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安藤 広大さん
インタビュー

INTERVIEW

安藤 広大さん

株式会社識学 代表取締役社長

安藤 広大

Kodai Andou

1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)のジェイコム株式会社で取締役営業副本部長等を歴任。2013年、「識学」という考え方に出合い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヶ月で東証マザーズ上場を果たす(現在はグロース市場に移行)。2023年5月現在で、約3500社以上の導入実績があり、注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

私が見たダイヤモンド社

「出版社は文章をただ紙にまとめる仕事ではない」と思い知った

株式会社識学 代表取締役社長安藤 広大

組織マネジメントのコンサル会社として3500社以上の導入実績がある株式会社識学。その代表の安藤広大さんは、ダイヤモンド社から『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』の三部作のシリーズを刊行。シリーズ累計は2023年9月現在、100万部を突破し、多くのビジネスパーソンから反響を集めています。
本記事では、著者の立場から見た「ダイヤモンド社」、ひいては「出版業界」について、実際にお感じになられたことを聞きました。

「言語化」の瞬間

そもそもの出版のきっかけを教えてください。

2019年に、ある知人からダイヤモンド社の編集者を紹介されたのが最初でした。
本業の組織マネジメント業で一定の結果が出だし、上場を目指していた頃です。
出版によってさらに広く活動を知ってもらいたいと思い、創業の思いなどを編集者にお話ししました。

最初のご著書は『リーダーの仮面』ですが、どのような経緯で企画が生まれたのでしょうか?

その打ち合わせの終盤に、編集者からマネジメントについての身の上相談をされました。
「若手や新入社員に、やってほしいことがなかなか言えない。偉そうにしたくないという心理的な葛藤がある」というような悩みでした。
それに対して私は、
「リーダーシップというのは、『性格を変えろ』という話ではなく、あくまで『与えられた機能』だけを果たせばいいんですよ」
と、アドバイスをしました。
すると、その“与えられた機能”という表現に書籍企画につながりそうな感触を見出してくれて、
「つまり、リーダーが“仮面をかぶればいい”ということですかね?」
という表現に言語化してくれました。それがそのまま『リーダーの仮面』というタイトルにつながりました。

本のタイトルは編集者からの提案だったのですね。

そうですね。「まさにそれが私の言いたかったことだ!」と、心の底からハラ落ちしました。
私にとっては当たり前のように考えていたことですが、客観的に「仮面」という概念が与えられたことで、イノベーションが生まれたと思います。
出版社というのは、著者の書いた文章をただ紙にまとめる仕事ではなく、こうやって言葉によって新たな価値を与えてくれる存在なのかと思い知りましたね。

ベストセラーというインパクト

ダイヤモンド社から出版してみて、反響はいかがでしたか?

想像以上に凄まじい影響力でした。
読者の1人1人が「お金を出してでも知りたい」というコンテンツに昇華させているわけですから、このインパクトは無料のネット動画や自社の広告では出せません。
書店での展開にも度肝を抜かれ、都内や地方、どこに行っても私の本が大展開されているのを見かけました。
また、新聞広告や交通広告を定期的に出していただき、「こうやってムーブメントを大きくしていくのだな」と目の当たりにしました。

安藤さんの元には、どのような反応が届いていますか?

一般企業の中間管理職はもちろん、介護や学校教育など、現場での仕事をしながらマネジメントで苦労しているプレイングマネジャーの方々から感謝の声がたくさん届きました。
また、私の会社の採用では「本を読んで、御社に入りたいと思いました」と面接で言っていただく機会が増え、お陰さまで採用活動に困ったことがありません。ある上場企業の会長から「ぜひお会いして話をしてみたい」という連絡も来ましたね。
余談ですが、息子の担任の先生から「お父さんの本を読みました」と言われ、父親の威厳を保つこともできました(笑)。

未来永劫、なくならないこと

その後も、安藤さんは1年に1冊のペースで本を書かれています。
著者である立場から見て、「出版業界」にはどのようなイメージがありますか?

ニュースなどでは「出版業界は縮小している」というネガティブな話をよく聞きますが、それに対する私の印象は真逆です。それは、魅力あるコンテンツに仕上げれば、確実に読者に広がっていくのを体感したからです。
まだまだ出版の影響力は大きいです。縮小しているのはおそらく、「本来、世に出す必要のなかった本が淘汰されている」ということに過ぎないのでしょう。
そんな過渡期において、正しく出版活動をしている出版社だけがこれから勝ち残っていくのだと思います。

最後に、これから社会に出ていく学生さんに、メッセージをいただけますか?

2019年の私自身がそうだったように、私のまわりの起業家仲間でも、まだ存在が知られていない面白い人やネタがたくさん転がっています。
その素材を「公のもの(パブリック)」へと「世に出す(プロデュース)」のが、「出版(パブリッシュ)」なのでしょう。
著者という素材と出会い、万人に伝わるコンテンツに磨き、世の中に出す。
そういった行為は、未来永劫、無くならないと感じます。
「まだ知られていない才能を自分の手で世間に広めたい」。そう思える人は、ぜひ出版社の門を叩いていただきたいなと思います。
特に、本によって人生を変えられた経験のある若い人には、その役割を担っていただきたい。
ダイヤモンド社は、その可能性を最大限に広げる“プロフェッショナル集団”だと思います。

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