絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている
絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている
書籍情報
- 左巻 健男 著
- 定価:1870円(本体1700円+税10%)
- 発行年月:2021年02月
- 判型/造本:46並
- 頁数:392
- ISBN:9784478112724
内容紹介
「化学」は、地球や宇宙に存在する物質の性質を知るための学問であり、物質同士の反応を研究する学問である。火、金属、アルコール、薬、麻薬、石油、そして核物質・・・。化学はありとあらゆるものを私たちに与えた。本書は、化学が人類の歴史にどのように影響を与えてきたかを紹介するサイエンスエンターテインメント!
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目次
はじめに
第1章 すべての物質は何からできているのか?
ファインマンの問い
古代ギリシアに生まれた哲学
「すべてのモノは水からできている」
デモクリトスの主張
原子論と快楽主義
「火、空気、水、土」の四元素
四元素説と錬金術
第2章 デモクリトスもアインシュタインも原子を見つめた
真空は存在するのか
トリチェリの実験を水で試す
真空ポンプをつくったゲーリケ
ラボアジェの元素表
ドルトンによる原子論
分子概念の確立
アインシュタインが分子の実在を明らかにした
壊れないはずの原子が壊れた
原子の内部はスカスカ
第3章 万物をつくる元素と周期表
周期表
元素の発見と周期表
メンデレーエフの予測元素の発見
貴ガス元素の発見
同位体の存在とポーリングの元素の定義
現在の周期表
物質を大きく3つに分ける
金属の特徴
第4章 火の発見とエネルギー革命
人類はいつから火を利用してきたのか?
火起こし(発火法)の技術
モノの燃焼とフロギストン説
酸素の発見
近代化学の父ラボアジェ
家庭で使われる燃料ガス
燃料の歴史とエネルギー革命
第5章 世界でもっともおそろしい化学物質
生きるために不可欠の物質
古代ローマの上水道と公衆浴場
ハイヒール・マント・香水
“エチケット”の語源?
コレラ流行は何が原因なのか?
伝染病が上下水道を発達させた
水道水の塩素殺菌
世間の注目を集めた嘆願書
第6章 カレーライスから見る食物の歴史
カレーライスの誕生
コメをつくりあげた人類の偉業
大航海時代以降とジャガイモ
ヨーロッパの人口増大に貢献
家畜化で定住化が促進
イノシシからブタへ
狩猟採集時代の人類と動物
農耕革命と都市の成立
生きるために必須の五大栄養素
料理によって人類が得たもの
第7章 歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
酒と農業の始まり
ビールは給料にもなった
パンづくりとビール
酵母と発酵
ドイツの「ビール純粋令」
ワインの歴史
シンポジウムの語源
錬金術師と蒸留酒
大航海時代に重宝された蒸留酒
一気飲みと急性アルコール中毒
第8章 土器から「セラミックス」へ
揺らぐ縄文時代のイメージ
焼成レンガとインダス文明
窯の発明
中国での磁器の発展
「マイセン」の誕生
ウェッジウッド少年の陶器づくり
コンクリートをつくるセメント
セラミックスとファインセラミックス
第9章 都市の風景はガラスで一変する
ガラスに囲まれた現代
ガラスの起源
吹きガラスの発明
ガラス窓を実用化した中世ドイツ人
錬金術で活躍したガラス器具
ガラスはなぜ透明なのか?
インターネットを支える光ファイバー
未来のガラス
第10章 金属が生み出した鉄器文明
現代の金属は多種多様
鋳鉄と鋼
鉄は金よりも貴重だった
火の技術の応用と青銅器づくり
和同開珎と奈良の大仏
古代の鉄づくり
『もののけ姫』と「たたら製鉄」
高炉法の発明と発展
鋼の量産と転炉法の発明
鋼鉄製の大砲とドイツ帝国の成立
大型溶鉱炉による近代製鉄
「鉄は国家なり」
ナポレオン3世とアルミニウム
超々ジュラルミン?
レアメタル問題
第11章 金・銀への欲望が世界をグローバル化した
金は欲望の源となった
これまでに採られた金の量
金を採る方法
コロンブスの大航海の原動力
胡椒や香辛料を求めて
アステカとインカの金
カリフォルニア・ゴールドラッシュ
古代では銀は金よりも高価だった
巨大なポトシ銀山の発見
新大陸の銀とヨーロッパ経済の急成長
第12章 美しく染めよ
美しい染料と繊維
最初の合成染料
無機物から有機物ができた!
ケクレによるベンゼンの構造解明
分子設計図による合成
有機化学産業を牽引したドイツ
第13章 医学の革命と合成染料
染料メーカーと製薬
梅毒に効くサルバルサン
感染症とサルファ剤
抗生物質ペニシリンの発見
耐性菌の登場
古来の薬は植物だった
錬金術師パラケルスス
パラケルススの霊薬
第14章 麻薬・覚醒剤・タバコ
麻薬の王様ケシ
アヘンは薬だった
アヘン戦争
満州国の資金源
中毒者を増やしたヒロポン
陶然として殺されたスペイン兵捕虜
インカ帝国とコカの葉・コカイン
アルカロイドとは何か?
大麻とマリファナ
タバコと人との関わり
タバコ規制とピューリタン革命
江戸幕府の「きせる狩り」
第15章 石油に浮かぶ文明
合成繊維の登場
ポリエステル・ナイロン・アクリル
日本が開発した合成繊維ビニロン
繊維の分類
人類と天然繊維
素晴らしい中間素材
低分子と高分子
プラスチックとは?
象牙の代用品になったセルロイド
本格的な最初のプラスチック
四大プラスチックとは?
紙おむつの白い粉
プラスチックの廃棄物問題
第16章 夢の物質の暗転
『沈黙の春』の警告
DDTとは
生態系への悪影響
人類をもっとも多く殺戮した感染症
DDTに変わる薬剤は……
モノを冷たく保つ
冷媒フロンの発明
破壊されるオゾン層
代替フロンの問題点
第17章 人類は火の薬を求める
1枚の写真がベトナム戦争終結を早めた
ナパーム弾は皮膚を焼き尽くす
ビザンツ帝国の秘密兵器
黒色火薬の発明と利用
「ニトロセルロース」と「ニトログリセリン」
ダイナマイトの発明
黒色火薬から無煙火薬へ
肥料にも爆薬にも用いる
第18章 化学兵器と核兵器
貧者の核兵器
ドイツの化学兵器の父
日本軍と毒ガス
「終末時計」の衝撃
人間性を失わなかった女性物理学者
核分裂連鎖反応は原爆の原理
マンハッタン計画
水爆の開発
おわりに
参考文献
著者
左巻健男(さまき・たけお)
東京大学非常勤講師。元法政大学生命科学部環境応用化学科教授。『理科の探検(RikaTan)』編集長。専門は理科教育、科学コミュニケーション。1949年生まれ。千葉大学教育学部理科専攻(物理化学研究室)を卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻(物理化学講座)を修了。中学校理科教科書(新しい科学)編集委員・執筆者。大学で教鞭を執りつつ、精力的に理科教室や講演会の講師を務める。おもな著書に、『面白くて眠れなくなる化学』(PHP)、『よくわかる元素図鑑』(田中陵二氏との共著、PHP)、『新しい高校化学の教科書』(講談社ブルーバックス)などがある。
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