ブックタイトルシックス 2018 SPRING

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概要

シックス 2018 SPRING

045文=篠田哲生住まいはひとを表す、というように、どんな部屋に住むかは大事なこと。たとえば書斎は男にとって生活の基点であり、リビングルームは再生の場だ。各界の著名人の例をここに紹介しよう。5 PRIVATE ROOMSINT E RIOR 画家アンリ・マティスは、1941年に十二指腸ガンの手術を受け、それ以降は体が不自由な生活となってしまう。しかしその困難が、彼の創造力に火をつけた。一日の大半を写真のようにベッドで過ごすが、そこは制作の場でもある。壁に貼られた「切り絵」は、色紙を用いたコラージュ作品で、直感的な表現方法として作家の内面を表現している。さらに彼の看病をしてくれたドミニコ会の修道女マリーへの感謝を込め、フランスのヴァンスにあるロザリオ礼拝堂の設計や装飾という大仕事に取り掛かる。立ち上がることのできないマティスは、長い棒を使ってデッサンした。脚立の後ろにある絵は、のちに祭壇の横に描かれる「聖ドミニクス」。彼のアトリエには、表現者としての情熱と強い決意が満ち溢れていた。1869年、仏ノール県生まれ。激しく鮮烈な色使いから“フォーヴィズム(野獣派)”と称された人気画家に。晩年はニースで療養しながら、制作活動を続けた命を賭して作品を作り上げた巨匠の晩年Henri Mat i s s e ( 1869 ?1954)アンリ・マティス画家?IFPA/Interfoto