ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

DIAMOND Quarterly 32り組みの価値は今後も変わらないはずです。 この2つが両輪となって力強く回ることで、本当の意味での監査のイノベーションが進んでいくと思っています。川本:デジタルテクノロジーに目が向きがちですが、アナログの領域でもイノベーションは起こせます。 たとえば監査役監査、会計人監査、内部監査の三様監査はそれぞれ別の役割を担っていますが、その違いを踏まえたうえで、いま以上に相互連携を図ることにより、不正や誤謬をいち早く発見することも可能になるのではないでしょうか。KAMが拓くディスクロージャーの未来金井:いま以上に経営に資する会計監査にするためには、監査人と監査役、取締役等との議論の機会をいまよりも増やすこと、その中身もより活発で建設的なものにする必要があります。 先ほど、社外の取締役や監査役の方が情報を必要としているというお話がありましたが、そういうニーズは我々も実感しているところです。社外取締役、監査役等の方から我々にフリーディスカッションの機会を設けてほしいというリクエストをいただき、実現した例もあります。 議事録なし、NGなしで、何でも聞いていいし、我々も忌憚なく知りうる限りの真実をお伝えする。まだ一部ではありますが、監査を経営に役立てようという動きは確実に出てきています。川本:それはいいですね。そうしたベストプラクティスを積み重ねていくことで、新しい監査の可能性が拓かれるはずです。 日本の大企業はいまだに封建的な体質を残しているところもあり、同質性が高い。まるでお城のようだと感じることもあります。そこに風穴を開けていくためには、多様で多層的な社外の視点が必要です。取締役会で本質を突いた「正しい質問」をすることは、社外の取締役および監査役の最も大事な仕事だとよくいわれますが、これはとても難しい。外部監査人からの情報は、いろいろなことを考えるきっかけにもなるように思います。金井:監査はいま転換点を迎えています。監査意見には無限定適正意見、限定付適正意見、不適正意見、意見不表明の4つしかなく、ほとんどの上場企業の監査報告書は無限定適正意見がつきます。つまり、その財務諸表は「おおむね適正」だということです。ただ、これでは監査の過程でどのような検討がなされたのかが外からはわかりません。「ブラックボックス」だと指摘されるゆえんです。 こうした意見を受けて、2、3年後を目処監査をもっと創造的なものに変えていく。そのためには、経営者との深度あるコミュニケーションが欠かせない。