ブックタイトルダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

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ダイヤモンドクォータリー(2018年秋号) 顧客創造の実学 DIAMOND Quarterly

23 DIAMOND QuarterlyC - S U I T E I N T E R V I E W世界に誇れる企業理念とともに、このビジョンを掲げることで、グループ一丸となって自信を持って前へ進めるわけです。 この「あんしんプラットフォーム」構想を掲げるに当たり、もう一つよかったことは、「共想」というコンセプトを打ち出せたことです。「変わりゆく社会に、変わらぬ安心を提供したい」という想いを共にし?=共想?、そのインフラづくりに一緒に参加してくれる企業を募ったところ、非常に多くの会社や大学から手が挙がりました。 セコムが56年の歴史の中で築き上げてきたセキュリティネットワークに、他企業の知恵とサービス・商品をつなぐことで、さらに太く大きなプラットフォームへと進化していくのです。 これまでセコムは、サービスの品質維持のために、システムや機器の開発、製造、監視、対処、メンテに至るまで、自社で首尾一貫した体制を敷いてきました。比較的クローズドな仕組みで独自性を発揮してきたわけですが、今回のプラットフォームでは他の産官学とのオープンイノベーションを前面に押し出しています。これは?自前主義からパートナーシップへ?と舵を切ったということでしょうか。「あんしんプラットフォーム」には3つの特徴がありますが、それらすべてが「一人ひとりに寄り添うサービス」を提供するところがポイントです。 今後のAI/IoT時代では、"マスカスタマイゼーション"が主流になっていきます。これまでの大量生産・大量消費ではなく、一人ひとりにカスタマイズして、寄り添っていく時代です。つまり、多様な安全・安心ニーズに応えるためには、多様なサービスが必要になります。当然ながらそれをセコム1社でカバーすることはできず、多様なパートナーとの連携が不可欠です。 だからこそ、想いが同じであれば一緒にやっていきます。"共想"をベースとしたオープンイノベーションを目指しているのです。 一方、自前主義もけっして捨てるわけではありません。むしろ、「あんしんプラットフォーム」を成功させるためにも、自社で首尾一貫することで実現してきた品質を、これまで以上に磨き上げることが重要だと考えています。 なぜならそれが、新たなプラットフォームづくりに役立つ"目利き"となるからです。リスクへの感度やノウハウなど、セコムが56年かけて培ってきた蓄積は、多様化した安全・安心のニーズに応えるプラットフォームづくりに絶対に不可欠なのです。 ですから我々は、自前主義もパートナーシップも両方大事にしていきます。安全・安心の信用と実績をパートナーシップで進化させる ちなみに、社長直属で?オープンイノベーション推進担当?という横断的な組織もつくられたとお聞きしました。手応えはいかがですか。 安全・安心は一朝一夕で築けません。セコムは長きにわたって、フィジカルとサイバーの両面で、24時間365日、お客様の財産や生命、情報を守り抜いてきました。この信用蓄積と運用実績は、簡単に真似できるものではありません。その意味を皆さんがわかってくださっているからこそ、セコムと一緒に新たなサービス・商品開発をやりたい、という企業が増えているのです。 具体的な事例をご紹介しましょう。 まずは、ルネサスエレクトロニクス?以下ルネサス?、セコム、セコムトラストシステムズの3社によるセキュリティ半導体サービス。これは、安全・安心のセキュリティ・サプライチェーンを、半導体の中に組み込んでおこうというものです。IoTでモノがネットとつながれば、当然乗っ取られるなどのリスクも増えます。 そこで、ルネサスが半導体チップを製造する際に、あらかじめ暗号や認証技術を組み込んでおくわけです。当社のグループ会社であ