「超」入門 学問のすすめ
明治維新と現代日本に共通する23のサバイバル戦略
「超」入門 学問のすすめ
明治維新と現代日本に共通する23のサバイバル戦略
書籍情報
- 鈴木博毅 著
- 定価:1650円(本体1500円+税10%)
- 発行年月:2013年03月
- 判型/造本:46並製
- 頁数:256
- ISBN:978-4-478-02267-2
内容紹介
明治維新を成功に導いた革命の書『学問のすすめ』を、閉塞感漂う現代日本の問題と重ねながら、個と国家の変革プロセスを23のポイントから解き明かす。なぜ今の日本には変革(維新)が起きないのか?かつて起こった変革の構造を現代日本に再起動し、今後の日本と日本人の進むべき道を示すサバイバル書。
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目次
序章 日本は時代の転換点を乗り越えられるか?
激動の時代に書かれた革命指南書/新時代を切り拓こうとする日本人が夢中で読んだ書/140年前との「隠れた共通の構造」/国に依存できない時代のサバイバル戦略/学問は生き残るための武器である/日本人を「社会的な個人」として目覚めさせた書/日本を新たな栄光へ導く「成功の本質」/『学問のすすめ』から学ぶ、維新の七つの「成功の本質」
ざっくり知っておきたい幕末史
幕末から明治への変革「6つの事件」
第1章 国家の危機に何をすべきか?
01 学問の目標とは「個と国家の変革」である
現実はちっとも平等じゃない/パラダイムが転換する変革期をサバイブすべし/国民が日本の未来に不安を抱えた時代/新しい日本を、日本人の手でつくる時代がやってきた
02 国民が主体となるとき、国家の変革が起動する
古い儒教思想は国民を愚かな赤子として扱う/なぜフランスは滅亡しなかったのか?/日本人に新しい分野への「当事者意識」を持たせた諭吉/日本の国家的な問題解決力を一気に高めた
03 変革期こそ活躍の場は急増する
気づいたときには世界で戦えなかった/日本は現状を研究し、上回る戦略へ舵を切った/平民主体の奇兵隊が、実は強かったという衝撃/変革期こそ、志のある人物の活躍の場は急増する
04 国家とは本来、国民がつくるものである
日本政府と、日本人全員の約束という構造/独立心がないと三つの悪影響が生じる/独立心は個人の問題解決力の源泉であり、日本国を支える力/社会を進歩させることも国民の義務
第2章 新しい時代を切り拓く実学とは?
05 現実に役立つ学問だけが人生を好転させる
時代の転換点で、あなたの人生をどう好転させるか?/それは、今のあなたの目標を達成できる学問か?/変革期を乗り越えた諭吉の「二つの実学」/変革期の日本人は、学ぶ対象を新たに変えるべき/実学は人生の自由を得るための「良質の武器」となる
06 新しい可能性は自らの「発見力」次第である
地球と同じ環境の星が数千倍に増えた理由/虚学による二つの恐ろしいデメリット/あらゆる限界は、観測する側の能力に依存している/実学が視点を変えるリフレーミングとなる
07 「新しい視点」と「人望」が飛躍を生み出す
実学の実践にも正しい順序がある/雑務で師の信頼を得た諭吉の少年時代/実務スキルから「視点の転換」への飛躍/「実学と人望論」を組み合わせた諭吉の人生行路/優れた人と交流し「新しい視点」を得ることも実学
第3章 変革期に役立つサバイバルスキルとは?
08 「外側に接する能力」が世界を変える
諭吉が勧める五つのスキル向上/自分の目標を進化させる貴重な機会/変革期は「伝える力」と「交渉力」が重宝される/外に飛び出した諭吉が日本に新たな智見を運んだ/あなたが所属する集団に「外の情報」を与えて強化する
09 個人の「ガラパゴス化」と「鎖国」を避ける
「精神と実行」のバランスに注意する/「世間にはこの類の不平家が大変多い」/思い上がるのではなく「成長」すべき/周囲が扱いに困る人間では、救いの手は差し伸べられない
10 新しい時代の「出島」「蘭学書」「私塾」へ向かう
変革期に要求される「発見と実行」というスキル/新たな時代への付加価値を生み出す場所/当時、最先端の砲術に触れて研究心に火がついた人物/文明の風穴を開ける実学から新たな視点を得た者が躍進した/日本に革命を起こす契機となった多くの私塾/あなたは「出島」「私塾」「蘭学書」を持っているか?
11 学問で理想と現実のギャップを埋める
人は案外と愚かで、多くを成し遂げず人生を終える/人生の飛躍を妨げる「五つのズレ」/過去を「観察」して、管理すべきギャップを「推理」する/諭吉からの痛烈な反論
第4章 グローバル時代の人生戦略とは?
12 新しい視点の「活用」が価値を生む
大学者を目指し、大農家を目指し、大商人を目指せ/一五歳の少年を変えた『学問のすすめ』の威力/漁村生まれの少年が遣米使節団のリーダーに/極貧の家庭で育ったスティーブ・ジョブズの生涯/にぎやかで変化の多い諭吉の人生/現実社会で、劇的な差が生まれる構造を理解する
13 予期せぬ不運を逆発想で飛躍に結びつける
予期せぬ出来事が起きたら、あなたはどう対処するか?/革命児、諭吉の真骨頂「不運に邪魔されたときの飛躍法」/「不運な出来事」の破壊的な側面に打ち勝つ/変化を「人生の新しい革命」にする
14 新たなチャンスと英知は他者が運んでくる
人の幸福感の源泉は、他人と広く交際すること/家の中に閉じこもり「俗世間のチリを避ける」な/時に、人間関係は痛みをやわらげてくれる/つながりがチャンスを生み出し、新たな英知を運んでくる/世界は広い、人間のくせに人間を毛嫌いするな
第5章 いかに自分のアタマで考えるのか?
15 転換期は多数派の判断が正しいとは限らない
時代の変わり目には「二つのこと」を疑うべし/多数派が正しいとは限らない時代の三つの変化/新しいものを盲信することと、賢くなることは違う/変革期は「疑う力」「騙されない力」こそ試される/「正しい基準」で本質を判断し評価すること/一部分の判断から、全体像を盲信しない/諭吉の目指す、自主独立の精神への移行
16 個人の問題であるか制度の歪みであるかを見抜く
間違っているのは、制度か人間か?/システムの歪みを、道徳の問題にすり替えていないか/病根を突き止めて、正しい薬を処方すべき
17 異論異説が衆愚の罠を防ぐ
優れた個人が組織に染まると、途端にダメな人間になる/問題のすり替え、その欺瞞を見抜く視点/チャーチルは、日本が戦争に参加しないと考えていた/社会に毒を流す害がもっとも大きいもの
第6章 どうすれば世界は変わるのか?
18 比較対象を世界に広げ、「新しい現実」を見る
繁栄したインドやトルコはなぜ凋落したか?/グローバル化の二つの影響にどう対処すべきか/変革期に起こる二つの変化、その劇的な影響/世界トップの企業や組織の情報収集をしているか/消え去るか、自ら変革を起こすかの二択
19 変革の成功を導くのは「自由の創設」である
140年間の日本の挑戦と失敗/「破壊と創造」という発想を一蹴した諭吉/ハンナ・アレントと「自由の創設」というヒント/明治維新と「森の生態系モデル」の類似性/「森から別の森へ」ではなく「爆発的な豊かさの森へ」/『学問のすすめ』が描く「自由の創設」が勝利の鍵
20 五%の変化で世界は変わる
どんなに頑強な世界でも、本当に変わる/五%というソーシャルイノベーションが発見した数字/日本全体を引き寄せる良い手本をつくる/木の枝を折る一つの雪の結晶、雪崩を起こすたった一粒の砂
第7章 あなたは日本の未来をどうつくるか?
21 「解放」と「発見力」が飛躍を生む
2030年代に、日本は新しい大飛躍を迎える/古い構造が束縛した人的資源へ「自由」を与える/平和と豊かさの中で日本の第三の飛躍は可能/旧日本軍が踏んだ「束縛」という蹉跌と現代日本企業/誰もが自分の境界線を飛び越えるときがきた/2013年に勝利の構造を再起動させる
22 「俯瞰」「相対化」で正しく未来を変える
「ええじゃないか」と一揆、高まる社会不安/萩の城下で噂になった軍学の天才少年、吉田大次郎/乗っているバスの行先を知るには、どうすればいいか?/未来を変えるチカラ、未来が変化していく不思議/長州の英俊たちは、松陰の未来予測を共有して生まれた/未来予測に苦悩した諭吉は、著作に戦略を込めた/日本の未来予測に、今の日本人は反応しているか
23 「偉大さ」を目指すことが、あなたと世界を前進させる
「蟻の人生で満足するな」と諭吉は言った/今日、私たちが生きた証を未来へ伝える/凡庸さに甘んじず、偉大な企業、高い目標を目指せ/怨望を避け、あなたが日本の進化に貢献する手本に
あとがき 「革新への最高の武器で日本の未来を変える」
著者
鈴木博毅(すずき・ひろき)
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタント。MPS Consulting代表。貿易商社にてカナダ・豪州の資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略論や企業史を分析し、新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。わかりやすく解説する講演、研修は好評を博しており、顧問先には顧客満足度ランキングでなみいる大企業を押さえて1位を獲得した企業や、特定業界で国内シェアNo.1企業など成功事例多数。日本的組織論の名著『失敗の本質』をわかりやすく現代ビジネスマン向けにエッセンス化した『「超」入門 失敗の本質』は、戦略とイノベーションの構造を新たな切り口で学べる書籍としてベストセラーになる。その他の著書に『ガンダムが教えてくれたこと』『シャアに学ぶ逆境に克つ仕事術』(共に日本実業出版社)、『超心理マーケティング』『儲けのDNAが教える超競争戦略』(共にPHP研究所)がある。
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