ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年7月20日号
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週刊ダイヤモンド19年7月20日号
Special Feature年2月、カルロス・ゴーン氏の後任としてジャンドミニク・スナール・ルノー会長が初来日した。ゴーン氏が逮捕されて以降、日産自動車とルノーの確執は深まるばかりで、権力闘争が収まる気配はない。そんな状況での来日だっただけに、スナール氏の一挙手一投足に注目が集まっていた。業界関係者の臆測を呼んだのは、日産、ルノーと提携関係にある三菱自動車の益子修会長とスナール氏との会談だ。グループ重鎮である「御三家」(三菱商事、三菱重工業、三菱UFJ銀行)の首脳陣が同席していたからだ。日産とルノーのバトルに翻弄され続ける三菱自動車。過去には、2004年のリコール隠し発覚後に御三家から金融支援を受けた。今回の有事においても、三菱グルれる「金曜会」の順に暗黙の序列が定まっているのだ。これまで、グループの重要事案については、御三家を含む世話人会メンバーが事前協議で根回しを済ませた後に、金曜会で最終決定を行うこともあった。公式見解では「親睦団体」であるはずの金曜会が、「最高決定機関」と呼ばれるのはそのためだ。三菱ヒエラルキーの頂点に立つ御三家の不協和音は、「鉄の結束」を誇ってきた三菱グループの求心力をそぐことになりかねない。三菱グループは瓦解に向けて、歩を進めているようだ。6月14日金曜日正午。東京・丸の内にある三菱商事本社ビルの21階に、三菱グループ首脳が集結した。月に1回の定例の金曜会が開催されたのだ。最近は、どんな議題が提起されープが何らかのサポートを買って出るのでは──。だが、実際には〝御三家出動〟は実現していない。それどころか最近は、旧MRJ(三菱スペースジェットファミリー)の増資問題や三菱マテリアルの品質不正など、グループの問題事案の対応では、ことごとく御三家の足並みがそろっていない(38ヘ?ーシ?参照)。事業のことはまったく話さない金曜会の議題とは三菱グループには、「組織の三菱」を支えてきたヒエラルキーと裏序列が存在する(左ページ図参照)。三菱グループの頂点に立つ御三家、金曜会の上部組織の役割を果たす「世話人会」、グループの主要27社の会長、社長で構成さ今Part1週刊ダイヤモンド2019/07/20 26Bloomberg/gettyimages崩れた「鉄の結束」三菱金曜会の瓦解三大財閥グループの大異変三井・住友と比べても、グループ企業の求心力が強いことで知られる三菱。だが近年、三菱御三家を筆頭に、「鉄の結束」が崩れ始めている。戦後の日本を支えた財閥グループに大異変が生じているのだ。