるようになる。
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目次
はじめに プロセスさえあれば、誰でも世界を変えるイノベーターになれる!
TOCイノベーションプロセス「E4V」の全体像
STEP1 価値を創る
イノベーションに欠かせないたった一つのこと
追加機能がお客様に無視されてしまう
斬新な変化は実行するのが難しく、市場もついてこない
イノベーションの価値を考える
限界の向こうにWOW!がある
WOW!と言われる価値を見つける〈3つの目〉
マイナス・マイナスの「顧客の目」
①顧客は誰ですか?
②顧客にとって重要なマイナスは何ですか?
③取り除くとWOW!という重大なマイナスはどれでしょうか?
④それは今までのどんな限界を取り除きますか?
プラス・プラスの「市場の目」
①ある要望を満たすために、あらゆる苦労を厭わない小さな顧客グループはありますか?
②彼らはどんなプラスの要望を満たそうとしていますか?
③その要望を満たすと大きなプラスの市場になると思われるのはどれでしょうか?
④それは今までのどんな限界を取り除きますか?
振り切って考える「商品の目」
①商品が構成されているパラメータは何ですか?
②それらのパラメータを大きく上下に変化させたり、なくしたり追加すると、どんな価値をもたらしそうですか?
③大きなWOW!をもたらしそうなものはどれでしょうか?
④それは今までのどんな限界を取り除きますか?
まだ世の中にない新商品の〈WOW!カタログ〉を創る
新商品のイメージを視覚化する
〈WOW!カタログ〉で周囲の評価が変わる
商品で語る中期経営計画 ── 〈WOW!ロードマップ〉
10年後の〈WOW!カタログ〉を創る
バックキャストでWOW!を積み重ねる
振り切った未来を描き、バックキャストで実現したマツダ
会社の将来を担う組織横断の〈WOW!チーム〉が出来る
引き継ぐべきは過去ではない、未来への志である
E4Vのプロセスで創ったゴールドラットの「10年後のカタログ」
STEP2 価値を伝える
「価値を創る」と「価値を伝える」は別問題
お客様の立場で商品を検証する〈変化の4象限〉
①買うことによって得られるプラスは何ですか?
②買うことによって生じるマイナスは何ですか?
③買わないことによって得られるプラスは何ですか?
④買わないことによって生じるマイナスは何ですか?
〈変化の4象限〉で既存商品のWOW!を創る
すでにある商品の価値を検証する
コストや時間をかけなくても大丈夫
よい商品だから売れるとは限らない ── 〈市場の教育〉
①何と価値を比べるのか?
②何と価格を比べるのか?
③お客様がもっとも購入したいと思う場面は?
④もっとも適した流通チャネルは?
⑤参入障壁をどうやって創るか?
⑥誰と組めばビジネスモデルを強固にできるか?
カーナビ市場でブレークスルーを起こしたパナソニック
わずか1日半のワークショップで経営幹部を驚かせたトヨタの有志たち
コラム イノベーションを妨げ、会社をダメにする迷言集
「走りながら考えろ!」
「お客様の声を聞け!」
「売れない商品を売るのが営業」
「モノづくりは人づくり」
「日々の地道な努力がイノベーションにつながる」
「銀の弾丸はない」
「失敗には理由があるが、成功には理由がない」
STEP3 実現への道のりを創る
多くの人の助けなしにはイノベーションは実現できない
事業計画を創る
成功する根拠を検証する〈仮定の検証〉
小さなスケールでテストする
〈WOW!ロードマップ〉で仮定を一つひとつ検証したマツダ
失敗を学びに変える〈ミステリー分析〉
〈ミステリー分析〉の7つの質問
①問題は何ですか?
②もともと何が起こると期待していましたか?
③それを起こすために、どんなことをしましたか?
④実際に起きてしまったことは何ですか?
⑤何が原因で思わぬ結果を引き起こしたのでしょうか?
⑥この原因を解消するうまい方法はありますか?
⑦この解消策を行うと、期待していたことが起きそうですか?
欠品と過剰在庫に悩むアパレル小売業の〈ミステリー分析〉
本来、人は失敗から学ぶことを楽しんでいる
参加メンバーの志を一つにする〈ODSC〉の3つの質問
①目的は何ですか?
②成果物は何ですか?
③成功基準は何ですか?
目標からたどって考える〈バックキャスト工程表〉
①その前にやることは何ですか?
②本当にそれだけですか?
③〇〇をしたら、△△ができるんですね?
難易度の高い開発で開発期間を短縮したマツダ
ゴールドラットジャーナルの事例
相手がYESと言わざるをえない〈断れない提案〉
会社にとっては大きな意思決定
相手が断るリスクを想定する〈抵抗の6階層〉
①取り組もうとしている問題が問題とは思えない
②解決しようとしている方向性に合意しない
③その解決策で、問題が解決するとは思えない
④その解決策を実行すると、ネガティブな問題が発生する
⑤その解決策を実行するのは、障害があるので現実的ではない
⑥知らないことに対する恐れがある
開けても閉めても心地よい窓を開発したLIXIL
日本の伝統産業に革新を起こした京都きものルネッサンス
まとめ プロセスさえあれば、誰でも世界を変えるイノベーターになれる!
参考論文
全体最適のマネジメント理論TOC
科学的理論を定義する「仮説の論理構造」とよりよい社会への可能性
著者
岸良裕司(きしら・ゆうじ)
1959年生まれ。ゴールドラットジャパンCEO。全体最適のマネジメント理論TOC(Theory of Constraints:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践。活動成果の一つとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、ゴールドラット博士の絶賛を浴び、2007年4月に国策として正式に採用された。成果の数々は国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。2008年4月、ゴールドラット博士に請われてゴールドラットコンサルティング(現ゴールドラット)ディレクターに就任し、日本代表となる。東京大学MMRC(ものづくり経営研究センター)非常勤講師。
主な著書に『全体最適の問題解決入門』『「よかれ」の思い込みが、会社をダメにする』『考える力をつける3つの道具』(以上、ダイヤモンド社)、『最短で達成する全体最適のプロジェクトマネジメント』(中経出版/KADOKAWA)、『問題解決の極意』(PHP研究所)、『子どもの考える力をつける3つの秘密道具』(ナツメ社)、監修書に『ザ・ゴール コミック版』(ダイヤモンド社)などがある。
電子書籍は下記のサイトでご購入いただけます。
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