ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

25 DIAMOND QuarterlyC - S U I T E I N T E R V I E Wえる灯りをより身近に引き寄せた時にどうなっているか、を考えるわけです。 その際には、あらためて「大きな環境変化」を整理し直し、その変化の中でセコムがどういうチャンスをつかみながら前に進んでいくべきか、その道筋を「2030年ビジョン」からバックキャスティングする形で、みんなと議論しようと考えました。 そこでまずは、日本企業が直面する2つの大きな環境変化をとらえました。一つは「テクノロジーの進化」、もう一つは「労働力人口の減少」です。それらをあらためて整理してみると、大きなビジネスチャンスにつながる大きなニーズが見えてくるのです。 まず、「テクノロジーの進化」について考えていくと、フィジカルとサイバーの融合による「つながる社会のセキュリティ需要」があることに気づかされます。具体的には、コネクテッドカー、ドローン、ロボットやスマートホームなどがそれに当たります。 次に、「労働力人口の減少」についてです。ここには、省人化を推進するセキュアなサポート業務、つまり「誰かに頼みたい需要」があります。駆け付けを含む機械警備、顧客情報の登録管理をはじめとするセキュアな業務委託?BPO?、子どもや高齢者の見守りサービスなどが挙げられます。 こうしたニーズに応えつつ、大きなビジネスチャンスをつかみ、我々の企業理念である「社会に有益な事業を行う」ことで存在感を示していく。そのためにも、2030年ビジョンを常に意識しながら、足元へバックキャストしていくことが重要です。いまやるべき課題は何か、次に何をやるか、を明確にしていきます。 その一里塚として、5年先までの道筋を示したのが「ロードマップ2022」です。これについては数値目標をつけることで、より具体的にしています。中期計画を義務的な観点からとらえるのではなく、あくまでも長期ビジョンに向かうためのロードマップとしてとらえる。と同時に、それを投資家とも共有し、対話するベースとする。そう位置付けています。 飯田さんは以前、?セコムには予算というものがない?とおっしゃっていましたが、いまでもないのでしょうか。 もちろん事業計画はあります。ただし、それが予算に縛られることはありません。いわゆる予算制度はないのです。 本当に必要かどうか、企業価値が上がるかどうか。それで判断して、投資をするか、物を買うかを決めています。いったん予算をもらったら使い切ろう、といった無駄なことはいっさいしません。日本発、高品質な「ANSHIN」を世界へ ここからは、成長に不可欠な海外事業についてお聞きします。海外事業は、連結決算で見ると売上対比でまだ5%未満です?ただし、現地で上場した台湾、韓国の合弁会社は連結の対象外になっている?。これから注力していきますか。 もちろんです。「あんしんプラットフォーム」を、「ANSHIN PLATFORM」としてセコム発のグローバルなキーワードにしていきたいと思っています。 全社的な割合で見れば、海外事業はたしかにまだ小さいですが、なかには40年くらい前から海外進出して現地に根付き、大きな成果を上げている地域も少なくありません。アジアなどで都市化が今後さらに進んでくると、セキュリティのニーズがどんどん高まってくるはずです。そして、所得も上がって労働単価も上昇しますので、人による警備から、セコムが得意とする機械警備へとシフトしていくでしょう。 このようにセキュリティ需要が世界的に高まる中で、既存地域でのサービス拡大はもちろんのこと、成長力のある未進出国でも、日本発の質の高い「ANSHIN」を、積極的に展開していく方針です。