「夜間取引」という便利なサービスがあることを知っているだろうか? 夜間取引とは、その名の通り、証券取引所が閉まった15時以降の夕方や夜間でも株式を売買できるサービスのことだ。 

 株式市場が閉まった後、株価に影響を与える重大ニュースが発表されたり、海外市場で大きな動きがあったとき、通常なら翌日の株式市場が開くまで待つしかない。しかし夜間取引なら、すぐに株式を売買できるので、その分、昼間しか売買してない投資家より一歩先んじることができるのだ。

 そんな便利な夜間取引は「PTS取引」というサービスを利用して行われるが、PTS取引を利用できるネット証券は限られている。また、取引時間や売買手数料も証券会社によって異なる。そこで、夜間取引(PTS取引)が可能な証券会社とその特徴をわかりやすくまとめてみた!

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現物取引も信用取引も売買手数料0円!
◆SBI証券
取引時間 主な売買手数料
(税込)
現物取引 信用取引
8:20〜16:00
16:30〜23:59
9:00〜11:30
12:30〜15:00
現物も信用もすべて0円
※「インターネットコース」を利用し、取引報告書などを「電子交付」に設定している場合
SBI証券のおすすめポイント
PTS取引には以前から力を入れており、他のネット証券がPTS取引から撤退した際も、唯一サービスを継続してきた実績を誇る。取引報告書などを「電子交付」に設定しているなど簡単な条件をクリアするだけで、現物取引・信用取引ともに売買手数料が完全無料になるのも魅力。PTS市場のひとつ「ジャパンネクストPTS」はグループ会社のSBIジャパンネクストが運営している。売買手数料が安いのが特長のひとつ。手数料プランは「1約定ごと」のみだが昼間は通常の取引所取引より約5%安く夜間なら売買手数料が無料だ。また、NISA口座での売買もできる。なお、SBI証券はネット証券では最大手。2024年は「JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」の「証券業種」で1位を獲得。
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売買手数料が無料のうえ、トレードツールもおすすめ!
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取引時間 主な売買手数料
(税込)
現物取引 信用取引
8:20〜16:00
17:00~23:59
9:00〜11:30
12:30〜15:00
現物も信用もすべて0円
※手数料コース「ゼロコース」の場合
楽天証券のおすすめポイント
以前より日中のPTS取引は利用可能だったが、2019年3月より夜間取引の提供をスタート。2023年10月から、現物・信用ともに売買手数料がすべて0円と、非常にお得になった、ジャパンネクストPTSとチャイエックスPTSという2つの市場で売買できるのが特徴で信用取引にも対応。売買手数料は現物、信用ともに通常の取引手数料と同額で、1約定プランと1日定額制プランのどちらも選択可能。NISA口座での取引もできる。楽天証券といえば、売買から情報収集、入出金までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名だが、PTS取引も同じツールから利用できる。2024年の「J.D. パワー個人資産運用顧客満足度調査<ネット証券部門>」では総合1位を受賞。
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深夜2時までリアルタイム取引が可能!
◆松井証券
取引時間 主な売買手数料
1日定額制、税込)
現物取引 信用取引
8:20~15:30
17:00~翌2:00
9:00〜11:30
12:30〜15:00
~50万円/日0円
※夜間取引の分は翌営業日の日中取引と合算
松井証券のおすすめポイント
SBI証券や楽天証券と同じくジャパンネクストPTSで売買可能だが取引時間が多少異なっており、深夜2時まで取引可能と他社より遅くまで売買ができるのがメリットNISA口座での取引も可能。売買手数料は1日定額制のみで、1日50万円以下なら手数料は0円! ただし、1日の約定代金合計は通常の現物取引と合算される。さらに、SBI証券や楽天証券がPTS取引では指値注文のみなのに対し、松井証券では逆指値注文や追跡指値注文、ICO注文も利用だ。その使い勝手は、チャート形状で銘柄を検索できる「チャートフォリオ」を愛用している株主優待名人・桐谷さんも「初心者に特におすすめの証券会社」と太鼓判を押す
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。

夜間でも株を売買できる
「PTS取引」ってなに?

 東京証券取引所をはじめとする株式市場の取引時間は、午前(前場)が9:00~11:30、午後(後場)が12:30~15:00に決まっており、15:00以降の夕方や夜間に取引をすることはできない。そこで、証券取引所に代わって「夜間取引」の仲介をするのが「PTS」というシステムだ。

 「PTS」は「Proprietary Trading System」の略で、日本語では「私設取引システム」と呼ばれている。その名の通り、公の組織に近い証券取引所ではなく、民間の証券会社が運営し、証券取引所と同じように株式の売買ができるシステムのことだ。

 PTSは、証券取引所の取引時間が終わった後でも開いているため、そのシステムを使うことで夜間でも取引ができるのが大きなメリットと言える。

 ちなみに、証券取引所を介した一般的な売買は「取引所取引」、PTSを介した売買は「PTS取引」と呼ばれる。

現在、「夜間取引」ができるのは
SBI証券、楽天証券、松井証券の3社のみ

 今、日本には、SBIジャパンネクスト証券が運営する「ジャパンネクストPTS」と野村HDが出資しているチャイエックス・ジャパン運営の「チャイエックスPTS」という2つのPTSが存在する。

 以前は、その他にも「マネックスナイター」や「kabu.comPTS」、「松井証券即時決済取引」、「ダイワPTS」といった数多くのPTSが存在していたが、残念ながらすべてサービスを終了してしまった。

 つまり、夜間取引ができる証券会社は、「ジャパンネクストPTS」か「チャイエックスPTS」に接続することでPTS取引を行っている。

 そして現在、夜間取引(PTS取引)ができるネット証券は、SBI証券楽天証券松井証券の3社のみとなっている。なお、楽天証券は「ジャパンネクストPTS」と「チャイエックスPTS」の両方を利用可能で、SBI証券松井証券は「ジャパンネクストPTS」のみ利用できる。

PTS取引なら最長で夜23:59までトレード可能!
証券会社によって取引時間がことなるので注意しよう

 「ジャパンネクストPTS」と「チャイエックスPTS」の取引時間は、以下のように決まっている。

■各PTSの取引時間
PTS 取引時間
ジャパンネクストPTS 8:20~16:00(デイタイム・セッション)
16:30~翌2:00(ナイトタイム・セッション)
チャイエックスPTS 8:20~16:00

 上の表の通り、夜間取引に対応しているのは「ジャパンネクストPTS」だけだ。とはいえ、PTS取引が可能なネット証券はすべて「ジャパンネクストPTS」とつながっているので、安心して欲しい。

 また、同じPTSが利用できてでも、証券会社によって取引できる時間は微妙に異なっているので注意しよう。証券会社ごとの取引時間は以下の通りで、SBI証券が少し長め、松井証券が少し短めとなっている。PTS取引ができる証券会社を選ぶ際は、そのあたりもポイントのひとつになるだろう。

■証券会社ごとの取引時間の違い(現物取引)
証券会社 取引時間
ジャパンネクストPTS チャイエックスPTS
SBI証券 8:20~16:00
16:30~23:59
未対応
楽天証券 8:20~16:00
17:00~23:59
8:20~16:00
松井証券 8:20~15:30
17:00~翌2:00
未対応

 なお、営業日は「ジャパンネクストPTS」「チャイエックスPTS」ともに、東京証券取引所と同じだ

夜間取引(PTS取引)の取扱銘柄数は約4000銘柄で、
ETFやREITもトレードできる!

 PTS取引では、「ジャパンネクストPTS」「チャイエックスPTS」ともに、東京証券取引所に上場している普通株式とETF、REITが売買の対象となる。

 つまり、東証1部や東証2部、東証マザーズ、JASDAQに上場している約4000銘柄の株式は、基本的にすべてPTSで売買できる

 一方、外国株や外国ETFは売買できず、名古屋証券取引所や福岡証券取引所、札幌証券取引所のみに上場している銘柄も売買することはできない。

 なお、一部の銘柄に関しては、PTSの運営会社や各証券会社が独自に売買停止銘柄に設定している場合があるので注意しよう。

PTS取引でも「信用売買」は可能だが、
取引時間は日中のみで夜間取引はなし

 PTS取引は、現物取引だけではなく信用取引の売買も可能で、SBI証券楽天証券松井証券の3社とも対応している。ただし、取引時間は下の表の通りで、現物取引よりかなり短くなっており、夜間取引にも対応していないの注意が必要だ。

■PTS取引における「信用取引」の対応状況と取引時間
証券会社 取引時間
SBI証券 9:00〜11:3012:30〜15:00
楽天証券
松井証券

売買手数料を安く抑えたいならSBI証券か楽天証券、
深夜遅くまで取引したいなら松井証券がおすすめ

 PTS取引をやりたい人は、ここで紹介した3つのネット証券のどれかを利用するのがいいだろう。もし、取引回数が多く、売買手数料を安く抑えたいなら、現物・信用ともに売買手数料が完全無料のSBI証券楽天証券がおすすめ。一方、深夜遅くまで売買したい人は、午前2時まで市場が開いている松井証券を選ぶといいだろう。

 下記に改めて3社の特徴をまとめておくので、夜間取引ができる証券会社に口座を開設しておいて、引け後に大きなニュースが出た場合に対応できる準備をしておこう。

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夜間取引(PTS取引)が可能な証券会社を比較!
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現物取引も信用取引も売買手数料0円!
◆SBI証券
取引時間 主な売買手数料
(税込)
現物取引 信用取引
8:20〜16:00
16:30〜23:59
9:00〜11:30
12:30〜15:00
現物も信用もすべて0円
※「インターネットコース」を利用し、取引報告書などを「電子交付」に設定している場合
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PTS取引には以前から力を入れており、他のネット証券がPTS取引から撤退した際も、唯一サービスを継続してきた実績を誇る。取引報告書などを「電子交付」に設定しているなど簡単な条件をクリアするだけで、現物取引・信用取引ともに売買手数料が完全無料になるのも魅力。PTS市場のひとつ「ジャパンネクストPTS」はグループ会社のSBIジャパンネクストが運営している。売買手数料が安いのが特長のひとつ。手数料プランは「1約定ごと」のみだが昼間は通常の取引所取引より約5%安く夜間なら売買手数料が無料だ。また、NISA口座での売買もできる。なお、SBI証券はネット証券では最大手。2024年は「JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」の「証券業種」で1位を獲得。
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取引時間 主な売買手数料
(税込)
現物取引 信用取引
8:20〜16:00
17:00~23:59
9:00〜11:30
12:30〜15:00
現物も信用もすべて0円
※手数料コース「ゼロコース」の場合
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以前より日中のPTS取引は利用可能だったが、2019年3月より夜間取引の提供をスタート。2023年10月から、現物・信用ともに売買手数料がすべて0円と、非常にお得になった、ジャパンネクストPTSとチャイエックスPTSという2つの市場で売買できるのが特徴で信用取引にも対応。売買手数料は現物、信用ともに通常の取引手数料と同額で、1約定プランと1日定額制プランのどちらも選択可能。NISA口座での取引もできる。楽天証券といえば、売買から情報収集、入出金までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名だが、PTS取引も同じツールから利用できる。2024年の「J.D. パワー個人資産運用顧客満足度調査<ネット証券部門>」では総合1位を受賞。
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◆松井証券
取引時間 主な売買手数料
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現物取引 信用取引
8:20~15:30
17:00~2:00
9:00〜11:30
12:30〜15:00
~50万円/日0円
※夜間取引の分は翌営業日の日中取引と合算
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