ブックタイトルシックス 2018 SPRING

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概要

シックス 2018 SPRING

017アーまで少し時間が開いてしまったんだけれど、ようやくこのアルバムが完成しつつあるような感じですね。││ステージの感触やファンの反応には変化はありますか? ファンのみんなも、ようやく!という感じで喜んでくれているみたいですね。どこに行ってもものすごい反応が返ってくる。毎回、素晴らしいステージになっていると思います。ロックしてますよ。││このアルバムのなかでは、〝自由?というフレーズが何回か出てきます。 もちろん。自由は、ぼくの大きなテーマのひとつと言えるかもしれないですね。││〝壊れた現実は自由への旋律?分自身を自由に投影することができるということがあります。ひとつのストーリーに対して、あらゆる聴き手は││それは老若男女、世代や国籍を超えていろいろな人々がいると思うけれど││自由にいろいろなものを読みこんで、彼らなりの〝なにか?をつくりあげてくれる。そのことが、ぼくが作品づくり上、最も大事にしていることですね。││ となると、たとえばこういうことを伝えよう、ということを決めてからストーリーをつくり始めるのでしょうか? いや、ぼくはそのような意味で具体的なメッセージを聴き手に送ろうという気持ちはまったくない。ぼくはひとりのソングライターとして、この時代に生きて、目の前に起こっていく様々な出来事、それらを作家として忠実にスケッチして、ストーリーをつくりあげていきたい。そして聴き手は、そのスケッチやストーリーに自分なりの〝メッセージ?を読み込んでくれる。それは十人十色です。同じ曲や同じフレーズを、ポリティカルなものと感じる人もいるし、とても楽しい物語のように感じる人もいる、これはとても面白いものだと思います。││ ひとつの明確なストーリーがあっても、その解釈は聴き手の自由に任されている。 その通り。そこにこそぼくの作品づくりの最大の意図があって、それゆえにアルバム全体に演劇的なストーリー性を持たせて、コンセプト・アルバムという形をとるようになっています。││ 佐野さんの曲作りの方法は、曲が先ですか? それとも詞が先? 詞が先です。詞があって、なんとなくの曲のラフを作っていって、一度バンドに持っていって肉付けして、さらにぼくが仕上げていく。││ ここ10年ほどは、腕利きのメンバーたちを集めた〝ザ・コヨーテバンド3 * ?との活動が続いています。 彼らとのアルバムづくりももう4作目になるかな。どれも自信作ですね。││そのザ・コヨーテバンドを従えた『MANIJU』の全国ツアー4 *が始まっています。 うん、感動的ですよ。ぼくは、アルバムというものは、ライヴでバンドとともに演奏して、そしてそれを聴いてくれる人たちが目の前に居て、つまりファンのみんなと一緒に完成させるものだと思っているんです。実は『MANIJU』のアルバム・リリースからそのツ1967年にリリースされたザ・ビートルズ作品。演劇的な展開を持ち、コンセプト・アルバムの走りとなった。今作以降、彼らはコンサートを止め、レコーディングをメインの活動領域とした。ザ・ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』*2結成14年目となる佐野元春とのコラボレーションバンド。文字通りに佐野のパートナーとしてレコーディングやツアーに同行。メンバーは深沼元昭、小松シゲル、高桑圭、藤田顕、渡辺シュンスケ。ザ・コヨーテバンド*3佐野元春&ザ・コヨーテバンドによる最新作。ロックンロールと印象的なストーリーを拮抗させた世界をより深化させつつ、近年になくカラフルかつポップな印象を与える傑作。名曲多数。『MANIJU』*1佐野元春、歌の自由と時代INTERVIEW WITH MOTOHARU SANO