ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

DIAMOND Quarterly 38う対応するのか。そういった点が運用サイドにとっては戸惑いだったはずです。ほかにも、複数の業務を抱えている企画担当者をアジャイルチームに専念させるための組織の調整など、アジャイル開発が必要だとわかっていても、やれない理由は山ほどあったのです。 それをどう乗り越えたのでしょうか。 アジャイルチームを率いるトップがみずから先頭に立って、運用部門や開発部門、営業部門を粘り強く説得しました。運用部門とは、?ガイドラインはそもそも何のためにあるのか?といった議論ができるほどまでマインドが変わり、企画、開発、運用の部門が一体となり、アジャイル開発にも適用できるガイドラインをつくり上げました。 一方で問題となるのは、開発した成果物を、継続的にインテグレートして、継続的に?サービス?としてデリバリーしていく仕組みです。この仕組みがなければ、市場やお客様の反応を取り入れてシステムを柔軟に変更しても、ビジネスで活用することはできません。デジタル変革の取り組みの多くが、PoC?Proof of Concept:概念実証?で止まってしまう原因の一つは、運用部門との連携にあると考えています。当社はそこをクリアできたことで、アジャイル開発を全社に広げ、デジタル変革を推進することができました。自社の成功ノウハウを提供する場所を開設 そこで得た知見をもとに、?KDDI DIGITALGATE?を開設されたと聞きました。 KDDI DIGITAL GATEは、オープンイノベーションでビジネスを共創し、お客様のデジタル変革を実現する場として開設しました。KDDI DIGITAL GATEでは、モノやサービスをつくる前に、人を中心に課題を発見して、それを解決するソリューションを探索する、いわゆるデザインシンキングの考え方を採用しています。技術的実現性やビジネスとしての継続性は、その後に検証していきます。 最終的に目指すゴールを設定するためには、いまどこに課題があるのか、なぜイノベーションが必要なのか、それができていない背景は何なのかといった原因を明らかにする必要があります。まず、使う人に共感して、サービスの価値を考え、そこからテクノロジーのフェーズに入っていくわけです。イノベーションに正しい答えはありません。正解を求めることよりも、何が課題なのかを問いかける力が求められているのです。 KDDI DIGITAL GATEではどのようなステップでイノベーションを進めていくのですか。 3段階の具体的なステップを用意していま|図表|KDDI DIGITAL GATEでベースとなる3つのステップSTEP1Learn(1、2時間)気づく・体感するSTEP2Explore(4?6週)ユーザー体験をデザインするMVPを決定するSTEP3Build/Validate(8?12週)プロトタイプを構築する検証と改良を繰り返すデモや最新のテクノロジーを実際に見ることで、発想を拡大させ、サービスイメージを醸成する。ユーザーインタビューやワークショップを通じて、課題を解決する顧客価値やソリューション仮説(MVP※)を決定。検証可能なプロトタイプをつくり、実際のユーザーを対象に評価を行う。バックエンドやCI/CD(継続的統合およびデリバリー)環境などのインフラも含め、実際に動作するプロトタイプを構築。技術的実現性、顧客価値、ビジネス性について評価を行う。※MVP:Minimum Viable Product