僕の「天職」は7000人のキャラバンになった
マイクロソフトを飛び出した社会起業家の成長物語
僕の「天職」は7000人のキャラバンになった
マイクロソフトを飛び出した社会起業家の成長物語
書籍情報
- ジョン・ウッド:著 矢羽野薫:訳
- 定価:1760円(本体1600円+税10%)
- 発行年月:2013年03月
- 判型/造本:46上製
- 頁数:320
- ISBN:978-4-478-02289-4
内容紹介
社会起業家のバイブル『マイクロソフトでは出会えなかった天職』待望の続編。途上世界の識字率の向上に尽力するルーム・トゥ・リードの物語を通して、途上世界の教育に関する現状をいきいきと伝える。また、スターバックスよりも速いスピードで成長を続けるNPO組織の運営手法は営利・非営利問わず参考になるところ大だ。
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目次
イントロダクション
Ten Years, Ten Thousand Libraries!
10年間で1万カ所の図書館
第1章 Bold Goals Attract Bold People
大胆な目標は大胆な人を引き寄せる
第2章 A Kilogram of Gold
1キログラムの金塊
第3章 The Lottery of Life
人生の宝くじ
第4章 Blame It on Bahundanda
すべてはバフンダンダから始まった
第5章 Helping Others Help Themselves: The Challenge-Grant Model
チャレンジ・グラント・モデル──自分たちで助け合う手助けをする
第6章 GSD: Building a World-Class Team
バルマー主義で一流のチームをつくる
第7章 The Tsunami: One Year After
ツナミから1年
第8章 “No Range Rovers”: The War on Overhead
レンジローバーはいらない──経費削減戦争
第9章 Searching for Seuss
ネパールのドクター・スース
第10章 Baby Fish Goes to School
ベイビー・フィッシュ、学校へ行く──現地語出版プログラム
第11章 Sleepless in Siem Reap
南アフリカの悪夢
第12章 “I Was in Grade Two When Our School Was Burned Down”
教育が社会を再建する
第13章 “Sorry, but Your Money Has Disappeared”
CEOを卒業する
第14章 “We Picked Up the Phone to Call for Help”
ゴミ箱のなかの希望
第15章 Nine Books Last Night
「この図書館の本を全部読みます」
第16章 On Her Narrow Shoulders
小さな肩に家族の夢をのせて
第17章 Mr. X
ミスターX
第18章 Now Departing for Cambodia: Literacy One
カンボジアに向けて──リテラシー・ワン
第19章 Frantic Footsteps in the Night
恐怖の足音
第20章 The World’s Tallest Fund-raising Thermometer
世界最長の資金集めメーター
第21章 Whose Version of the Future Will Win?
公約違反
第22章 Boat to Read
ボート・トゥ・リード
第23章 “If You Cannot Read, School Can Be a Torture”
「本が読めなければ、学校は拷問だ」
第24章 “Three Completely Pregnant Cows”
テクノロジーがつなぐ想い
第25章 Mr. Poet and Miss Library
ミスター・ポエットとミス・ライブラリー
追記
謝辞
ルーム・トゥ・リード 東京チャプター七年の軌跡
訳者あとがき
あなたにも世界を変えられる
著者紹介
ジョン・ウッド(John Wood)
ルーム・トゥ・リード創設者兼共同理事長。クリントン・グローバル・イニシアチブのアドバイザリー・ボードメンバー。
コロラド大学で経営管理学修士、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院で経営管理学修士を取得。1999年にマイクロソフトのマーケティング部門の重役の座を捨て、ルーム・トゥ・リードを設立。アジアとアフリカの10カ国で600万人以上の子供に教育と読み書き能力という生涯の贈り物を届けている。バロンズ誌「寄付に見合う価値のある慈善家25人」(2回)、ファスト・カンパニー誌「社会資本家賞」(5回)、米図書館協会の会長賞などを受賞。また世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーにも選出された。現在は、ニューヨーク大学ワグナー公共政策大学院とハーバード教育大学院で教壇にも立つ。
《ルーム・トゥ・リードの実績》(2012年末現在)
学校建設 1500校以上
図書館・図書室開設 1万3600カ所以上
現地語出版プログラム 707タイトル
女子教育支援 1万7000人以上
[訳者紹介] 矢羽野 薫(やはの・かおる)
会社勤務を経て翻訳者に。主な訳書に『マイクロソフトでは出会えなかった天職』『ビジョナリーであるということ』(ダイヤモンド社)、『金星を追いかけて』(角川書店)、『ヤバい統計学』(阪急コミュニケーションズ)など。
電子書籍は下記のサイトでご購入いただけます。
(デジタル版では、プリント版と内容が一部異なる場合があります。また、著作権等の問題で一部ページが掲載されない場合があることを、あらかじめご了承ください。)
「思わず泣いた」「生き方を考えさせられた」
あのロングセラー『マイクロソフトでは出会えなかった天職』に
待望の続編が登場!
ネパールの山奥、たまたま訪れた地元の小学校で“本のない図書館"に衝撃を受けたジョン・ウッドが、マイクロソフトの経営幹部職を辞して2000年に立ち上げた「ルーム・トゥ・リード」。設立から10年以上が経ち、当初は「野心的すぎる」と言われた夢をもはるかに超えて、慈善活動の分野で最速の成長を果たし、数々の賞を受賞しているNPOのひとつとなった。
ルーム・トゥ・リード設立の経緯をまとめたジョンの処女作『マイクロソフトでは出会えなかった天職』は、日本においても学生からビジネスパーソンまで幅広い層の人々に読まれ、いまなおロングセラーとなっている。
◆
さて、ジョンの2作目となる本書は、前著の「その後」を伝える内容だ。
本作の読みどころのひとつは、スターバックスの出店スピードをもしのぐ勢いで途上国に図書館・図書室を設置する“超成長組織"のリーダーとしての、ジョンの苦悩と試行錯誤。
世界的に注目される社会起業家として数々の賞を受賞してきた実績の持ち主とはいえ、ジョンもひとりの人間だ。信じた人物に裏切られ、思わぬハプニングに泣かされ、また設立以来の「CEO」という肩書をはずす際には複雑な思いを味わうなかで、リーダーとしての自分の至らなさにいらだつことも一度や二度ではなかった。
それでも、「2015年までに子どもたちに教育機会を届ける」という途方もない目標に向かって突き進むジョンの姿は、私たち読者にとってもおおいに刺激になる。
本書はまた、ジョンとルーム・トゥ・リードの足跡をなぞりながら、途上世界の教育現場の実情をも色鮮やかに伝えてくれる。貧しい暮らしにもめげずに生きる子どもたちのエピソードではかわいらしい顔が目に浮かぶし、一方では、ベトナム戦争やクメール・ルージュ、アパルトヘイトといった途上国が抱える抑圧的な歴史についてもより深く知ることができる。もちろん、前著と同様、生身のジョンがまるでそこにいるようないきいきとした筆致とテンポは本作でも健在だ。
◆
「僕はひとつの組織のリーダーではなく、ひとつの世界規模の運動を率いる多くのリーダーのひとりでありたい」。
ひとりのリーダーの呼びかけに共感した1人ひとりが、それぞれの立場や思いに応じて自分のスタイルでできることを続けていくとき、そこに力強いグローバルな流れが生まれる——本書は、私たちにそのことを気づかせてくれる。