ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

AIなどの技術と人材の強化を両立させる もうひとつの課題である「人材の強化」について、ハモンド氏は「これからは、エクスペリエンス・シンカー(顧客体験の考察者)ではなく、エクスペリエンス・メーカー(顧客体験の創造者)を目指すべきだ」と指摘。最新のテクノロジーを導入するだけでなく、それをどう活用すれば顧客満足度を高められるのかを考え抜ける人材が求められていると述べた。そのうえで、「アドビは『Experience Cloud』の利用ガイダンスや、ユーザー同士のコミュニティ、当社の専門家によるアドバイスなどをパッケージにした『AdobeExperience League』(アドビ・エクスペリエンス・リーグ)というサービスを提供しているので、ぜひ人材強化に活用していただきたい」と提案した。 続いて壇上に上がったのは、「Experience Cloud」を活用して顧客満足の向上に成功した英国のメディア関連企業、スカイでデジタルアナリティクス、データ戦略を担当するロブ・マクラフリン氏である。スカイは約7年前からアドビのソリューションを活用しているが、「膨大な顧客データをうまく活用できず、十分な顧客体験が提供できていなかった」とマクラフリン氏は振り返る。 そこで2017年8月に「AdobeMarketing Cloud」(アドビ・マーケティング・クラウド)を導入。同社は英国をはじめとする欧州5カ国で衛星放送・ストリーミング放送などを提供し、約2200万人の視聴者がいるが、「1日当たり1200万人の顧客に対する瞬時のレコメンドが可能となり、1年余りで収益が約1億ポンド(約150億円)増えた」とマクラフリン氏は説明した。 数百万、数千万人という膨大な顧客データを瞬時に解析するのは、人間の力だけでは不可欠だ。これに対応するため、アドビは「AdobeSensei」(アドビ・センセイ)というAIを駆使したユーザー支援機能も提供している。 Adobe Senseiは、データ分析だけでなく、コンテンツ制作の省力化や最適化にも利用できる。基調講演では、クライアントから受け取った広告のイメージスケッチをもとに、デザイナーがAdobe Senseiを使っ日本マイクロソフト 代表取締役社長 平野拓也氏(右)は、アドビとの連携強化による顧客企業のメリットを語った。英国大手メディア企業スカイのデジタルアナリティクス、データ戦略担当ロブ マクラフリン氏。て効率よくポスター制作を行うデモも披露された。 また、この基調講演には日本マイクロソフトの平野拓也代表取締役社長も登壇した。平野氏は「アドビとマイクロソフトの協業関係はグローバルで進んでおり、日本でも両社によるジョイントソリューションの開発やチーム営業が実現している。今年4月からは品川のマイクロソフトテクノロジーセンターでジョイントソリューションの常設デモも開始した。ぜひ両社による今後のサービスにご期待いただきたい」と語った。 豊富なデモと企業事例で、顧客体験の向上がビジネスを駆動することを実感できる講演だった。との必要性を訴えた。 アドビは「顧客体験のための記録システム」として「ExperienceCloud」を提供しているが、ハモンド氏はその特徴について、「膨大なデータの集約と解析、機械学習の力によるプロファイルの統合、統合されたプロファイルに基づく自在なコンテンツづくり」であると紹介した。 注目すべき点は、「ExperienceCloud」を使うと膨大なデータの集約・解析やプロファイルの統合がわずかミリ秒単位で処理されることだ。ハモンド氏は「よりよい顧客体験を提供するにはデータの内容を十分に理解する必要があるが、解析に数日や数週間もかかってしまうのでは意味がない。瞬時にデータを解析できるからこそ、デジタルでも対面と同じようにきめ細やかなサービスをお客様に提供して、満足度を高められるのである」と説明した。問い合わせ先アドビ システムズ 株式会社〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-2 ゲートシティ大崎 イーストタワー41 DIAMOND Quarterly