これならわかるよ!経済思想史
これならわかるよ!経済思想史
書籍情報
- 坪井賢一 著
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2015年06月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:292
- ISBN:978-4-478-02766-0
内容紹介
「新古典派経済学」「ケインズ経済学」「マルクス経済学」は聞いたことがあるけれど、それぞれのポイントや相互関係、発展の流れ、政策との関係が今ひとつわからない…そんな悩みにお応えする1冊! 学び始めも学び直しも大歓迎です!
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目次
はじめに
第1講 3つの経済思想と3つの政治思想
──実際の政策は3つの思想のあいだを揺れ動く
経済学は意外に新しい学問だった
基本となる3つの経済思想とは?
自由主義とリベラリズム……ややこしい!
日本では共産党以外の政党の思想ははっきりしない
この50年間でも思想は揺れ動いている
第2講 古典派経済学
──経済社会の変化がアダム・スミスの自由主義を生んだ
経済学は人間を研究する学問である
重商主義を一変させたアダム・スミス
スミスが明らかにした「分業」と「市場メカニズム」
「見えざる手」は市民革命の時代を経て発見された
スミスからリカードとマルサスの時代へ
比較優位説を3人の経済学者に学ぼう
マルサスはダーウィン『進化論』にも影響を与えた
将来の意思決定においてサンクコストは無視しよう
コラム 音楽の古典派・ロマン派と産業革命
第3講 マルクス経済学
──格差に注目が集まる21世紀に復活の可能性はあるか
ピケティ以前から格差はずっと問題だった
市民革命から王制打倒運動の時代へ
『共産党宣言』の核心は扇動ではなく経済政策
マルクスは古典派の労働価値説を継承
資本主義はやがて崩壊する……
複雑だった第1次大戦下のヨーロッパ情勢
スターリンによる計画経済への道
日本の労働条件は当時のオーストリア政策がベース
第4講 新古典派経済学
──価値を決めるのは人間の欲望だ
出発点は人間の欲望を数値化すること
ドイツ語圏には「国民経済」の概念がなかった
3か国の3人がほぼ同時に限界効用理論を生んだ奇跡
「価値は満足度で決まる」効用価値説の登場
企業の生産計画も前提は収穫逓減の法則
「見えざる手」を見える化した需要・供給曲線
完全競争市場から不完全競争市場の解明へ
第1次大戦後のケインズとシュンペーター
コラム 米国に渡ったオーストリア学派の経済学者たち
第5講 ケインズ経済学
──市場には任せておけない
マクロ経済学を確立したケインズの登場
公共投資の効果を表す乗数理論
大恐慌時代にケインズの時代が始まった
ニューディール政策と『一般理論』の完成は同時だった
経済の実態を3つの側面から見る「3面等価の原則」
政府が支出しても取り返せる「乗数効果」
資本の限界効率と流動性選好
スタグフレーションを解決できなかったケインズ政策
第6講 マネタリズム
──ケインズ批判からリーマンショックまで
70年代は社会主義に存在感、80年代は新古典派が逆襲
フィッシャーからマーシャル、フリードマンへのリレー
中銀は貨幣量の伸び率だけコントロールすべし
80年代の政策に影響を与えた新自由主義
新古典派総合サミュエルソンの慧眼
日本のデフレ対策はなぜ足ぶみを続けたのか
フィッシャーに依拠するアベノミクス異次元緩和
「出口戦略」とは伝統的金融政策への回帰
急進的な自由主義者ハイエク
第7講 21世紀の経済学
──3つの経済思想は現代の課題を解決できるか
新古典派はより複雑で現実に近い条件下の分析へ
人間の裏切りを定式化した「囚人のジレンマ」
経営学にも広がるゲーム理論
歴代ノーベル賞受賞者からみる経済学のトレンド
受賞者が米国に集中している理由
主なノーベル経済学賞受賞者
「新しい古典派」と「新古典派」の違い
米国以外の英仏その他の受賞傾向
日本で経済研究が始まったのは江戸中期
日本の大学における経済学の系譜
「プア充」でもいいけれど子どもの貧困を放置できる?
おわりに もっと学びたい人のためのブックガイド
索引
著者
坪井賢一(つぼい・けんいち)
ダイヤモンド社取締役。1954年生まれ。早稲田大学交響楽団でトランペットを学び、経済学科で余暇を過ごす。78年にダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集部などで著名な経済学者数人にいじめられ、真剣に専門書を読み始める。編集長(99〜01年)等を経て現任。著書は『めちゃくちゃわかるよ!経済学』など少々。
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