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過去20年の「2月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2023年2月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!
為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。
特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。
この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「2月」のデータを集計して、2023年2月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
2月は1日の円安と3日のニュージーランドドル高に要注意!
2月1日のニュージーランドドル/円は、86%の確率で上昇!
2月は1月と同様、主要な通貨ペアでは明確なアノマリーが出にくい月と言えます。
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しかし、日別のデータで細かく見てみると、月初の1日と3日には注目したいアノマリーがあります。
下の表は、日本円が絡んだ通貨ペアの、過去20年間の日足の「陽線」の出現確率を日別にまとめ、月初の3日間を抽出したものです。
これを見ると、過去20年間で2月1日の陽線の出現確率はニュージーランドドル/円が86%、英ポンド/円と豪ドル/円が81%、ユーロ/円とカナダドル/円が71%と高くなっています。
さらに2月3日に関しては、ニュージーランドドルが絡んだ通貨ペアの動きに偏りが出ていて、陽線の出現確率がニュージーランドドル/円は82%、ニュージーランドドル/スイスフランは86%、ニュージーランドドルが決済通貨(分母側)の英ポンド/ニュージーランドドルは18%と、ニュージーランドドルの上昇する確率が高くなっています。
このことから、2月は1日に日本円が売られて円安になりやすく、3日はニュージーランドドルに買われやすいアノマリーがあることがわかります。
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2月は豪ドル/米ドルに上昇傾向、ユーロ/スイスフランに下落傾向あり。
トルコリラ/円も、過去16回で11回が下落と大きな偏りがある!
主要通貨ペアで2月はアノマリーが出にくいと紹介しましたが、もう少し対象を広げてみると、月全体を通じて少し注目しておきたい通貨ペアもあります。
下の表は、豪ドル/米ドル、ユーロ/スイスフラン、英ポンド/スイスフラン、トルコリラ/円の、過去20年間の月足の「陽線」と「陰線」の出現回数をまとめたものです(トルコリラ/円は過去16年間)。
これを見ると、豪ドル/米ドルは陽線が出現した回数が15回、陰線が出現した回数が5回なので、陽線の出現確率は75%と高くなっています。このことから、2月は豪ドル/米ドルに上昇しやすいアノマリーがあることがわかります。
さらに、ユーロ/スイスフランは陽線の出現回数が5回と少なく、逆に陰線の出現回数が15回と多いことから、下落しやすい傾向が確認できます。
また、トルコリラ/円は過去16年中で陰線の出現回数が11回と、下落した回数が多くなっていますので、これらの通貨ペアをトレードするなら、ぜひ注目しておきたいデータです。
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2月は米国債の大量償還と利払いで円高になりやすい!?
過去20年のデータを検証した結果、アノマリーは存在せず
また、2月は一部のトレーダーや市場参加者の中で、「米国債の大量償還と利払いに絡んで円高になりやすいアノマリーがある」と話題になることがあります。これは、米国債の保有割合が多い日本の投資家が償還と利払いで得た米ドルを日本円に替えるため、円高になりやすいと考えられていることが原因のようです。
しかし、過去20年分の2月の月足データを見てみると、米ドル/円では陽線が8回、陰線が12回で、月足で見る限り、「円高になりやすい」という傾向はありませんでした。
また、過去20年分の2月の日足データを確認しても「『円高になりやすい』というアノマリー」があるとは言えない、という結果になりました。下の表は、利払いのある2月15日とその前後に特化して、過去20年間の日足で「陽線」が出現した確率をまとめたものです。
これを見ても、2月15日の陽線の出現確率は米ドル/円で57%、ユーロ/米ドルで52%とほぼ半々で、他の通貨ペアの動きを総合的に考えても、米国債の償還と利払いに絡んだ円高アノマリーは、存在しないと言えるのではないでしょうか。
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米国の雇用統計の先行指標として注目されるADP雇用者数は、
2月に発表される1月分のデータが良い結果になりやすい傾向にある!
為替市場では、値動きに大きな影響を与える可能性が高いと言われる経済指標が、ほぼ毎日、何かしら発表されていますが、実は、その経済指標にも予想よりも良い結果になりやすい月と、悪い結果になりやすい月というのがあります。
その中で今回注目したいのが、米国の「ADP全国雇用者数」という経済指標です。これは、米国の給与計算代行業者のAutomatic Data Processing(ADP)社が、自社の顧客データをもとに雇用者数の動向を集計したもので、このデータの2営業日後に発表される米国の雇用統計の中の、NFP(非農業部門雇用者数)の結果を予測するのに役立つ先行指標として注目されることがあります。
下の表は、過去15年における、毎年2月に発表される1月分のADP全国雇用者数の市場予想中央値と、実際の結果をまとめたものです。
これを見ると、過去15回のうち11回が市場予想中央値よりも良い結果と、実に約73%の確率で予想よりポジティブな結果となっています。
2022年1月分の結果については、予想に対して大幅に悪い結果となりましたが、これは新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたことによる、かなりイレギュラーな雇用者の減少があったためと考えらています。
このことから、2月に発表されるADP全国雇用者数には、予想より良い結果が出やすいアノマリーがあることがわかります。
2023年の1月分のADP全国雇用者数は、2月1日に発表される予定です。前述のとおり、2月1日は円安になりやすいアノマリーがあることから、日本円の動きとあわせて注目しておきましょう。
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次回は3月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!