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9月の為替相場には、陽線と陰線の出現回数に大きな偏りなし。
年末に向けて上昇していく、「季節性」を見越した仕込みどきか
アノマリーアナリストの川崎ドルえもんです。
私は、過去の相場から統計データを取って、相場にどのようなアノマリーがあったのかを研究・配信しています。
今回は、2022年9月のアノマリー情報を紹介していきましょう!
下の表は、過去20年間の31の通貨ペアの月足データを調べ、陽線(上昇)だったのか陰線(下落)だったのかをまとめた表です(トルコリラ/円とメキシコペソ/円は、過去16年間)。
9月の各通貨ペアの動きを見ると、14回以上、つまり、70%の偏りが出ている通貨ペアはニュージーランドドル/スイスフランだけで、それ以外に陽線と陰線の出現回数に大きな偏りはありませんでした。
(※筆者作成 2002年~2021年末まで(トルコリラ/円とメキシコペソ/円は2006年10月から))
上記の表を見ると、9月の米ドル/円やクロス円には「円高に進みやすい」もしくは「円安に進みやすい」といった目立ったアノマリーは存在せず、他の主要な通貨ペアにも「上昇しやすい」もしくは「下落しやすい」といった目立ったアノマリーは存在しないようです。
ただし、過去20年間の9月の為替相場には明確な方向性は出ていなくても、10月から年末にかけて存在するアノマリーに対する準備期間と考えてることはできそうです。というのも、10月は豪ドルが買われやすく、12月はニュージーランドドルが買われやすいというように、年末にかけてオセアニアの通貨が買われやすいというアノマリーが確認できるからです。
9月は年末に向けて豪ドルやニュージーランドドルが上昇することを見越して、中長期目線でこれらの通貨を徐々に仕込んでいくのに良い季節となるかもしれません。
さて、月足ではアノマリーを見つけることはできませんでしたが、週足ではどうでしょうか。続いては、週足が陽線になった確率を見ていきましょう。
9月12日~13日を起点する週足チャートで
米ドル/円やクロス円が上昇しやすいアノマリーを確認!
9月は全部で30日あります。そこで、月足よりも細かいデータの週足を使って、いつ頃にアノマリーが出ていたのかを探っていきましょう!
下の表は、それぞれの日にちを起点とした週足を調べて、過去20年間で陽線をつけた確率を算出し、その中でも特にアノマリーが確認できた9月11日~17日にかけてを抜粋したものです。
表を見ると、9月12日~13日を起点とした週足では米ドル/円と多くのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)で陽線(上昇)の確率が高くなっています。
特に12日を起点とする週足が陽線だった確率は米ドル/円が71%、ユーロ/円、英ポンド/円、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円が86%、スイスフラン/円が79%で、陽線になりやすいようです。
9月29日はユーロ高になりやすいアノマリーを確認!
ユーロ/英ポンドは、過去20年で陰線が1回のみ!
次に、日足で陽線をつけた確率を算出したデータを見ていきましょう。下の表は過去20年のユーロに関連する通貨ペアの日足を集計して、陽線になった確率を算出したものです。
9月29日は陽線だった確率がユーロ/英ポンドで96%、ユーロ/豪ドルで85%、ユーロ/ニュージーランドドルで81%などと、ユーロに関連する通貨ペアで「陽線をつけた確率=ユーロが買われた確率」が高いことがわかります。特に、ユーロ/英ポンドの陽線をつけた確率は96%で、過去20年間で1回しか陰線が付いていないというデータになっているので注目です。
ただし、9月30日に陽線をつけた確率は、ユーロ/英ポンドが30%、ユーロ/ドルとユーロ/カナダドルは22%、ユーロ/ニュージーランドドルが13%と低く、ユーロ安になりやすい傾向にあるので、9月29日のユーロ高を見越してユーロを買った場合は売るタイミングに注意をしたほうがいいでしょう。
ちなみに、9月17日にはユーロ高のアノマリーがありますが、今年(2022年)の9月17日は土曜日のため、取引ができません。
ニュージーランドドルは9月15日に買われやすく、
21日に売られやすいアノマリーを確認!
次は、ニュージーランドドルに関連する通貨ペアのデータを見ていきましょう。
9月15日はニュージーランドドル/米ドルで陽線になった確率が83%、ニュージーランドドル/スイスフランで92%と高くなっています。また、ユーロ/ニュージーランドドルは17%、豪ドル/ニュージーランドドルは19%と低くなっていますが、これはニュージーランドドルがユーロに対して売られた確率が17%、豪ドルに対して売られた確率が19%ということなので、このことから、9月15日はニュージーランドドルが買われやすいということがわかります。
一方で9月21日は、陽線の確率がニュージーランドドル/円は10%、ニュージーランドドル/スイスフランは14%と低くなっています。そして、ユーロ/ニュージーランドドルは86%、英ポンド/ニュージーランドドルと豪ドル/ニュージーランドドルは81%と、この日はニュージーランド安のアノマリーが出ています。
9月16日にはスイスフラン安のアノマリーを確認。
カナダドル/スイスフランでは、100%の確率でスイスフラン安に!
最後にスイスフランですが、9月16日は豪ドル/スイスフランで92%、ニュージーランドドル/スイスフランで77%、カナダドル/スイスフランではなんと100%と、高い確率で陽線がついています。
これらの通貨ペアの通貨ペアで陽線がついているということは、スイスフランが下落しており、9月16日にはスイスフラン安のアノマリーがあるということです。
また、9月29日はスイスフラン高、逆に翌日の9月30日はスイスフラン安の傾向にあることもわかります。
このように、過去のデータを調べることで、季節性からくるアノマリーがわかってきます。これらは、あくまでも過去データから算出される傾向で、9月が必ずこのような動きになるわけではありません。ただし、企業の決算発表日や経済指標の発表日は、毎年ほぼ同じ日と決まっています。そのため、特定の日に同じ動きになりやすく、アノマリーが出てくるのです。ぜひ、FXのトレードに役立ててください!