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医者が教える 女体大全

オトナ女子の不調に効く! 自分のカラダの「取扱説明書」

  • 紙版
  • 電子版

医者が教える 女体大全

オトナ女子の不調に効く! 自分のカラダの「取扱説明書」

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 宋 美玄 著
  • 定価:1430円(本体1300円+税10%)
  • 発行年月:2020年08月
  • 判型/造本:46並
  • 頁数:208
  • ISBN:9784478110935

内容紹介

「生理痛にはあたためるのが一番」「恋愛してないと女性ホルモンが減る」「仕事をしすぎると”オス化”する」「布ナプキンは子宮にやさしい」……。それってホント??「都市伝説」に振りまわされず、自分のカラダを正しくケアする方法を、人気産婦人科医が教えます。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

Chapter1 生理のほんとう 痛みも不快も我慢しなくていい

Q.生理痛は、陣痛の練習だから我慢すべき?
A.我慢してもメリットはまったくありません。
   生理痛と陣痛はまったく関係ナシ! 痛みを我慢する意味はありません。
   日本人女性の約7割にとって生理は「痛い、つらい、面倒」なもの。
   つらい生理は、女性の「生き方、働き方」にも影響します。

Q.生理痛って子宮をあたためると軽くなる?
A.温活で痛みを少し緩和できても、根本的解決にはなりません。
   子宮は人体でもっとも冷えにくい場所にあるので、そもそも冷えません。
   痛いときの温活は気持ちがやわらぐけど、普段から温活するのは無意味。
   一番の生理痛対策は、「痛くなる前に」鎮痛剤を飲むこと!

Q.昔の女性は経血をコントロールできたんですよね?
A.経血を自分の意志で「溜めて、出す」はできません。
   昔の人も生理中は苦労していたのでコントロールできていません。
   人体の仕組みからして、経血は流れ出るのが自然。
   経血が多くて困っているなら、それは病気のサインかも!?

Q.生理前に決まってうつっぽくなる私。どこかおかしいの?
A.生理前の心身の不調は、治療の対象です。
   頭痛、倦怠感、気分の落ち込み…。PMSはすべてホルモンの仕業。
   PMDDという深刻な気分障害で自殺願望が出る人も。軽視しないで!
   自分ではどうしようもないので、自己嫌悪するのでなく、病院で相談を。

Q.ピルがいいって勧められたけど副作用が心配…。
A.副作用は心配がないレベル。女性医師も飲んでいます。
   「太る」「妊娠しにくくなる」は、まったく気にしなくていい。
   血栓のリスクはないわけではないけれど、妊娠中のほうがよほど高確率。
   多忙な女性医師の多くがピルの恩恵を受けています。

Q.面倒くさいけどナプキンがやっぱり安心ですよね?
A.生理を忘れられる最新の生理グッズ、そろっています。
   世界中で使われている「月経カップ」は漏れなし、蒸れなし、ゴミなし!
   下着がそのまま経血を受け止める!? 「経血吸収パンツ」でアクティブに。
   敏感肌の人には、「布ナプキン」という選択肢も。

Q.生理がたまにしか来ないけど、これが私のペースですよね?
A.月経不順や無月経は、身体からのSOSです!
   周期、期間、経血量が正常の範囲外だと「個性」ではなく、病気のサインかも。
   たまにしか生理が来ないのは、多嚢胞性卵巣症候群の可能性もあり。
   不妊の原因になることもあるので、将来子どもを望むなら、一度病院で相談を。

Q.生理が来ない…。30代で閉経することってありますか?
A.30代の閉経はレア。ほかに原因があるかも。
   40歳未満で閉経する「早発閉経」は、1%程度しか起きないレアケース。
   30代で生理が止まったなら、ホルモンの異常や病気の可能性も。
   40代に入ったらホルモンの分泌が乱れ、平均50歳で閉経します。

Chapter2 ホルモンのほんとう 恋愛やセックスとは関係ナシ

Q.恋愛もセックスもごぶさたなので、女性ホルモンが枯渇!?
A.女性ホルモンは恋愛やセックスの影響は受けません。
   恋愛やセックスで感じる興奮やときめきはほかの脳内物質の影響でしょう。
   女性ホルモンは自分の意志や努力で増減できるものではありません。
   大豆で女性ホルモンUPといわれますが、その量はごくわずかです。

Q.仕事しすぎたら「オス化」するって本当ですか?
A.「オス化」という現象は、医学的にはありません。
   女性にも男性ホルモンが出ますが、仕事量には左右されません。
   ヒゲやムダ毛が増えるのは、多忙で身なりを構う余裕がないからでは?
   男性ホルモンが増える病気がありますが、仕事とは関係がありません。

Q.女性ホルモンときれいとは結局無関係なんですか?
A.肌や髪のツヤもむくみやすくなるのも女性ホルモンの影響。
   エストロゲンが肌や髪のツヤを出し女性らしい身体つきを作ります。
   プロゲステロンにより生理前にむくみや過食、ニキビなどが出ます。
   女性にとってはどちらも必要なホルモン。バランスが取れていることが大事です。

Q.やせたら肌がかさかさになっちゃった!
A.体重と女性ホルモン、肌の状態は関係しています。
   女性ホルモンは、脂肪細胞からも分泌。だからぽっちゃりさんの肌はツヤツヤ!
   女性ホルモンのバランスを保つには標準体重のキープが欠かせません。
   フランスではやせ願望を助長するとして、やせすぎのモデルが活動禁止に。

Q.30代半ばをすぎて体調が悪い…。プレ更年期ですか?
A.プレ更年期という言葉はありません。更年期は40代半ば。
   更年期とは、40代半ばぐらいから女性ホルモンの分泌が急激に減る時期。
   30代で不調が出たなら、更年期と決めつけずほかの原因がないかを考えて。
   ホットフラッシュや倦怠感、うつ状態。更年期障害が出るのは、2人に1人。

Q.閉経は女性として終わりのサインなんですか?
A.女性性に変化はないけど、健康面に変化あり。
   閉経してもしなくても、自分が女性と思うのなら、いつまでも女性です。
   ホルモン補充療法をすれば、更年期からゆるやかに老年期へと移行できます。
   女性ホルモンが分泌されないと、骨や血圧など健康に幅広く影響が出ます。

Chapter3 妊活のほんとう 妊娠までの遠回りは避けよう

Q.将来、妊娠するために今のうちからできることは?
A.まずは基礎体温を記録して、排卵の有無をチェック!
   排卵がなければ妊娠はむずかしい。一度基礎体温をつけて排卵の確認を。
   ホルモンバランスを保つためにも、標準体重をキープしましょう。
   妊娠しにくくなる病気がないか、婦人科で定期的に確認!

Q.妊娠しやすくなる食べ物、生活習慣、教えてください。
A.妊活情報はデマが多いので振り回されないで!
   妊娠しやすくなる食品はありません。コーヒーも添加物も心配ナシ。
   温活は、ほどほどに。過度にあたためず自分が快適と思う状態が一番です。
   骨盤と子宮の関係、妊娠率に医学的な根拠はありません。

Q.確実に妊娠するため排卵日を正確に知りたい!
A.ピンポイントで排卵日を狙うのはお勧めしません。
   排卵日は病院で検査しても「だいたい」しかわからないものです。
   排卵日セックスは、パートナーがプレッシャーに感じるので逆効果…。
   たくさんセックスして、受精率UP! パートナーシップも育みましょう。

Q.見た目が若ければ40代でも妊娠は可能ですよね?
A.卵子の年齢は外見とは無関係。妊娠率は下がります。
   30代後半からはじまる、卵子の老化。40代の出産率は、大幅に下がります。
   30代半ばなら、先延ばしにせず具体的なライフプランを。
   高齢出産で障害児が生まれる心配は、確率を知ったうえで判断して。

Q.最終的には不妊治療すれば授かりますよね?
A.不妊治療は必ず妊娠すると保証するものではありません。
   卵子と精子が出会うまでをお手伝いするのが、不妊治療です。
   体外受精による35歳の出産率は20%弱、40代の出産率は10%以下。
   体外受精でも、卵子や精子の老化による影響は、防げません。

Q.男の子が欲しい! 確実な産み分け方法はありますか?
A.日本国内では現在、産み分けはできません。
   巷にあふれている産み分け方法は、だいたいがデマです。
   受精卵の性別を調べることは可能ですが国内ではできないことになっています。
   妊娠、出産は思い通りにはならないことが多いものです。

Chapter4 子宮のほんとう 定期的なチェックで病気を防ぐ

Q.出産未経験だと婦人科の病気になりやすい?
A.現代においては出産経験の有無と病気のなりやすさは無関係。
   若い女性にも多い子宮内膜症は生理の回数の多さと関係しています。
   1〜2人の出産では、生涯の生理の回数は大差ありません。
   現代は出産未経験でもピルを飲めば病気の予防ができます。

Q.生理痛がひどくて鎮痛剤を手放せないけど大丈夫…?
A.強い痛みがつづくなら子宮内膜症かもしれません。
   子宮内膜症は、よくある病気。10人に1人にあるといわれています。
   症状は生理痛のほかにも、排便痛、性交痛、腰痛などがあります。
   卵巣にできると「チョコレート嚢胞」ができることも。不妊の原因になります。

Q.子宮に筋腫があるといわれましたが何もしなくてもいい?
A.大きさや場所、症状によるので定期的に受診を。
   30歳以上の女性の20〜30%は子宮に筋腫があるといわれています。
   場所や大きさ、数、大きくなるスピードによって対処や治療も変わります。
   赤ちゃんの頭ぐらいの大きさになる人も。子宮摘出の可能性もあります。

Q.子宮頸がんって遊んでいる人がなる病気ですよね?
A.一度の性交渉でもウイルスに感染する可能性があります。
   子宮頸がんはウイルスが原因のがんで20〜40代の若い女性に多い病気です。
   性経験がある女性の50%以上が一度は感染。がん化する可能性も。
   ワクチンは性経験があっても有効。検診での早期発見・早期治療も大事!

Q.病気で子宮の摘出。女性じゃなくなるといわれました…。
A.子宮は大切な臓器ですが、特別視は無用。
   女は子宮で考える、子宮で運気が上がる、は子宮を神聖視しすぎです。
   子宮摘出すると妊娠出産は不可能に。医師ももちろん慎重に考えます。
   女性ホルモンを分泌する卵巣のほうが健康や「女性らしさ」に関わります。

Q.婦人科に行くのは恥ずかしくて正直、苦手です。
A.セルフケア感覚で気軽に来てほしい。受診のコツ、教えます。
   婦人科は不調を診てもらうだけでなく、心身のメンテナンスのために行くところ。
   「性器を見られたくない」…医師は日々多くを見ているので気にしないで。
   女性医師がいい、内診台がいや…。希望は病院に伝えましょう。

Chapter5 性器のほんとう タブーはなし! まずは正しく知る

Q.彼氏から性器がヘンだといわれました。
A.ヘンな性器はありません。自分で見てみよう。
   性器の色や形やヘアの量は、ひとりひとり違って当たり前。
   男性は、ポルノ映像をとおして整形した性器を普通と思っていることも…。
   日本は性器へのタブー意識が強い! 見て触れて、自分の性器を知ってほしい。

Q.下着からヘアがはみ出るのって濃すぎですか?
A.個人差が大きいです。気になる人には脱毛がオススメ。
   アンダーヘアの量、生えている範囲は人それぞれです。
   蒸れやかゆみ、におい…。ヘアが不快感の原因になることも。
   IラインOラインを脱毛すると快適! ワックスやレーザーできれいになります。

Q.ちゃんと洗っているのに、不快感がなくならない…?
A.刺激の強いソープだと、逆効果になることもあります。
   性器の洗い方を習ったことがある女性は意外に少ないです。
   ボディソープで洗うと粘膜とpH値が合わず、かゆみや不快感の原因に。
   デリケートゾーン専用ソープを使い、洗ったあとは、保湿もしっかり!

Q.締まりが悪い…。腟トレをしたほうがいいんでしょうか?
A.腟トレは締まりのためではなく、健康のためにオススメ。
   腟がゆるいというのは女性側より男性の感覚の問題だと思われます。
   腟トレとは、腟ではなく骨盤の底にある筋肉群を鍛えること。
   産後、更年期以降に多い、尿もれ、尿失禁の改善に効果大。

Q.セックスで痛い。気持ちよくなれないのは、私の問題?
A.性交痛の原因には病気の可能性も。ひとりで悩まないで。
   子宮内膜症の症状として性交痛が出ることもあります。
   濡れなくなると、摩擦で痛みが出ます。潤滑剤を取り入れてみましょう。
   コミュニケーション不足も痛みの原因に。相手の触れ方などに問題があることも。

Q.おりものって何? 下着が汚れるし、いらないけど…。
A.腟内を清潔に保つための分泌液です。
   おりものには、細菌やウイルスなどが入ってくるのを防ぐ働きがあります。
   生理周期によって量が増えることも。甘酸っぱい、においがあるのが普通。
   色やにおいに異変があったら性感染症などが疑われます。

Q.性病になった! 私も彼も、身に覚えがないのに…。
A.感染源の特定がむずかしい病気も。まずふたりで治療を。
   一度のセックスでも感染する可能性あり。とても身近な病気です。
   クラミジアなど、感染しても自覚症状がなく不妊の原因になる病気もあります。
   症状が男女で違う病気や、潜伏期間が長い病気では、特定がむずかしい。

おわりに

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著者

宋美玄(そん・みひょん)
産婦人科専門医・医学博士・FMF認定超音波医。
1976年、兵庫県神戸市生まれ。大阪大学医学部医学科卒業後、大阪大学医学部附属病院、りんくう総合医療センターなどを経て川崎医科大学講師就任。2009年、ロンドンのThe Fetal Medicine Foundationへ留学。胎児超音波の研鑽を積み、2015年川崎医科大学医学研究科博士課程卒業。2017年、東京・丸の内に「丸の内の森レディースクリニック」を開業。女性医療の現場に従事する傍ら、テレビ、インターネット、雑誌、書籍などで情報発信を行う。シリーズ80万部突破のベストセラー「女医が教える 本当に気持ちのいいセックス」シリーズ(ブックマン社刊)ほか、「新装版 産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK」(内外出版社刊)、「セックス難民〜ピュアな人しかできない時代〜」(小学館新書)など、著書多数。婦人科医の視点での社会問題の解決や、ヘルスリテラシーの向上にも取り組んでいる。

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