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過去20年の「5月」の為替市場の値動きを徹底的に検証!
2025年5月のFXトレードで使える「アノマリー」を探せ!

 為替市場には、さまざまな「アノマリー」が存在します。「アノマリー」とは、理由や要因が明確にあるわけではないが、なぜかそうなりやすい現象のことです。たとえば、バケーションシーズンで海外旅行に行く人が増えることによる外貨への両替需要、グローバル企業の決算時期や輸出・輸入企業などの実需の動きなどが影響して、例年、決まった時期に特定の通貨が買われやすい傾向などがあると考えられています。

 特に有名なアノマリーとして、「ゴトー日(5・10日)アノマリー」があります。これは、金融機関が顧客に適用するその日のレートを決める日本時間の午前10時ごろの「仲値」に向けて、特にグローバル企業の決済が集中しやすい5や10のつく日は米ドルが買われて円安になりやすい傾向にあるというもので、この動きを利用した「仲値トレード」と呼ばれる取引手法は一部のFXトレーダーから注目されています。

 この連載では、為替市場の過去の値動きデータを月ごとに検証して、上記のような「アノマリー」を探しています。今回は過去の「5月」のデータを集計して、2025年5月のFXトレードで活用できる「アノマリー」を探してみました。
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5月はスイスフラン/円を筆頭とした全体的な「円安」傾向に注目!
4月とは真逆の「英ポンド安」や「豪ドル安・カナダドル高」にも警戒!

 はじめに、月足の統計データで5月のアノマリーを確認していきましょう。

 下の表は主要通貨ペアの過去20年間の月足を調べた中から、日本のFXトレーダーの取引量が多い通貨ペアと、5月に注目したい通貨ペアの、「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

注目通貨ペアの月足アノマリー情報

 これを見ると、5月は米ドル/円の陽線の出現回数と陰線の出現回数はともに10回と拮抗していますが、ユーロ/円は12回、カナダドル/円は14回、スイスフラン/円は15回と、主要なクロス円の多くで陽線の出現回数のほうが多く、「円安になりやすい傾向」がありそうです。
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 特に、陽線の出現回数が20回中15回のスイスフラン/円は、自然豊かな観光立国のスイスに花見やアルプスハイキングを目的に訪れる旅行客が増加する時期ということもあり、スイスフランへの需要が高まることも「円安・スイスフラン高」のアノマリーにつながっていると言えそうです。

 日本では5月の序盤に大型連休(ゴールデンウイーク)があり、海外に旅行へ行く日本人が増える時期となります。そのため、日本円を外貨へ両替する需要も高まり、5月は円安の傾向になりやすいと考えることができるかもしれません。今年(2025年)は4月26日~5月6日まで最大11連休と長い休みを取れる人もいるようなので、例年以上に外貨の需要が高まるかにも注目です。

 また、5月は英ポンド/米ドルで陰線の出現回数が20回中15回と多く、「英ポンド安」のアノマリーが確認できます。4月は英ポンド高のアノマリーがあっただけに、真逆となる興味深い傾向です。
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 5月の英ポンド安は、英国で5月の第1月曜日と最終月曜日の2回にわたり、「バンクホリデー」と呼ばれる祝日があることも理由にありそうです。「バンクホリデー」は、もともとは銀行員の休日(公休日)として設定されましたが、今では国民の祝日という位置づけで、ほとんどの企業、公共施設、店舗が休業となります。そのため、英国の経済活動が沈静化するから、とも考えることができるのではないでしょうか。
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 そのほかには少しマイナーな通貨ペアですが、豪ドル/カナダドルには陰線の出現回数が20回中16回と、「豪ドル安・カナダドル高」のアノマリーがあります。豪ドル/カナダドルを取引できるFX口座はそれほど多くはありませんが、取引しているFX口座が豪ドル/カナダドルを取り扱っているなら、注目しておくのも良さそうです。

日足では「14日と27日の円安」アノマリーに注目! さらに、
カナダドルでは複数の日で「カナダドル高」のアノマリーも!

 次は日足の統計データの中から、5月に注目したいアノマリーを紹介します。

 下の表は、過去20年間における日本円が絡んだ主要な通貨ペアの5月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。確率が高ければ陽線になりやすく、確率が低ければ陰線になりやすい傾向があると考えられます。なお、出現確率は直近10年間の動向に比重を置いた加重平均です。

日本円が絡んだ通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、まず、14日にユーロ/円で陽線の出現確率が86%と非常に高く、米ドル/円、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円、スイスフラン/円も70%台と高くなっています。

 そして、27日はカナダドル/円で陽線の出現確率が86%と高く、米ドル/円、英ポンド/円、ニュージーランドドル/円も70%台と高くなっていることがわかります(17日と25日も円安アノマリーがあるが、今年は土日のため除外)。

 このように日足で見ると、5月の全体的な円安傾向は日本の大型連休を過ぎたあとに発生しており、5月は「14日と27日の円安アノマリー」に注目しておきましょう。
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 また、カナダドル(加ドル)にも興味深いデータがあります。以下の表は先ほどと同じように、過去20年間におけるカナダドルが絡んだ主要な通貨ペアの5月の日足を数え、日別の「陽線」の出現確率をまとめたものです。

カナダドルが絡んだ主要通貨ペアの日足アノマリー情報

 これを見ると、5日はカナダドル/円とカナダドル/スイスフランの陽線の出現確率が70%以上と高く、カナダドルが決済通貨(分母側)の米ドル/カナダドルとユーロ/カナダドルは30%以下と低くなっています。

 また、15日と16日は、ユーロ/カナダドル、英ポンド/カナダドル、豪ドル/カナダドル、ニュージーランドドル/カナダドルの陽線の出現確率が30%以下と低く、27日はカナダドル/円とカナダドル/スイスフランで80%台とかなり高いことから、「カナダドル高」のアノマリーがあります。

 このことから、5月は5日、15日、16日、27日に「カナダドル高」のアノマリーがあると言えます(2025年は土曜日となる10日は除外)。

 冒頭で紹介した月足でも、5月はカナダドル/円と豪ドル/カナダドルで「カナダドル高」のアノマリーがあるので、5月はカナダドルに注目するのも良さそうです。

5月の株式市場は「日米の株高」に注目!株式の世界で有名な相場格言
「セルインメイ(Sell in May)」を陽線の回数や変動幅で検証した結果は?

 最後に、為替の動向にも影響を与える株式市場の5月のアノマリーを紹介します。

 下の表は世界の主要な株価指数の過去20年間の月足を調べた中から、注目したい株価指数の「陽線」の出現回数と「陰線」の出現回数をまとめたものです。

主要株価指数の月足アノマリー情報

 これを見ると、5月は陽線の出現回数が日経平均株価とTOPIX、米国のNYダウとナスダック総合指数で13回と株高になった回数のほうが多く、同じく米国のS&P500には陽線の出現回数が20回中15回と「株高」のアノマリーがあります。
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 ちなみに、株式の世界には“セル・イン・メイ(Sell in May)”という有名な相場格言があります。オリジナルは「Sell in May and go away, don't come back until St Leger day.」で、日本語では「(株を)5月に売ってどこかへ行き、9月第2土曜日のセント・レジャー・デーまで戻ってくるな」という意味になります。

 つまり、“株式への投資は5月にいったん止め、9月の第2土曜日以降に再開するべき”という、5月から9月にかけては株価が軟調に推移しやすいことを示した相場格言ですが、本当にそのような動きとなっているのかを、実際に検証してみました。

 以下の表は、過去20年間における日経平均、NYダウ、米ドル/円の、セル・イン・メイの期間に該当する5~9月の5カ月間と、それ以外の10~4月の7カ月間の、陽線の出現回数と変動幅の中央値をまとめたものになります。

日経平均・NYダウ・米ドル/円の値動きの比較

 これを見ると、日経平均の陽線の出現回数は5~9月が20回中10回、10~4月が12回と、10~4月のほうが多くなっています。また、変動幅の中央値も、5~9月は-47.58円の下落だったのに対し、10~4月は+968.63円と、大きく上昇していることがわかります。

 同じように、NYダウの陽線の出現回数は5~9月が13回なのに対し、10~4月は14回と若干ですが上回っていて、変動幅の中央値については5~9月が+300.58ドル、10~4月は+1393.03ドルと、大きな差があります。

 以上のことから、セル・イン・メイの期間に該当する5~9月の間に、明確な株安のアノマリーを確認することはできませんが、それ以外の期間と比べた場合、変動幅は小さく、値動きが緩慢と言うことはできると思います。

 とはいえ、セル・イン・メイの期間にトレードチャンスがないわけではありません。特に、最近ではトランプ関税に関する報道を受けて株式市場が乱高下することも少なくありません。しかも、4月9日に「相互関税を90日間延期」することも発表済みのため、7月上旬までに再び相互関税をめぐって株式市場が混乱する可能性もあるので、5月以降も株式市場の動向には注目しておいたほうがいいでしょう。

 今回紹介したデータが、5月のFXトレードの参考になれば幸いです。次回は6月のアノマリーを紹介しますので、お楽しみに!