ブックタイトル週刊ダイヤモンド19年2月23日号
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週刊ダイヤモンド19年2月23日号
特集IT人材の採り方・育て方パーでロボット事業に参入するときも、キャッシュレス決済アプリ「ペイペイ」をローンチするときもIT人材を大量に採用した実績がある。 歴史的に見ても、ソフトバンクは、多くの日本企業とは異なり、顧客管理などの基幹システムをSIベンダーに丸投げすることなく、重要なシステムについては内製化してきた。その背景について、「内製化には時間も労力もかかる。経営者の覚悟があったのだと思う」(渡辺真生・ソフトバンクIT本部長)と話す。 ソフトバンクに限らず今、世界的なデジタル革命を受けて、あらゆる業種の企業が、専門領域とITを組み合わせて新規領域へ参入している。その際に、いちいち外注していたのでは、とてもではないがスピード感のある経営はできない。IT人材を内部に抱え込むのは必須の戦略となる。すでに、ソフトバンクとアマゾンとの間でも「物流×IT人材」の獲得合戦が始まっている。こうした人材の年収は高騰しており、簡単には採用できなくなっている。 あなたの企業のビジネス戦略に沿ったIT人材を獲得できるかどうか。その「採用力」が、企業の存亡を分けることになる。リープロバイダー(地域配送会社)の組織化も進んでいる。 ソフトバンクは、千葉県など関東近郊エリアの物流倉庫の自動化を手始めに、拠点を拡大していく方針。現時点では、物流倉庫の自動化に専念し、アマゾンも苦戦している「ラストワンマイル」の配送は手掛けないもようだ。 それでも、グループ系列のヤフーやアスクルはネット販売チャネルを持っており、トヨタ自動車とは自動運転技術など次世代モビリティーで提携している。 満を持して、ソフトバンクが物流へ参入するからには、倉庫業務の自動化が物流事業のビジョンの最終形だとは考えにくい。 例えば、長期的に自動運転車や次世代モビリティーが配送業務を担うなど、もっと壮大な構想を描いているに違いない。アマゾンと重複する物流テック人材の獲得バトル そして、ソフトバンクの物流参入の成否は、「物流×IT」に造詣が深いIT人材を確保できるかどうかに懸かっている。 もともと、ソフトバンクはIT人材の獲得に熱心な会社だ。ペッ29 週刊ダイヤモンド 2019/02/23vsニトリ出身の松浦学氏はロボット技術導入の推進役だった。ニトリからソフトバンクへ移り、仮想敵国アマゾンを迎え撃つアマゾンは2000年に日本に上陸して以降、着々と物流拠点を建設。アマゾンとソフトバンクによる人材の争奪戦が始まっているBloomberg/gettyimages、kyodonews、朝日新聞社/時事通信フォトソフト