ブックタイトルシックス　２０１８　ＳＰＲＩＮＧ

概要

シックス　２０１８　ＳＰＲＩＮＧ

小川フミオ（以下O）　我われはけっこうな数のクルマに乗っていますよね。松本さんは月に何台ぐらい新車に乗りますか。松本英雄（以下M）　週に3台なんてこともありますよ。乗ると東京から京都まで走ったりもするので、クルマと比較的じっくりつきあえるから、深く見えてくるものがあったりします。O　自動車ジャーナリズムでは〝タイヤ半転がしでそのクルマが評価できなくてはいけない?なんて笑い話のような言い方がありますが。M　走りだしてタイヤが一回転する前にそのクルマのことがわかるなんてことはありえませんよ（笑）。ちゃんと乗らないと。O　ところで最近はいいクルマを見つけましたか？M　本誌の読者のかたの興味に合致するのは、高級輸入車かもしれませんが。日本車でいうと、ぼくがいいなと思ったのは、LEXUSの新型LS。O　3リッターの新開発V型6気筒のLS500と、やはり3リッターハイブリッドのLS500hですね。最新のLEXUSはエンジンをダウンサイジングしたのが特徴です。ドイツの高級セダンがいま065もV12気筒やV8気筒を持つのに、思いきりました。M　新開発のV6ターボエンジンはターボとは思えないようなレスポンシブなところが魅力ですね。アクセルペダルを踏み込むと、一瞬の躊躇をみせずに加速します。燃費とエンジンレスポンスを向上するために摺動面のフリクションの低減に努めた結果でしょう。O　さきに2017年3月に発売したLCクーペでデビューしたエンジンですね。M　燃焼室はコンパクト化してメカニカルオクタン価を向上させることで出力に貢献していますから。ものすごくスムーズに回るので高出力が出て、全長5・2メートルのフラッグシップセダンですが、りっぱなスポーツサルーンです。新しくなったLSはFスポーツにびっくりO　とくに「Fスポーツ」の印象がいいですね。自分で運転するひとにはこのクルマを勧めたい。M　あのスポーティなシャシーは別物ですよ。路面からの入力を確実にいなすのに必要な要素は、なんといってもピボットとその周辺の剛性です。Fスポーツはそこが特別なんです。ばたばたしないでしっかり受け止める。車体のロール制御も上品でLSが小さく感じるほどです。本当に楽しい。LSどうこう言うなら、このモデルに乗らなきゃだめですよ。LCクーペもぼくは好きですねえ。高価だから良いのではなく、そういう意味で技術的にみるべきところが多いモデル。あの作りのよさからすると1300万円でも安いんじゃないかと思うぐらい。O　LSがライバルと目しているメルセデス・ベンツSクラスとBMW7シリーズ。どちらも2017年に追加車種があったりして、それがけっこういいですよね。M　Sクラスのホスピタリティは最高ですよ。車体が多少大きくても取り回しのよさでカバーするでしょう。エアサスペンションは天下一品の乗り心地です。カメラでつねに路面を監視して情報を収集。2つの系統から最適な減衰力を選ぶことで乗員に不安感をいっさい与えませんから、ステアリングもドライバーの意図と車体の実際の動きとをうまく調整してくれます。O　エンジンがこれまでより小さくなってV8も4リッターになりましたね。それでいて、前の5・海外でもっとも人気の高い日本車でもある。英国で生産され日本では限定発売など“まぼろし”のクルマだったが、2017年秋からこの5代目がカタログモデルとして発売されている。320馬力の前輪駆動で、軽く回るエンジンに気持ちよいフィールの6段マニュアル変速機。450万360円http://www.honda.co.jp/［ ホンダ・シビックTYPE R ］2018年3月1日に発売された三菱自動車ひさびさの新車。全長4405ミリ、全高1685ミリのやや背の高いコンパクトSUVで、エンジンは110kWの最高出力と240Nmの最大トルクを持つ1.5リッター。前輪駆動と4WDの設定。後席はスライド式で荷室は最大448リッター。253万2600円～http://www.mitsubishi-motors.co.jp/［ 三菱エクリプスクロス ］全長4830ミリにホイールベース2875ミリと余裕あるサイズのボディも実用的でありながら、優雅な雰囲気を生んでいる。2リッターながら出力の異なる「E200」「E300」と3リッターに4輪駆動の「E400 4MATIC」がラインナップ。運転支援システムなども充実。700万円～https://www.mercedes-benz.co.jp/※車両価格はすべて税込［ メルセデス・ベンツEクラスクーペ ］