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クロスボーダーM&A 成功戦略

市場競争力と投資効率を最大化する実践シナリオ

  • 紙版
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クロスボーダーM&A 成功戦略

市場競争力と投資効率を最大化する実践シナリオ

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 松江英夫 著/篠原学 著
  • 定価:3520円(本体3200円+税10%)
  • 発行年月:2012年12月
  • 判型/造本:A5上製
  • 頁数:320
  • ISBN:978-4-478-02177-4

内容紹介

生き残りのため海外市場への展開を余儀なくされている日本企業にとって有効な武器となるクロスボーダーM&A。しかし、自社のM&Aを成功と評価している企業はわずか13%に止まっている。多くの障壁が立ちはだかるクロスボーダーM&Aを成功に導く方法論を、国内外企業の豊富な事例を紐解きながら解説する。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第1章 クロスボーダーM&A勝者の条件

1 なぜ今、クロスボーダーM&Aなのか
  グローバル競争を勝ち抜くために
  避けて通れないクロスボーダーM&Aへの参画

2 クロスボーダーM&Aの「成功」とは何か
  クロスボーダーM&Aの成功率
  M&Aの成否を分ける要因
  クロスボーダーM&Aにおける「成功」の定義

3 成功の評価軸としての「事業家目線」「投資家目線」
  成功を評価する2つの枠組み
  「事業家」「投資家」双方の目的達成こそ成功

第2章 戦略なきM&Aは失敗する

1 クロスボーダーM&Aは何をもたらすのか?
  グローバルでの戦いはスピードが勝負に
  戦略的M&Aがコアビジネスを強化する
  競争の舞台は国内からグローバルへ
  M&Aにより加速する自社のグローバル化
  資本の一部売却で海外企業との協業を実現
  「成長ストーリー」を実現する施策として
  【エピソード】クロスボーダーM&Aで自社ブランドを守る

2 すぐれたM&A戦略は点から線・面へとつながる
  M&Aの好循環モデルとは
  コアビジネスの確立と到達点の明確化が前提
  M&Aを組み込んだ成長ストーリーをつくる
  M&A戦略とターゲットの特定・精査

3 好循環モデルを実現する戦略をいかに立案するか
  競争相手の分析が戦略策定の第一歩
  ターゲットを調査し、シナジーを描く
  【エピソード】 Win -Winの関係構築が買収可能性を高める
  新興国リサーチにおける留意点
  戦略こそ常に立ち返るべき軸である
  【エピソード】競合の戦略にあわせて成長戦略を定義

4 M&Aの「日常化」に向けた取り組み
  M&Aチーム、M&A投資枠を常備する
  【エピソード】M&Aの本格化に向けてM&Aチームを設立
  マニュアル化を進め、ノウハウを蓄積する

5 M&Aの目的を整理する2つの軸
  先進国、新興国のどちらに進出するのか
  バリューチェーン軸による整理

6 マイナー出資やJV設立など複数の方法からスキームを選択
  買収形態はゼロベースで検討する
  【エピソード】JV解消の難しさ
  共同買収の検討も選択肢の1つ
  【エピソード】共同投資により資金の壁を突破

7 戦略的な事業売却が成長ストーリーを加速させる
  事業売却の目的は「コアビジネスの強化」
  売却は事業価値が高いうちに
  事業売却を進めやすい仕組みを組み込む
  【エピソード】戦略的売却の活用
  【事 例】わずか10年で高収益企業に変貌したシーメンス

第3章 予測不能な海外企業とのディールをどう成功に導くか

1 買収は入札形式ではなく、相対ディールを狙う
  入札ディールは高値買いを招く
  スピードを求められる意思決定
  ライバルとの競合で加熱するディールプロセス
  望ましい買収を高い確率で実現するために
  【エピソード】入札&持込案件は慎重に検討を
  なぜ相対ディールが望ましいのか
  平時からターゲット企業にアプローチする
  ターゲットの買収成功率を高めるために
  【エピソード】M&A戦略の明確化と能動的M&A

2 事業売却を成功させる戦略的シナリオ
  売却は事前準備が成否を決める
  過去実績と将来計画を準備する
  売却のバリューアップをいかに図るか
  分社化で事業価値を再定義する
  【エピソード】売却準備の重要性

3 優れたM&Aリーダーの存在がディールを成功に導く
  優れたM&Aリーダーの要件
  【エピソード】強いM&Aリーダーによって実現した事業売却
  M&Aリーダーを中心にした体制づくり

4 成功するディールの条件①デューデリジェンスと契約交渉
  迷ったときは目的に立ち返る
  デューデリジェンスの2つの目的
  契約交渉は買収後を考えて自らリードする
  【エピソード】クロスボーダーM&Aの交渉相手は手強い
  ディール中止の判断はどう下すべきか

5 成功するディールの条件②事業計画とシナジー計画
  ディール中の事業計画精査は徹底すべし
  シナジー効果をどう定量化するか
  失敗しない買収、価格交渉のあり方
  【エピソード】事業計画を共通言語とする

6 カーブアウトディールはグローバル化への入り口
  カーブアウトディールとは何か
  カーブアウトディールが持つリスクとチャンス
  【エピソード】カーブアウトディールでグローバル化を狙う

7 アカウンタビリティの成功なくしてM&Aの成功なし
  アカウンタビリティはタイミングが重要
  外部から評価されるアカウンタビリティとは
  アカウンタビリティ成功へのアプローチ
  【エピソード】M&Aの意義を理解してもらう

8 事業売却を成功に導くコミュニケーション
  売却の意味と目標整理は羅針盤になる
  売却チームの組成は成功への第一歩
  売却プロセスのコミュニケーションは慎重に
  売却先を選ぶ視点をどう持つか
  売却先との関係継続も成功への秘訣
  【エピソード】事業売却の軸がぶれると果実を失う

第4章 ポストM&Aの成功を阻む2つのギャップ

1 買収成立はM&Aのゴールではない
  多くの日本企業に共通する3つの不足感
  M&A成功のためPMIは避けて通れない現実
  PMI計画は買収成立前に策定すべきもの

2 ポストM&Aの成功を阻む2つのギャップ
  計画時とのギャップを把握する
  「計画のギャップ」回避は「買収後計画の精査」から
  【エピソード】買収後計画の精査
  「計画ギャップ」の背景にある組織上の問題

3 「計画のギャップ」をいかに解決するか
  「計画のギャップ」を解決する2つのステップ
  事業計画の見直しを行う
  【エピソード】シナジー定量化
  対象先のコミットメントを獲得する
  【エピソード】買われる側の印象を変えるDAY1直後のメッセージ
  【事 例】大型買収に見るPMIマネジメント──JT

4 「実行のギャップ」を解決するために
  "ヒト"という経営資源の最大活用こそ解決の鍵
  ガバナンスの前提となるのは共通の価値観
  「任せる」という名目の下、放置していないか
  現地マネジメントへのインセンティブの与え方
  【エピソード】効果的なインセンティブの与え方
  日本からの人材派遣をどう考えるか
  質・量ともに適切な人的リソース配置
  【エピソード】新興国でのM&Aも日本側の支援不足で減損
  【事 例】「人をかける」PMIの好例──ダイキン工業
  統合プロセスのモニタリングも不可欠
  PMIにおける投資家目線のあり方
   欠かせない経営インフラの整備
  【事 例】「家族経営」から「組織経営」の体質へ転換──パナソニック

第5章 買収側のグローバル改革こそ成功の本質

1 日本企業のグローバル化の鍵は「複合経営」にあり
  グローバル化に向けた「主語の転換」とは
  【エピソード】買収を契機にグローバルガバナンスモデルを再構築
  なぜ「複合経営」が求められるのか
  オペレーションはグローバル視点で最適化する

2 グローバル本社として発揮すべきオーナーシップ
  グローバル本社に求められる2つの役割
  風土融合は「同軸化」がキーワード
  【事 例】強みを活かし、複合経営を成功に導く──JT

3 オペレーションは強みに特化し" グローバル最適"に再編成
  事業軸はセグメント・ドミナント戦略を取る
  バリューチェーンを形成する機能別戦略
  【事 例】経営統合を機にした大胆な構造改革からグローバルな成長へ──JVCケンウッド
  新興国マーケットをどう取るか
  【事 例】新興国のマスマーケットを押さえ、一気に世界シェア首位に──ダイキン工業

4 グローバル組織は事業、機能、地域の3軸で形成する
  第1段階は国内事業・海外事業という切り分け
  【事 例】海外事業を統括するカンパニーを設立し権限を委譲──LIXIL(リクシル)
  目指すべきグローバル組織の最終形
  事業展開のスピードを上げるために
  【事 例】大型買収を梃子にグローバル組織へ移行──武田薬品工業
  オペレーションは合理的に、優れた方に合わせる

5 グローバル経営体制と人材づくりの実践
  役員、経営体制をどう構築するか
  人材の育成、登用、評価
  【エピソード】非金銭的なインセンティブがやる気を引き出す

6 ポストM&Aは経営そのもの
  M&Aを学ぶことは経営を学ぶこと
  M&Aケイパビリティ・ビルディングとは何か
  【事 例】外国企業に買収された日本企業の変革ストーリー──モリテックス
  ポストM&Aでマネジメントイノベーションを起こす
  日本企業のグローバル化は何をもたらすか
  仕組みやソリューションをグローバルに売る
  強みを活かせる日本発のグローバル化を
  【事 例】統合でイノベーションを生み出し世界で勝てる会社へ──ジャパンディスプレイ

おわりに

協力者一覧

※執筆担当 1章 松江英夫・篠原学 2・3章 篠原学 4・5章 松江英夫





著者

松江英夫(まつえ・ひでお)
デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 パートナー
Post M&Aユニットリーダー
中央大学ビジネススクール 大学院戦略経営研究科 客員教授
M&A・組織改革分野を専門に、製造業、小売、電機・ハイテク、金融など幅広い業界におけるクロスボーダーM&A、経営統合、合併、グループ再編等の大型案件を多数手がける。主な著書に『ポストM&A 成功戦略』(ダイヤモンド社)、『経営統合戦略マネジメント』(日本能率協会マネジメントセンター)、『戦略的M&Aと経営統合マネジメント』(企業研究会、共著)など。
本書では1、4、5章の執筆を担当。

篠原 学(しのはら・まなぶ)
デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 パートナー
Pre M&Aユニットリーダー
M&A戦略策定(海外進出戦略、買収戦略、売却戦略、再編戦略策定)、ターゲットスクリーニング、買収提案実行、ビジネスアドバイザー業務、クロージング支援などのプロジェクトを専門に手掛ける。近年は、日本企業によるグローバル化を狙ったクロスボーダー買収・売却案件や再編実行を数多く支援している。主な著書に『M&Aストラテジー』『M&Aファイナンシャルデューディリジェンスの実務』(清文社、共著)など。
本書では1、2、3章の執筆を担当。

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