朝食はからだに悪い
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朝食はからだに悪い
書籍情報
- テレンス・キーリー 著/野中香方子 訳
- 定価:1980円(本体1800円+税10%)
- 発行年月:2019年02月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:384
- ISBN:978-4-478-10286-2
内容紹介
「朝食は健康に必須」「朝食を抜くと太る」など、ちまたに朝食神話があふれるが、朝食改革で糖尿病を克服した著者は、朝食神話のウソを作った食品会社の謀略を暴く。一流科学者として人体のメカニズムから正しい朝食の食べ方、抜き方を解明。毎日の朝食でこれほど健康状態が変わるのかと驚き、朝食への価値観が激変する!
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目次
はじめに
プロローグ
Chapter1 朝食は危険!
1 なぜ朝食の危険性に気づいたか?
●糖尿病の私に「朝食」を勧める医師
●世界が認めるガイドライン
●血糖値測定器が教えてくれたこと
2 朝食の有無で血糖値はどう変化するか?
●朝食の危険性は証明されている
〔コラム〕2型糖尿病の人は「血糖値測定器」の購入を!
3 いつから人は朝食をとるようになったのか?
●朝食をとった時代・とらなかった時代
●英国貴族の朝食は遅かった
●アメリカ人のウエストラインと健康志向
●仕掛けられた朝食の復権
●根拠のない“朝食標語”
●朝食の習慣のない南ヨーロッパは長寿
●賢人は1日2食を勧める
Chapter2 ビジネスが創り出す「朝食神話」
1 ビジネスが朝食をねじ曲げる
●朝食は金の生る木
●都合の良い研究結果だけが公表される
●朝食の研究結果を鵜呑みにはできない
●隠れた意図を見抜けるか
2 〔神話を検証する①〕朝食用シリアルは体に良い
●シリアルの栄養は過剰に添加されたもの
〔コラム〕朝食用シリアルと牛乳
3 〔神話を検証する②〕朝食は脳に良い
●朝食を抜くと「論理的推論」「意思決定力」が向上する
〔コラム〕学校の無料朝食
4 〔神話を検証する③〕朝食をとるとやせる
●朝食をとると、1日の摂取カロリーは増える
〔コラム〕満腹感と社会的・心理的要因
Chapter3 朝食を抜くと「太る」⁉
1 朝食をとらないから太るわけではない
●朝食を抜くのが先か、太るのが先か
〔コラム〕リバウンドする5つの理由
2 だらしない生活が朝食抜きでも太らせる
●朝食を食べない人はファストフードが好き?
●ファストフードと体重の深い関係
〔コラム〕朝食をミスリードする疫学者の問題
3 朝食が支持される5つのトリック
●誤解・錯覚・素直な心が朝食を良く見せる
●朝食に審判が下る日
Chapter4 研究者たちの朝食ウォーズ
1 朝食の常識にしがみつく世界的名門大学
●ハーバード大学の迷走が示唆するもの
●ケンブリッジ大学のねじれた結論
●ノッティンガム大学の研究結果の“怪”
〔コラム〕なぜ怪奇現象は起きたのか?
2 朝食の君主に立ち向かうゲリラ的英雄たち
●ゆがんだ研究報告の暴露
●食品業界への宣戦布告
●声を上げ始めた研究者たち
Chapter5 健康な人の朝食、不健康な人の朝食
1 朝食と血糖値の関係 ── 不健康な人の場合
●「2型糖尿病」「糖尿病予備軍」「肥満症」の人の血糖値
●最後の「朝食安全説」の盲点
●ダイエット状態で朝食の必要性を判断しない
2 朝食と血糖値の関係 ── 健康な人の場合
●朝食は健康な人にとっても高リスク
●夕食のほうが危険だと主張する人々
3 なぜ科学者は実験結果を誤解するのか?
●科学を非科学にする6つのフィルター
Chapter6 朝食はいかにあなたを殺すか?
1 なぜ糖は逃げ延び、脂肪は容疑者にされたのか?
●「脂肪」犯人説
●死に追いやる真犯人
●政府という名の共犯者
2 良心ある研究者たちの地道な捜査
●積み上げられた証拠
●それでも非を認めない
〔コラム〕最新の「公的な食事アドバイス」
●すべての黒幕はインスリン
〔コラム〕キューバ人はなぜ「糖」をとっても健康なのか?
Chapter7 重大な裏切り者「インスリン」
1 炭水化物化が進む現代の朝食
●デザートと化した朝食
2 朝食の危険性とインスリンの深い関係
●古代から存在していた尿がたくさん出る病
●人類初のインスリンの投与
●糖尿病の2つのタイプ
●インスリンは関所の番人
●インスリンなしで燃料は使えない
3 「糖尿肥満」という新たな大病の蔓延
●2型糖尿病と肥満が支配する世界
●肥満は喫煙に次ぐ脅威
●糖尿病が国を亡ぼす
4 なぜ人は食べ過ぎるようになったのか?
●食べ過ぎを招く10の要因
●関係者全員有罪
〔コラム〕BMI論争
5 現代の国民病 ── インスリン抵抗性
●死の病「インスリン抵抗性」
●インスリン抵抗性を招くメカニズム
●インスリンはなぜ反逆者となるのか
〔コラム〕2型糖尿病の発症について
Chapter8 なぜ朝、糖尿病の人は高血糖になるのか?
1 糖尿病と糖尿病予備軍の定義を正しく理解する
●「空腹時」と「食後」の血糖値
●糖尿病の診断にはグレーゾーンが存在する
●合併症の恐怖 ── 「失明」「腎不全」「肢切断」
●糖尿病と糖尿病予備軍の診断基準
2 糖尿病の人の「暁現象」を解明する
●概日リズムとホルモン
●覚醒ホルモン「コルチゾール」の副作用
●遊離脂肪酸が招く負のスパイラル
3 1日の初めの食事は絶えず危険
●最初と2番目の食事現象
Chapter9 朝食は静かな殺し屋を殺せるか?
1 現代の伝染病メタボリックシンドローム
●あなたを包囲する「静かな殺し屋」
●「腹部肥満」「高血圧」の原因もインスリン抵抗性
●必須の脂肪「コレステロール」「中性脂肪」の二面性
●「炎症」も「血栓」も過食がもたらす危険因子
〔コラム〕朝食とメタボリックシンドロームの3つの実験
2 メタボリックシンドロームといかに戦うか
●朝食が注目される理由
●「運動」の効果を考える
●「ダイエット」の効果を考える
〔コラム〕私自身の物語
●「加齢」の影響を考える
3 断食ダイエットの効果を科学的に検証する
●人の祖先は断食が習慣だった
●カロリー制限は続かない
●「周期的断食」の驚きの効果
●「食事時間制限法」が一番続く
●食事時間の制限だけで、あらゆる数値が改善
〔コラム〕インスリン抵抗性はいかにして私たちを太らせるのか?
●ベストは1日2食、朝食抜き
〔コラム〕『8時間ダイエット』の勧め
4 「動脈硬化症」「がん」「アルツハイマー」とインスリン
●インスリンは細胞を増殖させる
●メタボリックシンドローム対策が心臓を守る
〔コラム〕「身長」「アルコール」「サートフード」「長寿」と健康
●「アテローム性動脈硬化症」とメタボリックシンドローム
〔コラム〕コレステロールと脳卒中のパラドックス
●「がん」とインスリン
●「認知症」は3型糖尿病
●アルツハイマー病を予防する
Chapter 10 朝食の正しい抜き方・気をつけ方
1 朝食に別れを告げた人々
●私の個人的体験
●50歳男性、DR氏の体験
●48歳男性、AM氏の体験
●26歳女性、GS氏の体験
●朝食抜き効果①消えた「空腹感」
●朝食抜き効果②「強い眠気」からの解放
●「朝食依存」という病
2 朝食をやめられないなら何を食べるか?
●炭水化物の代わりに何を食べるか?
●肉類で安全なのは「鶏胸肉」だけ
〔コラム〕なぜ鶏肉だけ安全なのか?
●卵と魚は〇。「ヴィーガン(完全菜食主義)」はやり過ぎ
●乳製品は「低脂肪」より「全脂肪」がお勧め
●低炭水化物ダイエットは効果がある
●油は目的にあった使い方をする
●ナッツには「必須脂肪酸」が豊富
●果物はマイナス面よりプラス面が大きい
●ファストフード、加工食品、ジャンクフードは腸を弱める
●長生きした人の行動にならう
3 朝食をやめられない人へのアドバイス
●健康な人は条件付きで朝食をとってもいい
〔コラム〕GI値(グリセミック指数)とGL値(グリセミック負荷)
●インスリン抵抗性の疑いがあれば、朝食をやめる
●朝食の1時間前に「卵」か「チーズ」を食べる
●そして私はどのように暮らしているか
あとがき
謝辞
訳者あとがき
原註
著者
テレンス・キーリー(Terence Kealey)
バーツ及びロンドン医科歯科学校にて医学を研修。オックスフォード大学臨床生化学博士号取得後、ニューカッスル大学に移籍。その後、Wellcome高齢者臨床研究所特別研究員として、ケンブリッジ大学で臨床生化学について教鞭を執る(1986 ─ 2001年)。バッキンガム大学副学長(2001 ─ 2014年)。現在、ケイトー研究所(ワシントンDC)の科学研究センターの客員研究員として、食糧政策に関する研究に携わる。その他の著書に“Sex, Science & Profits(2006)”“The Economic Laws of Scientific Research(1996)”(邦訳出版なし)。
訳者
野中香方子(のなか・きょうこ)
主な翻訳書に『脳をだませばやせられる』(ダイヤモンド社)、『人間は料理をする』(NTT出版)、『脳を鍛えるには運動しかない!』(NHK出版)、『ネアンデルタール人は私たちと交配した』(文藝春秋)、『シリコンバレー式よい休息』(日経BP社)などヘルスケアや自然科学に関する翻訳多数。
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